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プロローグⅡ

俺は今ふわふわと浮きながら小さな少女に抱きかかえられている。

と言っても体ではなく光の玉みたいになっているが。


少女の目に映った自分を見て、自分は死んだのだと実感した。

でも、意識はあるし、生きていた頃より鮮明に周りの景色が良く見える。


「気分はいかがですか?」


銀髪の髪を長く生やした見た目小学生の幼女が母性溢れる声で俺に話しかける。


「声に出す必要はありません。答えをイメージして頂ければ伝わりますから」


しっかしかわいい。

こんな嫁が…いや妹が欲しかった。

俺に兄妹はいなかったし、両親は俺が高校に上がると同時に離婚して、

自分を引き取った母も去年に亡くなった。


それからはバイトをしながら生活して、やっとの思いで就職しこれからだって時に


…。


「それは…ごめんなさい。私の力不足で」


え?なんだ心が読まれて…いや、答えをイメージって言ってたから

思ってること全て筒抜けと言うことでは?


「はい、その通りです」


少女は俺の体をプニプニと突きながら静かに笑ったように見えた。


ていうか、日本語…?でイメージしているのだが、ちゃんと伝わっているし、彼女


が喋る言葉も俺が知っている国の言語だ。


「あぁ、はい。我々の一族といいますか、なんといいますか。業務上全ての世界、


国、地方の種族と関わりますので、ちょっとした細工をさせていただいております



淡々と答えるも表情は相も変わらずと言う事にどこか寂しさを感じた。


しかし…俺はどうなるんだろうか。

小さい玉のまま意識がなくなるまで過ごすのだろうか


「そのことであなたをここでプニプニしていたのです」


冗談で言っているのか?真顔で言われると非常に怖い。



俺に何かしてほしいって事か?


「はい。気分であなたを選びました。少し頼みたい事があるのですが」


頼み?俺に…だよな。無職の18歳少年に?RPG勇者みたいな力もないし、ラノベ


主人公みたいな要素も今のところはこの光の玉になった身体だけだ。


いや、何も光の玉に転生したからって、戦闘したり侵略者を撃退するのが頼みと言


うわけでもないだろう。


「問題のある世界に行って、原因を排除してきてほしいのです」


うん、無理だね。ははは、原因を排除どころが原因に排除されるよ。

動くな!警察だ!って言ったら、動くな!国家だ!と言われるようなものだよ


さすが俺たとえが謎すぎる。


「引き受けてくれるのでしたら新しい体と力を与えます」


あ、そうなんだ。この○ーパーボールみたいな体で行くんじゃないのか。

力と言うとどんな力なのだろうか。


「そうですねぇ…」


そう言って彼女は少し悩んだ末に


「ふふふ、それはあなたが了承してくれた時のお楽しみです」


お、なんだそれはワクワクするじゃないか!

どんな力がもらえるのか…って、危ない危うくハメられるところだった。


「ちなみに…」


ん?声が少し冷たく…


「もし断った場合あなたは同じ世界の住民同様、養分となりますが…」


と言って俺の後ろを指さした。そこにあったのは、はるか遠くにほんのり枝が見え


る程度の巨木だった。


木の養分になるくらいだったら俺は心の中で

「はっはいぃぃ」と思いっきり声を裏返して答えてしまった。

次回から本編。第一話は4月10日予定

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