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一直線に玄関に向かい、靴を履くと家を飛び出しました。
そしてそのまま海へと向かいました。
私は砂浜の波打ち際まで行くと、目の前の夜の海を見つめたのです。
月明かりはありますが、当然海は真っ黒です。
その暗い海を見て、私は確信しました。
――なにか……来る。
なにかはよくわからないが、邪悪で強大なもの。
それが沖からゆっくりとこちらに向かって来ているのが、はっきりと感じ取れたのです。
――あれは、もしかしたら……。
私は急いで引き返しました。
洋間には、のんびり顔の母が座っていました。
「どこ行ってたの?」
「龍神様が来る」
「えっ?」
「だから龍神様が来る」
「本当?」
「間違いない」
母は慌てて洋間を飛び出しました。
私は後を追いました。
母は日本間に飛び込むと、父を見つけて言いました。




