#44
私は柚葉達に誘導され、講堂に着いた。
今日は全校集会というわけで、そこには中等部はもちろんのこと、高等部の生徒達、教職員もいる。
その時、どのクラスがどこに集まっているかを分かりやすくするために『中等部 3年6組』や『高等部 2年3組』などといった看板が立てられている。
そういえば、講堂にきたのは久しぶりだなぁ……。
私がぼんやりとしている間にいろいろな部門の表彰や校長先生の話が終わっていた。
「――――以上で、今日の全校集会を終わりにします」
司会をしていた先生がそう言うと、私はスッと手を上げる。
「中等部の3年6組で手を上げている人、何かご質問ですか?」
講堂内のあちこちからざわめきが起きた。
ここにいる一部以外はこれから何が始まるのか分からない。
その先生が眉をひそめながら、私に問いかけてきたため、私は返事をし、壇上に上がるよう促された。
「野澤さん……?」
「結衣、本当に……」
私の近くに座っている松井くんと柚葉は椅子から立ち上がる私を見てこう言っている。
「えぇ、こうさせていただかないと納得がいきませんの」
私は全校生徒の視線を浴びながら、壇上へ向かった。
*
私が壇上に立つと、改めて講堂の広さを感じることができる。
この緊張感はコンクールと同じ……いや、それ以上のものである。
あらかじめセットされたマイクを手に取る。
「みなさま、はじめまして。中等部3年の野澤 結衣と申します。本日はみなさまにお話がありまして、挙手をさせていただきました」
ざわめきはまだ落ち着かない。
しかし、先生からの「静粛に!」とアナウンスが入り、少し落ち着いた。
「先日、この学校でいじめがきっかけで飛び降り自殺が起きたことはご存知でしょうか?」
あちこちから「あっ、知ってる」といった声が聞こえてくる。
「わたくしは自殺した木野 友梨奈さんの親戚に当たる者です。おじさまやおばさまから話を伺った時、とても悲しい気持ちになりました」
そのことを告げた時にはみんななぜか黙って話を聞いていた。
「話を変えますが……篠田 エリカさん、壇上へ」
私は篠田さんを壇上に上がるように指示を出す。
彼女はしぶしぶと椅子から立ち上がり、壇上へ向かった。
ここから、篠田さんの惨めな姿が見られると思うと自然と冷酷な笑みを浮かべたくなる。
「きましたわね」
「呼び出したのはそっちじゃん」
「えぇ。彼女を自殺に追い込んだ張本人は篠田 エリカさん。彼女を中心とした、中等部の3年6組です。そのため、代表として彼女を壇上に呼び出したのです」
中等部3年6組のところから「マジかよ!?」「……嘘……」といった声はもちろんのこと、「最低だね」とあちこちで言われている。
「友梨奈さんは靴を隠されても、脚をワザとかけられたとしても、先生にも相談しようと思ったらしいです。しかし、そのエスカレートされるかどうか不安でずっと、我慢をしてきたみたいです」
この言葉を口にした瞬間、私の瞳から涙が溢れてきた。
その頃の私達のクラスは他のクラスの冷たい視線を突き刺している。
「友梨奈……」
「木野さん、辛かったんだね……」
「俺達、篠田にずっと振り回されてたもんな」
「俺も木野の気持ちを考えないで一緒になって愉しんでたから、自分が惨めだ」
「私、最低なことをしちゃった……」
彼らは少し反省しているようだ。
一部のクラスメイトは泣きながら、そのように言っていた。
あとは篠田さんだけ……。
「篠田さん、あちらをご覧なさい?」
私は自分のクラスの方を指差した。
クラス全員泣いたり、後悔しているところを彼女に見せる。
「全校生徒と先生方いる前で土下座してくださらなさい?」
「………………」
「あら、できないのかしら? さもないと、教育委員会に訴えますわよ?」
「……分かったよ……やればいいんでしょ……」
篠田さんは再びあちこちからざわめきが起きている中、床に両膝をつき、正座する。
そして、頭を床につけ、一言「ごめんなさい」と言った。
「何を言っているか分かりませんわね? もう1度、お願いできるかしら?」
「……ハイ……」
私は彼女にもう1度お願いする。
その時、私は篠田さんのことを上から少し冷笑を浮かべながら彼女を直視していた。
髪の毛で表情を隠していたせいか、周りからはよく見えないと思う。
「みなさん、すみませんでした!」
彼女の声が講堂内に響き渡った。
なんかグダグダですみません。
2016/08/07 本投稿
2016/10/02 後書き欄の「次回更新予告」の削除
2017/08/13 修正




