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愛嫉てる?  作者: モッキー
第1章 悪の日常
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悪の帝王サターン、人間界に移住する

やあ、元気かね?

私は悪の帝王サターン様だ。


先日は実に見苦しい姿を見せてしまったようだな、ハハハ。



ーーークソが…!



何故、悪の帝王である私が週の始めに絶望し、あまつさえ週の最後にも絶望する貴様ら愚かな人間どもに二話早々に挨拶せねばならんのだ!


…いや、まあ、良い。今日は貴様ら人間どもに更なる絶望を与えかねない朗報を教えてやるとしよう。


聞いて驚き戸惑いまくるがいいわ。



ーーー私、悪の帝王サターン様は…



「人間界に移住する事にしたのだ(キリッ!)」


フハハ!どうだ。恐ろしかろう!?(ドヤァ)

泣いて喚いても遅いぞ!人間どもよ!!

既に私はカックヤースアンパートゥ?と何やら意味の分からん言葉や文字を書く貴様ら人間の根城を手に入れているのだ!

そして、私が受けた聖夜の屈辱は…!

貴様らの絶望で償わせてくれるわ!!



ーーーでは、支配と復讐の一歩として、まず最初に…!!



ーーーーーーピンポーン!



「ご近所付き合いとか言う隣人の嫌がらせをしてくれるわ!!」


フハハハハハ!!この日の為に作った生ドリアンフルーツタルト!

作った私の部屋をも未だに悪臭で悩ませるこの異臭のパワー!受け取る側は実に不愉快だであろうな!引きつった顔が目に浮かぶわ!!


ーーーガチャ…


よーし、開いたぞ~!

さあ、苦しめ隣人よ!異臭タルトをしかと味わうが良い!!


「…はい」


「こんにちは~!今日、隣に引っ越して来ましたー。悪の帝王サターンと…もう……しま………す…?」


「あっ…」


「ーーーーーーー!?!!?!?!!!(※声にならない悲鳴)」


「クリスマスの時のおじちゃん…」


ほんぎゃぁぁぁ!!!!

先日の少女エーーーーーーッ!!!



ーーー説明しよう!少女Aとは聖なる夜の日、クリスマスで悪の帝王サターンの心に甚大な精神ダメージを負わせた強者である!!

その精神ダメージの威力は隠しておいたエロ本が母親にバレ、あまつさえ好きな女子にそのまま性癖をバラされ、ドン引きされた時のダメージに匹敵する!



「ななな、何故、貴様がここにぃぃ~い!?(裏声)」


「…私の家だから?」


「そそ、そうか家だからか!そうだな!家だもんな!!?(※パニックに陥ってます)」



「…おじちゃん、大丈夫?」


「グベボボボボォ!!!!」



ーーーまた説明しよう!悪の帝王サターンは優しさや慰め、親切にされたりするとーー以下省略!!吐血するのだ!!!



「がふっ…!!し、少女Aぇ!またしても私を心配するとは……いや、まあ良い…!貴様が隣人で良かったわ…!!」


「…?よく分かりませんが立ち話も何ですので中にどうぞ」


「フゲバァァァ!!!!」


また親切にされたぁぁぁ!!!

だ、だがこれしきのことで…!!悪の帝王は二度も屈指はせんぞぉぉ!!



ーーーーー小娘A宅内ーーーーー



「ゴフッッ…!!!」


こ、ここに来るまでに七回も親切にされてしまった…

もうダメだ、帰りたい(泣)


「い、いや、まだだ…まだ終わらんぞ…!」


思い出せ悪の帝王サターンよ!

お前が持っているのはなんだ?今もなお自室を苦しめる異臭の兵器ではないか!(※フルーツタルトです)

ここの部屋の住民は少女Aただ一人のみ…



ーーー殺れる!確実にこの異臭の兵器(フルーツタルト)で奴の息の根を止めてくれるわ!!



「…お茶をどうぞ」


「ご、ごればご親切にどうぼ(血涙&吐血)」


く、くくくっ…今のうち好きなだけ親切にするが良いわ(泣)

だが、貴様の命もこれまでよ!!!


「ゲフッ!あ、あの、これ…つまらないものですが…」


「…これは?」


第一ミッション(手渡し)成功、続いて…!


「私特製の手作りタルトです!きっと悶ぜ…じゃない満足してもらえると思います!」



ふぅー、危ない危ない。危うくバラすところだった。

ムホッ!少女Aめ、興味深々で箱を開けよるわ開けよるわ!

さあ、もがけ!苦しめ!!その死んだ魚のような目を絶望と嘆きで満たすが良い!


「…わぁぁ!」


ーーそうそう!わぁぁ、って…わぁぁ?



「ドリアン!」


「そ、そうだ。私特製生ドリアン……」


「生!!」


えっ、ちょっ、なにその顔?

なにそのガッツポーズ?!

なにその希望と幸せに満ち足りたその瞳ーーーッ!!!?



「か、貸せっ!」


臭わないはずなんて無い!私の部屋はいま…で……も………


「ぎゃはーー!!」



こ、こいつはくせぇ!腐ったスイカの臭いがプンプンするじゃねぇかぁぁぁ!!!


「…どうしました?」


「ど、どうしたもこうしたもあるか!き、貴様…臭くないのか!?」


「…臭い?」


おい、待て、何故首を傾げる?

鼻づまりか?鼻づまり中なのか?!絶賛鼻づまり中だと言ってください!!(懇願)


「…無類のフルーツ好きなものだから」


「ーーーーーーー!!!!!(※声にならない悲鳴)」


「それにおじちゃんが手作り…」


おい、やめろ…


「それも滅多に食べられない生ドリアン…」


やめろ、何をする気だ…?何故、こっちを見る…?!


「おじちゃん…」


やめてくれ…!止めてくださいぃぃ!


「素敵なタルトをくれてありがとう、とっても律儀なんだね」


「グババババボーーッ!!!!!」



ーーこの後、悪の帝王サターンは目に焼き付いた少女Aの嬉しそうな微笑みとドリアンの悪臭に数週間ガン細胞の如く苛まれたそうな…



「小娘Aめ……覚えてお、れ……ゲフッ!!」




書いてて思うのは一つだけ。


ドリアンってまじで臭い

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