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夢の学校

作者: 田久青

昔、昔、ある村のお話です。


あるところに、とてもとても不思議な村がありました。


その村は


とてもきれいな花が1年中咲き乱れ


地震や嵐が村を襲うこともなく


人と人との争いごともなく


住んでいる村人はみんな


正直でやさしく、みんな助け合いながら


明るく、楽しく生活していました。


その村では、全員が


本当の「やさしさ」や本当の「愛」について


勉強するために


ある年齢になると「夢の学校」に通うことに


なっていました。


その村が夜になる頃


布団に入って目を閉じると


その「夢の学校」が始まります。


「夢の学校」では


夢の中で「太陽」と呼ばれている


お日様が昇る朝から始まります。


夢の中で体験することは、村の人全員


違う体験です。


ある人は、とても貧しい家庭だったり


ある人は、とても裕福な家庭だったり


ある人は、やさしい家族に囲まれていたり


ある人は、家族がいなかったり


ある人は、いろんな才能をもっていたり


ある人は、何のとりえもなかったり


ある人は、健康な体だったり


ある人は、病気ばかりしていたり


「夢の学校」では、毎日、朝・昼・晩と1日1日が


その村の夜の間に進んでいきます。


「夢の学校」が辛すぎて


途中で帰ってきてしまう人もいますが


そういう人は、もう一度また「夢の学校」へ


通いなおさなければいけません。


また、「夢の学校」を卒業しても


本当の「やさしさ」や本当の「愛」について


勉強が不足している人もいますが、


そういう人は、もう一度また「夢の学校」へ


通いなおさなければいけません。




それぞれの「夢の学校」で


いろんな経験をして、いろんな体験をして


少しずつ、本当の「やさしさ」や本当の「愛」を


勉強していきます。


「夢の学校」に通っているときは


この村のことは、思い出せないことになっています。


それでも、この村の長老が


「夢の学校」で辛すぎる体験をしている人や


悲しすぎる体験をしている人へは


こっそり、応援してあげたりします。


実は、本当の「やさしさ」や本当の「愛」を


勉強するためには、少し辛すぎるくらいだったり


少し悲しすぎるくらいだったりの体験が


とても早道だったりするのです。


この不思議な村が、


人と人との争いごともなく


住んでいる村人がみんな


正直でやさしく、みんな助け合いながら


明るく、楽しく生活していけるのは


この村には


みんなが通う「夢の学校」あるからなのです。


おわり











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― 新着の感想 ―
[良い点] 「夢の学校」という設定がとても示唆に富んでいて良かったです。
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