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46/53

#45

 私は壇上でまだ土下座している篠田さんを見て、くっくと肩を振るわせながら笑いを堪えている。


「野澤さん。いつまで、下げてなきゃならないの?」

「あと2、3分くらいかしら?」


 彼女を見ていて面白かった。

 かつては復讐するはず(?)ではなかったのに……。


「もういいでしょう。頭を上げなさい」

「は、恥ずかしかった……」


 私は篠田さんに頭を上げるよう指示をすると、彼女は顔を赤くしていた。


「まもなく、1限目が始まりますが、中等部3年の野澤さんの用件はお済みですか」

「えぇ、全校集会を終えても大丈夫です」

「分かりました。今から午前中の授業は50分授業から45分授業へ短縮します。午後は通常通りですので、ご了承ください」


 全校集会の司会をしている先生からアナウンスが流れると、講堂から生徒達がぞろぞろとそれぞれの教室に戻っていく。


「篠田さん、あなたが恥ずかしいことをしたからこんなことになりましたのよ?」

「ごめんなさい。本当に木野さんには悲しい思いをさせたから……」

「今さら後悔しても遅いですわ。友梨奈さんはもう(かえ)ってこないのです」

「……だよね……」


 そう。

 私はあと少しで「木野 友梨奈」及び「野澤 結衣」しての人生を終える。

 強制的に終止符(ピリオド)を打たされるのだ。


「そうなのです。わたくしはあなたに謝っていただけたので、後悔はしていません」

「……そうなんだ」

「きっと、友梨奈さんは許してくれると思いますわ」

「……きっと……?」


 彼女はそう言うと、私は静かに頷く。


「結衣、教室に戻ろう!」

「授業が始まっちゃうよ!」


 柚葉と白鳥さんが講堂の入口で私を呼んだ。


 私は「分かりましたわ!」と返事をする。


「篠田さん。では、後ほど」

「うん」


 私は篠田さんと別れ、柚葉達と教室へ向かった。



 *



 ジャスパー先生はおそらく、診察室でさっきの全校集会の様子を見ていたと思う。


「友梨奈さん、よくやってくれましたね……」


 彼はふと苦笑を浮かべ、手元に置いてあるメモパッドに何かを書き始めた。


「やはり、自殺行為が起きたからには、人権やヒトの命に関する授業をしていただきたいものですね……」


 ジャスパー先生が書いたメモ。

 それは「授業内容の変更」と書かれていた。

2016/08/08 本投稿

2016/10/02 後書き欄の「次回更新予告」の削除

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