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俺と仕事(上)

昼休憩の時間に近付いているのに手続きや相談する人が減る気配はない。

「カイルく~ん」

やっぱり来ました。

「何ですか?」

「いやー、暇なら手伝って欲しいな~と思って」


手伝うのはいいんですけど、毎回毎回手伝う度に「遅いから昼休憩始まるでしょ」という目をしてくるの止めてくれませんかね。これは俺の仕事ではなくあなたの仕事ですからね。


「シナさんもしてください。こことここの手続きが終わってないみたいですから」

「えーと…この部署隣の棟じゃない!」

「行ってきてください」

「カイ「終わりませんよ」…行ってきます」

シナさんがブツブツ言いながらその部署に向かう。ちゃんと最後まですればすぐ終わるのに、と思いつつここでできる作業を進める。

「ここに氏名陣を唱えて貰ってもいいですか?」

「わかりました。《私は鍛冶職人のゾルで間違いありません》」

ゾルが氏名陣を唱えると書類が微かに光り、名前欄の隣に複雑な陣が描かれる。


「ありがとうございます。もう少しお待ちく「カイルくん貰ってきたわよ。次いでにもうひとつの方もね」…」

「はい、全ての手続きが終わりましたのでお帰りになってもいいですよ。後日、証明書をお店の方に届けにいきますので」

「はい、わかりました。ありがとうございます」

ゾルが役所から出るのを見送ると丁度昼休憩のチャイムがなる。

「終わった終わった」

俺は背伸びをする。

「まだ人がいるわよ。そうなことしないの」

「仕事中にしている一握り言われたくはないです」

「あはは、何のことかしら?ヒュー」

シナさんができない口笛で誤魔化す。

「だから結「ギロッ、ナニカイッタカシラ?」言ってません」

その目、怖いので止めていただきませんかね?家でも時々同じようなことされるので。

「それよりも手伝ってもらったお礼に外で昼御飯でもどう?奢るわよ」

「残念ながら弁当があるので」

俺は空間から弁当を出す。

「まったく春になったばかりというのに、ここはもう夏のように暑いわね」

「すみません」

「まあ、いいわよ。今度アンリも呼んで3人で夕御飯でも食べに行きましょう」

「はい、伝えておきます」

「お願い。じゃあ、午後の外回り頑張って」と言いシナさんはいつもの店に昼御飯を食べに行った。


「わかっているなら手伝いをさせないでください。よし、もうひと頑張りしますか」

俺は弁当を持って屋上に向かった。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



屋上に着くと今日も気持ちいい風が吹いている。

「気持ちいいな」

俺は雨が降っていない限り屋上にあるベンチで弁当を食べている。ここに吹く風と景色が疲れを吹き飛ばしてくれるから。

ベンチに座り弁当を開けると、そこにはご飯の上にハートが描いてあった。

「……シナさんがいなくて良かった」

見つかったら確実に殺される。


「いただきます」

大好物の卵焼きから始まりハートが描いてあるご飯で終わった。

「ご馳走さまでした」

「ふぅ~」と息を吹く。

もう少しで昼休憩が終わり午後の仕事が始まる。俺の仕事はここからが本当の仕事だ。午前は事務作業(主にシナさんの手伝い)が多いが午後はある意味肉体労働である。


「よし、準備開始だ」



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