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くらげのような、なめくじのような、蛸のような、てかてかと光りうねうねと動く家ほどの大きさの赤黒い身体。


そしてその体からは、黄緑色の触手のようなものが何十と生えていて、蛇のようにうごめいていました。


「……」


「……」


「うっ」


母が思わず声を出しました。


私は押し殺して言いました。


「静かに。あまり刺激しないほうがいい。自分の存在を感じ取れる僕がいるせいで、少し苛立っているみたいだから」


「逃げたほうがいいんじゃないのか」


と父。


「それだけはやめたほうがいいよ。へたに動くと、それに反応して襲ってくるから」


「そうか……」


龍神様はそのまま私と両親の前を、全く音を立てずに、ゆっくりと通り過ぎて行きました。


そして村のあちらこちらを、移動していきました。


静かでした。


家々の明かりは点いていましたが、誰の姿も見えず、何の音もしません。


その静寂の中を龍神様だけが動き回っていましたが、やがて子供が一人もいないことに気付き、海へと帰って行きました。



次の日、大勢の村人が集まりました。


その集団の中心にいたのは、私でした。

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