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「妹の家にでも預けます」
村長が私に向き直り、言いました。
「龍神様がまた来ても、翔がいなかったら来たのかどうかもわからないんだが、一応聞いておこう。わしらはその時、どうすればいいのか?」
「動かない。騒がない。とにかく刺激しないように大人しくしておくことですね」
「そうか」
「はい」
村長はそのまま黙り込んでしまいました。
その後、直接何人かにお礼を言われた後、私は祖父母の家に戻りました。
あと二日ほど滞在する予定でしたが、両親の希望により、今から家に帰ることにしたのです。
もちろん祖父も祖母も止めはしませんでした。
帰りの車の中、父が運転しながら話しかけてきました。
「あの村はもうだめかもしれんなあ」
「多分ね」
母が言いました。
「ほんと、龍神様とかたいそうな名前つけてんのに、とんだ疫病神だわ」
それを聞いて私は思いました。
あれは神様なんかじゃない。
ただの飢えた化け物だ、と。
終




