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俺と厄介な友達(下)

少し長めです。

「はい、到着」

「……」

グラエムの表情が暗い。一体何があったかは知らないが。

「ただいま」

「お帰りなさい、カイル」

「もう、ご飯作ってる?」

「手伝わなくていいわよ。だって昨日作ったでしょ?それにもう終わってるから」

「そういうことじゃなくて」

俺は後ろを見る。未だにグラエムが震えている。

これは病院に行かせた方が良いのか?

「そのゴミどうかしたの?」

「いや(ゴミって国内最強なんだけど)」

「ゴメンナサイ、ゴメンナサイ、ゴメンナサイ、ゴメンナサイ……」

「俺に相談したいことがあるって来たから」

「そう、ゴミでも悩むことあるのね」

「アンリ、それは言い過ぎ」

チラッ

「イキテテゴメンナサイ、イキテテゴメンナサイ、イキテテゴメンナサイ……」

「……」

「粗大ゴミいつだったかしら?」

「アンリ!」

俺は久しぶりにアンリを怒った。

「ごめんなさい」

アンリがシュンとする。可愛い。

「まあ、一応、全帝だから」

今はこんな状態だけど。

「……はい」

「グラエムも全帝らしく」

俺はグラエムの背中を叩く。

「ごめん。わかった」

グラエムが鋭い目をするが下を見ると両脚が震えている。

「……」

これは仕方がないかもしれない。




「それで用件は?」

俺たち3人は玄関からリビングに移動しソファーに座る。ちなみにグラエムは床に座らせている。

「相談というかお願いに近いんだけど」

「早く言えって」

「カイルって先生とか興味ない?」

「……はぁあ?」

唐突に何いってんだ?俺はニートじゃないぞ。

「仕事辞めたの?」

「辞めてない」

アンリが悲しむことはしません。

「あはは、やっぱり仲良いね」

「当たり前だ。それより具体的に言え」

「あはは」

ブチッ

俺ではなくアンリのなにかが切れた音が聞こえた。

ピッ

「もしもし、エミリア」「ビクッ!」

『アンリ、久しぶりね。いきなり電話してきて何のよう?カイルと結婚でもするの?』

「それは後々」

『そろそろしないとカイル取られるわよ』

「そんなことさせない。そういう女は私が潰「代わって」」

何か話の内容がずれてる。

「エミリアさん、カイルです」

『あれ?居たんだ。私にイチャイチャでも聴かせたいの?』

「違います」

『違うんだ』

「それより、グラエムいる?」

『居ないわよ。グラエムに何かよう?』

「いや、ちょっとね」

『はっきり言いなさいよ。用がないなら切るわよ』

「ごめん、ごめん。今、グラエムはここに居るんだけど」

『何で?』

「知らないけど、エミリアにも言えないことを相談したいって」

「待っ『今からそっちに行くわ』……」

突然リビングの床がひかり出す。

「来たな」

「そうみたいね」

「……」



「グラエム」

「はい!」

「私に隠し事?」

「してません!」

全帝がこれでいいのか?子どもの夢が壊れるぞ。

「本当?」

「本当です!」

「カイル、これはどういうこと?」

「相談しに来たのは本当です。内容は聞いてませんが」

「グラエム、嘘付いたら駄目よ」ハイライトオフ

「はい!」

「言って」

「国王からの命令で誰かを首都の魔法高等学校の先生にしなければならずカイルに白羽の矢が立ちました!」

マジかよ……。

「らしいわよ。良かったわね」

「良くない!誰の推薦だ!」

「元軍隊長、現在防衛長のバジル=カートライトさんです!」

何の相談もなく推薦したんですかバジルさん……昔と変わらない。


「その名前を聞いてギルドマスターも推しました!」

「……」

まさかのダブル推薦。それは通ります。

「それはいつ決まった?」

「半年前です」

「「「グラエム(ゴミ)!そう言うことは早く言え(言いなさい)!」」」

現在、3月17日

始業式まで約2週間


「どうしよう。この時期に辞表って大丈夫か?」

「少し迷惑」

「そうねー」

だよな。もし、俺が上司だったら非常に困る。

「あの~非常に言いにくいんですけど……」

「「「何?バカグラエム(ゴミ)」」」

「このこと、セリーヌさん知ってます」

「「「何を?」」」

「先生になること」

「「「へぇー」」」

へぇー、セリーヌさん知っているんだ…。それなら大丈夫だな。

「「はぁあ?何で!?」」

「……」

アンリ、その魔法を唱えるのは止めろ。俺とエミリアにも被害が出る。

「バジルさんが直接言いに行ったはず…」

「「「……」」」

またあの人か。俺の連絡先知っているのに何で言ってこないんだ。

「それで何でグラエムは知ってるの?」

「それはそうだな。何でだ?」「……」

「何でって、俺もバジルさんに聞いたから」

「いつ?それも半年前か?」

「おう!」

おう!じゃないから。

「「「……」」」

「俺、変なこと言った?」

これはもう手遅れだな。

「カイル、ご飯食べる?」

「食べる。エミリアも食べていく?」

もう外が暗いし。今から準備するのもあれだし。

「御言葉に甘えて」

俺とアンリ、エミリアはダイニングに行く。

「俺も」

グラエムが立ち上がる。

「「無い!」」

俺とアンリは一刀両断する。

「エミリア!」

グラエムがエミリアに助けを求める。

「グラエム、少しは反省して」

「……」

このエミリアの言葉でグラエムがorzの状態になり動かなくなった。




それから数十分後

「「「ご馳走さまでした」」」

「どうだった?」

アンリが感想を聞いてくる。

「美味しかったぞ。特にポトフが」

「初めて作って不安だったから」

「今度一緒に作ろう」

そろそろ料理のレパートリーも増やさないといけない頃だしな。

「本当!」

「ああ」

「本当にラブラブね。結婚しないのが不思議だわ。私がカイルなら速攻、式を挙げるわよ」

エミリアがいるの忘れてた。恥ずかしいところを見られたな。

「結婚は追々」

「美人だから取られるわよ」

「それはさせない」

「どうやって?」

「だって結婚しなくても愛してることは違わない」

結婚しないと愛が薄れるなら結婚しても薄れる。

それが俺の考え。

「「……」」

俺、変なこと言ったか?アンリは顔が紅いし、エミリアは吐きそうにしている。

「カイル、プロポーズみたいなことするならお洒落なところでしなさい。私、口から砂糖出しそう」

「///」

他人にそう言われると何か恥ずかしくなるな。

「……片付けないと」

俺は食器や鍋ををキッチンに持っていく。

「あ、私がするから」

「俺が……いや、一緒に片付けるか?」

「はい」

俺とアンリは一緒にキッチンで作業をする。

「それじゃ、私たちもそろそろ帰るわ」

エミリアがグラエムの襟を持っている。それ首絞まってない?気のせい?

「シュークリームが3人分あるけど」

色々あって存在を忘れてた。

「これ以上迷惑かけるのもあれだから。また今度暇のときにまたご飯食べましょう」

「それならあいつらも呼ぶか?」

久しく会ってない奴もいることだしな。

「良いわね。私から言っておくわ」

「ありがとう」

「それじゃ、またそのときに」

エミリアが転移魔法で帰っていった。

「あ、アンリ!」

「……」

アンリがプクーと頬を膨らませている。なにこれ、可愛すぎて久しぶりに鼻血出しそう。そして、俺はアンリの膨れた頬をつつきながら謝る。


「勝手に約束してごめん」

「プシュー」

アンリの膨れた頬が萎む。

「……違う。二人が楽しそうに話していたから」

アンリが小さい声で言ってくる。


「……」

ヤバい、アンリが可愛すぎて我慢できないかも。

「お風呂、一緒に入る?」


はい、これは直行ですね。準備してきます。俺は急いで風呂を掃除してお湯を張る。ここまで使える魔法アイテムをフル使用ですけどなにか問題でも?


「用意終わったぞ。今すぐ入ろう!」

「片付けが終わってからね。ふふ」

「……はい」

俺はアンリの指示の下、片付ける。


20分後……

「終わった」

「そうね」

「よし!行こう!」

俺はアンリをお姫様だっこしお風呂に向かう。

「ちょっと……待って」

待ちません。

そして俺とアンリは久しぶりに夜中まで楽しんだ。だって可愛いから仕方がない。


「ふぅー」

俺はベッドの上で息を吐く。そして、疲れはてたのかアンリが寝息をたてて寝ている。

「スヤスヤ」


「……」

俺は今日重要なことを聞いたはずなのに思い出せないでいた。

「何だっけ?」

アンリに聞こうにも寝ているし、朝にでも聞くか。そう決めて俺は寝る体勢に入る。

そのとき隣から「カイル先生、 やす…休ませて……もう…無理」と聞こえてくる。

「どんな夢見てるんだよ……ん?先生?あっ!」

何でこんな重要なこと忘れてるんだよ俺は!バジルさんに詳細を聞きに行かないと!

そう言えば、あの学校に妹いたな、元気にしてるかな……。何年も会ってないしな。

「とりあえず、寝よ」

俺はこれが夢であることを願い眠りについた。



誤字脱字などがありましたらコメントなどにお願いします。

あと、書いてて思ったのですが人物設定なども書いた方がいいですか?

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