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#39

「その話、最後まで聞いてたよ?」


 篠田さんが教室に入ってきた。


「「篠田さん!」」

「エリカ!」


 私達は彼女が入ってきたことに驚きを隠せなかった。


「明日の放課後、話すって言ったのに、ウチがいない時に勝手に話が進めてるってどういうこと?」

「……ごめん……なさい……」

「工藤さんが悪いわけじゃないよ」


 早紀は泣きながら謝るが、白鳥さんが彼女を庇う。


「まひろはここ最近、いつもそうだよ……。さっきの体育の時もそうだったし……」


 篠田さんは少し寂しそうに白鳥さんに言った。


「あたしはいつも中立かもしれない。でも、人との関わりを大切にしたいと考えるようになった」

「それは木野さんが生きていた頃からでしょ!?」

「そう。あの頃からあたしはいじめられていた木野さんがどうしても許せなかったから、荒川さん達と一緒にいた」


 白鳥さんは1度言葉を切り、「エリカは最悪だよ」と篠田さんから視線を逸らす。


「ウチが最悪?」

「うん。お昼の時も言ったけど、木野さんをいじめてそんなに(たの)しかったの?」


 そして、白鳥さんは彼女に再度、問いかけた。

 一方の篠田さんは彼女の問いかけには答えてくれない。


 その時、私は整然としていられなかった。

 私は篠田さんの前に立ち、苛立ちのあまりに右手で彼女の左頬をバチンっ! と引っ叩く。

 もう我慢の限界に達していたのだ。


 私は一瞬、彼女を目の前にして鼻で笑う。

 そうなったら、あれ(・・)をやろうと――。

 ジャスパー先生、今さらですが、あのキャラ(・・・・・)を思い切ってやらせていただきます!


「篠田さん、いい加減に答えなさい!」

「「………………」」

「まだ、黙っていらっしゃる……早く答えてくださらないと、友梨奈さんを自殺に追い込んだ張本人としてバラしますわよ? 学年中……いや、学校中に!」

「結衣ちゃん!」

「「結衣!」」

「「野澤さん!」」

「もし、なんでしたら、わたくしから教育委員会に訴えてもよろしくて?」


 早紀達は私が突然、そのような言葉を言っていたので、凄く驚いている。

 まぁ、私は自分で言いたいことをそのまま言ってみただけなのになぁ……。


「……愉しかったよ……」


 突然、篠田さんがこう答えてきた。

 その答えを聞いた私以外の6人は呆然としていた。

2016/08/02 本投稿

2016/10/02 後書き欄の「次回更新予告」の削除

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