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プロローグ

ガラララッ――


「よっ、おはよう」


 とある中学に通う俺は、3年生の教室のドアを開け、人影を見つけると挨拶をした。

 焦茶色の髪の毛、黒色の瞳、すっきりとはいえない体型、身長は背の順で言えば少し前位、名前は【長谷川(はせがわ) (れい)】だ。


「おっ、れいぽん。珍しいな、朝早く登校してくるなんて」

「今日は何故か朝早く起きてな、暇だし来たわ」


 俺の言葉に反応してくれた人は【本田(ほんだ) 勇真(ゆうま)】クラスメイトだ。

 勇真はいつも朝一番に学校に来ている。本人曰く『剣道部で毎日朝錬だったから、多分体に染み付いているかもしれない』らしい。良い生活習慣だと思うけど苦痛じゃね?それ。


「あー、あっつ。まだエアコン点いてないの?」

「そうだよ。というより毎日そうだね。先生が来るまで朝は点かないよ」


 今の季節は夏、今日は9月1日で夏休み明けである。

っていうかマジでくっそ暑いな、先生来るまでって……朝点けっぱにしとけよ。


「そうかぁ、今は扇風機で我慢するか」

「そうだな。あっ、そっちの扇風機使ってるから、もう一つの扇風機使って」

「へーい」


 教室に設置してある扇風機の数は二機。廊下側の壁と、窓側の壁に付いている。そう返事しながら俺は、窓側の扇風機を点けた。すずしいなぁ。

 涼んで時間が経つと俺は廊下に出た。この時間帯になると皆が登校してくる時間だ。

 登校してくる集団から遅れて、お目当ての人が見えた。


「おっ、おーい! 副島〜」

「あ? ああ玲か、何だ?」


 典型的な日本人の見た目だが、俺と似た体型である【副島(そえじま) 和幸(かずゆき)】だ。こんなことを言うのは悔しいが顔が渋くてかっこいい、身長は俺より少し高め、数少ない友人である。


 廊下で二人して両腕を組み、放課後のお楽しみについて立ち話を始めた。

「おう、早速だが今日遊べるか?」

「今日は何にもなかったから遊べるぞ」

 何も迷うことなく副島は、遊ぶ約束を承諾してくれた。


「よっしゃ、じゃあ何して遊ぶかぁ」

「なんも考えずに誘ったのか、お前は……」

俺の計画性の無さに飽きられた。ええやろ! 結局遊ぶんだから変わらないやろ!


「まぁ、取りあえず俺ん家で遊ぶか」

「そうだな。玲ん家で何をするか……あっ、久々にB○4やりたくなってきたわ」

「○F4かぁ。うーん。いいけど、最近オンラインであんまりやってる人いないぞ」

「発売から結構経ってるし、元からプレイしてる人いないだろ」

「そういえばそうだったな(遠い目)」


キーンコーンカーンコーン――


「やべっ、チャイムだ」

「お前のせいで遅刻なりそうじゃねえか、くたばれ!」

「えぇ!? ちょっとひどぶへぇ!?」


 副島の拳が、俺の腹にクリティカルヒットしてその場に蹲った。副島は空手の経験者である程度、鍛えられている体なのに……。というより、あいつ本気で殴ったやろ……。

 そう思っている間に、副島は俺を置き去りにして教室へ走り去って行ってしまったのだ。


「おぉぉ……、俺まで遅刻しそうじゃねぇかぁ」


 廊下の床を這いずり、自分の教室を目指しながらそう呟く。副島とは違うクラスだから次の休み時間まで話せないのだ。返り討ちにしたいけど、逆にされそうだから今度でええか。

 ギリギリ席に着いて遅刻は免れた。




 放課後――

  俺と副島は授業を終えると、帰宅部であり遊ぶ約束をしていた為、足早に下校した。


「うぅ、まだ腹が痛い」

「時間を把握してないお前がいけない。例えまた遅刻しそうになったとしても問答無用で殴る」

「理不尽すぎない? それ」


 通学路を並んで歩きながら、俺は腹を抱えて大げさに痛がる振りをした。理不尽すぎる、これが脳筋か。


「フンッ!」

「あぶねっ!? 今度は顔に当てようとしただろ!」

「そうだよ」

「ちなみに念の為聞くけど理由は?」

「俺のこと脳筋だと思っただろ」

「そ、そんなこと思って……ね、ねーし?」

 精一杯の否定のつもりだが、目が合わせられず泳いでしまう。

「本当かオォン?」

「チンピラみたいな言い方すんなや」


 下校中にいきなり殴れそうになった。こいつ……理不尽の権化かなんかか……。

 しかしまぁ、これが俺らにとっての日常である。


「俺のこと脳筋だと思ってもいいけど、お前よりは頭良いからな?」

「うっ、やめて。勉強の事言うのをやめて」

 

話を逸らしてたのに、図星を突かれてしまった。思わず両手で耳を塞ぎ、「アーアー」とお決まりの聞こえないふりをした。空手を習っていて、しかも塾も通っているお陰か、頭の回転も良い。俺とは大違いだ。と言っても、学校の中での順位は普通らしいが。

俺? ……シランナ。


「あーあ、何処からか金髪獣耳ロリ落ちてこねーかなぁ」

「落ちてこねーし、まず獣耳って所からおかしいって思えよ」

「ええやん! 獣耳! かわええやん!」

「おかしい、俺の隣から犯罪の匂いが漂うなぁ」

「えっ? ここの近く最近物騒になってるし……そういうのまじで怖いよ?」

「お前の事だよ!」

「ぶべらっ?!」


 理想の嫁――を呟いたら犯罪者扱いをされ、今度は鳩尾殴られた。

今日は災難だなぁ……。


「お前……みぞお、ちはないだろ……」

「俺の友人から犯罪臭したら、とりあえず鳩尾殴ればいいって。ばっちゃ言ってた」

「嘘こけ!」


 漫才のような会話をしていると足元に違和感を覚え、俺達は立ち止まった。通学路にあるはずのないモノが、そこにあったからだ。


「ん? ……ん!? なんやこれ」

「円……だよな。にしちゃぁ、少し……光ってるけど」

 副島の言う通り、白い円が先程より濃く浮きでて来て驚いてる。しかも徐々に光っているのだ。うーん、この非常識系。なーんか覚えあるような、ないような。

「ん? 円の中から何かが次々と浮き出ているぞ」

「あっ、本当だ」

「「……」」


俺と副島は顔を見合わせたが言葉にしないまま、お互い頭の中で考えた。で、思案した結果――


「どう見ても魔方陣だよな……、これ」

「まごうことなき魔方陣だと思うぞ。で、これが俺達の足元に出てきたって事は」

「……異世界転移……?」

「かもな……」

「デジマ?」

「デジマ」

 一昔前のギャグをかましたところで、俺達は目を揉んでみたり、頭をマッサージしたりしてみる。それでもやはり現実に起こっているのだ。


「ちょっと待て。いくら俺達が疲れた受験生でも、ここまでの幻覚があるのか? しかも、だ。二人揃ってだぞ」

「まずお前は受験生の中でも、試験勉強に追い詰められてないのに何を言ってるんだ。あと、俺まで幻覚が見えるように言うな」


 そうこうしている間に段々と魔方陣らしきものが完成したのか、強く光った瞬間、俺達は閃光に包まれた。


「ちょっと待ってお願いします! まだやったことないエロゲとか積みゲーがいっぱいあるんですお願いしますだから――」

「す、少しは落ち着け! 色々と言っちゃいけない事を言っているぞ――」


死ぬかどうか分からないこの状況をやめてもらいたいがために、本音を言ってしまった。しかしそんな願いは叶うはずが無い、と察した副島は俺に冷静になるように促す。が、全て言い切る猶予は無かった。身体の下から徐々に光の粒子になり――その場所は何事も無かったように跡形もなく消えた。




 この物語は、俺と副島がスッキリと痩せて帰ってくるお話だ――


プロローグです。まぁ作者のただのオナ○ーなんで殆ど冷たい目で見てやってください。

えっ?なんでここに投稿するかって?気分だよっ!

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