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俺と厄介な友達(上)

俺は目の前にいる黒いローブを着てフードを被った男に挨拶する。

「よう」

「久しぶりだね」

「よくこの格好で入れたな」

「入れたよ。俺、ここの会員だから」

男は財布から会員証をドヤ顔で見せてくる。

「……」

ブスッ

その顔にイラッとした俺は目潰しをする。

「い、痛いじゃないか」

「お前の回復魔法で一発だろ」

「それでも痛いものは痛い」

「じゃあ、脛にしとく」

ゲシッ

「そういうことじゃない!」

我が儘な男だ。一体何だったらいいんだ。

「痛いのは全部駄目だから」

「……帰るか」

俺は席から立つ。

「ちょっ、まだ5分も経ってないよ!」

「俺は疲れているんだ。早く家でゆっくりしたい」

「久しぶりに会ったんだから。もう少し話そうよ~」

「その声うぜぇー」

「酷い!俺たち親友だよね?」

「俺にハーレムを築いた友達はいない」

「俺、結婚したし!」

「美人と結婚したのに3日で浮気疑惑が出るし」

週刊誌に何回も取り上げられた。その度に謝罪会見。

世間はざわつくが当時のクラスメイトだった奴(男子のみ)は酒のつまみにしている。

「あいつらが勝手にベッドに入ってくるんだよ!」

「ふーん」

「本当のことだから!」

ピッ

「○○雑誌さんですか?あの グラエム=マクミランさんが 「道具の無効化アイテムディフィーザンス 」……」

チッ、ネタ提供ができないじゃないか!

明日の酒のつまみが……。

「冗談でもしないで」

「……」

「本気だったの!?」

「ノーコメントで」

「って本当の用件が言えないじゃないか!」

忘れてた。相談したいことがあるって言っていたような気がする。

「それで何?早くして」

早く帰ってゆっくりしたい。

「君のせい「お客様」じゃないか?」

店員の表情が怖い。あいつの怒った顔の方が怖いけど。

「俺たちに何か?」

フードを被ったグラエムが言う。

「他のお客様も居ますので静かにして頂けますか?」

中二階には俺たちしかいないが下には結構客がいた。殆どが俺たちのいる中二階を見ている。

「あ、今から帰るので」

「まだ「黙れ」はい……」

「あと、お土産にシュークリームを3個買いたいのですが?」

「わかりました。下で会計をしますのでレジまで来てください」

「はい」

「それでは」

その店員はお土産の準備をするためにキッチンに向かう。

「全く用件が終わってないのに……」

「場所を変えるだけだ」

「限定ケーキも食べてない」

「……」

それは知らん。ローブ無しで一人で食べに来い。

「行くぞ」

俺は元気がないこいつを連れてレジのある入口に向かう。


「お会計は3200アレンになります」

俺は財布から3200アレンを出す。

「こちらがシュークリームになります」

店員からそれを受けとると店から出る。

「それでどこに行く?」

「決めてなかったの!?」

「煩い。本気で帰るぞ」

「それだけはご勘弁を」

グラエムは必死に俺が帰るのを止める。

「……ここじゃ言えない内容か?」

俺は真面目な顔をする。

「ああ」

グラエムの声のトーンが変わる。真面目な話か。

「わかった。それならあそこにするか」

「え、どこ?」

「俺の家」

「それは駄目!そこに絶対アンリさんいるよね?」

「いるな。アンリでも駄目なのか?」

「駄目っていう訳じゃないけど、俺が殺されるかも」

「……よし。転移、自宅」

グラエムのその言葉を聞いて即座に転移魔法を使用する。

「ちょっと!」

これはこれでうまい酒が飲めそうだ。久しぶりにあの酒を飲んでも良いかもな。

と思っていた俺がいました。







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