表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/69

007「06  ソラの事情」

食文化の違いによる観点から来る、怖い表現が微妙に使われています。

「06 ソラの事情じじょう


色々、つかれていたのだろう

気付くとソラは、ベットの上に寝かされていた

いつの間にか、寝落ねおちでもしてしまったのかもしれない


ソラは自分が今、何処どこに居るのかも検討けんとうが付かなかった

そこは・・・ソラが住み

自分の居場所の無い、自分の家で無い事はたしかで

ハンガーラックに掛けられた、自分の学校の制服以外は

見覚えの無い物ばかりだった。


やわらかい毛布に包まれ、寝返りを打つソラ

見回した先に見えるのは、無機質で生活感の薄い

でも、清潔感のある御洒落おしゃれな寝室


展示てんじ用の部屋みたいっすなぁ・・・』

ソラは昔、小さい頃・・・

ソラの勉強机を買いに母親と一緒に行った、大きな家具屋で見た

見本の部屋の展示スペースを思い出した。


当時は、何も知らずソラは幸せだった・・・

ソラは、自分のおさない頃の思い出になつかしさを覚える


『それにしても・・・どこなんすかね?ここ』

ひとり言をいって、ソラは上半身を起こした

われに返ったソラの腹が空腹にえかね、食事を要求する


外の明るさから気付かなかったが

部屋を見回し、見付けたデジタル時計は21:00を指している


ソラは、時計が間違った時間を指しているのかと思い

太陽の位置を確認するために、ベットからい出し

窓の外をのぞき見る・・・

そこには、ソラの知る空は存在しなかった。


何故なぜか寒気と鳥肌が立ち、胸の中に不快な感覚が広がる

ソラは急いで窓を開け

窓枠まどわくから乗り出して、窓の外の世界を確認する


空があるはずの場所には、何の冗談じょうだん

「倉庫A」と書かれた濃い灰色の天井と、無数の光源・・・


視線を下に向け、見えたのは

民家の屋根と、そこを当たり前の様に歩く人影

そして、少し遠くに見える道を歩く通行人達・・・

それは全て、明らかに人間ではなかった。


フラッシュバックするかの様に思い出される

寝落ちしてしまう少し前の記憶・・・


ソラはやっと、思い出す事ができた

此処ここはソラ的に異世界で、ソラにとって未知な世界


そう、ソラが寝落ちする前に見た世界は

夢ではなく現実で・・・

現状、元いた場所にどうやって帰ればいいか分からないのだ


ソラは、窓のそばでへたり込み・・・

深呼吸して、冷静になろうと努力する

そして、今朝の出来事を順に思い出していく事にする。


そう、朝からソラは災難続きだったのだ


今日は早朝から・・・

ソラと、その母親しか住んでいない筈の場所に

聞き覚えの無い事は無い、若い男の声がした


ソラは寝起き早々・・・

へらへら笑う不誠実ふせいじつそうな男と

その男に甘える様な仕草しぐさを見せる実母の姿を見る事となった


ソラにとって、とても不快ふかいな事だった。


母子家庭とは言え・・・

朝帰りした母親に、オマケで付いて来た男って言う組み合わせは

寝覚めに美味おいしくない・・・むしろろ、気分の悪くなる光景だ


ソラは、かかわり合いになりたくなくて

早々に、挨拶あいさつもそこそこに

急いで学生服に着替えて家を出る事にした、のだが・・・


男は、ソラの母親との関係にイニシアティブを取りたがっており

ソラにからんできた。


ソラは、「主導権しゅどうけんにぎる為の道具」にされたくなくて

逃げ出したかったのだが

すで懐柔かいじゅうされ、だまされているであろう実母に邪魔されて

あんじょう、明らかに言える立場で無い男に・・・

ソラは、一般的にありがちな素行そこうを注意された


ちなみにソラは・・・

中学校の校則を違反する様な事を一切いっさいしていない

実父が、色素の薄い種類の外国人だったが為に

髪色が他人様より薄く、脱色でもしている様に見えるだけである


母親いわく「再婚予定の相手」だと言う男がニヤニヤ笑う

多分、この家に居座る算段さんだんをつけでもしたのだろう・・・


男から痛くも無い腹をさぐられウンザリした

ソラはその男から、胡散臭うさんくささしか感じなかった。


男のソラの将来を心配しているていで語られる言葉のはし々(ばし)に

ソラの母親が喜びそうな

未来を連想させる単語が入り混じる・・・が、しかし

ソラは、男から「ソラの母親を幸せにする」と、言う意思を

全くと言って、感じ取る事ができない


どう考えても、歴代のソラの母親の恋人達同様

この男も、「ソラの母親の財布さいふひもを握る」為だけの為に

今、現在進行形でソラを利用しようとしているのは明らかで


また、騙されて傷付くであろうソラの母親は

それに気付く事も無く、りずに見せ掛けの好意に釣られて

男を称賛しょうさんしている。


ソラから、溜息が知らず知らずのうちにこぼれた


語る事に、称賛される事に陶酔とうすいしていた男が

溜息に気分をがいし、怒り出した

ソラは、一方的な言葉の攻撃にだまって耐えた、耐えていたのに

ソラの母親は・・・

『私の再婚予定の相手と喧嘩けんかするなんて』と、怒りだし


『どうしてお前は、私の幸せをいっつも邪魔じゃまするの?

なんで、あんたなんかを産んだんだろう・・・

疫病神やくびょうがみ!もう、2度と帰って来ないで!』

と、怒鳴りつけソラを家から追い出した。


その後、学校では・・・

落ちてるゴミ「ジュースの紙パック」を蹴飛けとばしたら

たま々、パックジュースの中身が残ってて・・・

偶然ぐうぜん、怖い先輩方の制服のズボンのすそ

その中身が掛かってしまい・・・

それに怒った、先輩方に追いかけられる事になった


学校中を逃惑にげまどい・・・

その先輩達から逃げる為に、掃除道具用のロッカーに隠れたら

最初、見付からなかったのに

息切れと、緊張感に耐えられなくなって身動みじろぎし

中にあったほうきを倒して、物音を自分で立ててしまい

隠れているのがバレ・・・


ソラが隠れていた掃除道具入れは

先輩達の手により、扉を下にした状態で勢い良くたおされ

ソラは閉じ込められた。


閉じ込められてからは、ガンガン蹴る音と振動がひび

ソラは苦痛に耐える事となる

音と振動が止んだ後・・・

耳鳴みみなりが残り、聴力が麻痺まひした耳では何にも聞こえなくなっていた


ソラは取敢とりあえず・・・

掃除道具入れの中で、ぶつけて痛みのある場所をでながら

聴力が回復するのを待った


聴力が回復したころ・・・

話声が聞こえてきた、先輩達の声が聞こえないのを確認して

出して欲しくて、助けて欲しくて・・・

自分が掃除道具入れに閉じ込められている事をつたえる為に

音を出し、声がれるほどにソラはさけんだ


そして耳慣みみなれない言葉で、外から話し掛けられ・・・

助け出された先は、この世界だった

確か目の前には、自分より数倍大きな蜥蜴とかげがいた気がする。


そして勿論もちろん、大きな蜥蜴にパニック起こして走って逃げて・・・


そこからは、店を見付けて人間に助けを求めようと思ったら

人間がいなくて・・・って、言うのを

レイブンとセレスに出会い、色々あって今にいたる。


ソラは、実母の事を思い出し大きく溜息を吐いた


ソラの母親は・・・

直ぐに疑心暗鬼ぎしんあんきになって恋人をうたがい、束縛そくばく

携帯電話やら手紙やらを勝手に見て、信頼関係をこわしては

恋人と破局はきょくする度に拒食きょしょく症になる

とっても、困った種類の女なのである


『破局するまでに帰ってやらんな駄目だめなすよねぇ・・・

でも・・・どうやったら帰れるんすかね?俺』

床に座り込みながら、ソラは頭をき窓の外をながめた。


そこへ人影が通過する・・・

此処は、窓から乗り出して見た時に建物の2階にあると

ソラは確認していた、窓の真下に足場は無い


ソラは窓辺に近付き、通り過ぎた影を確認した

見た影は、この建物の前の道ではなく

一つ向こうの・・・ここから少し離れた道を歩いている


影は、昔話に出てきそうな角を生やした大きな鬼だ・・・

肩に担いだ、食用と書かれた網の(あみ)中に人影が見える

そして鬼は・・・多分、人間らしき者の足をくわえている

食べている様子だった・・・


『母さん、俺・・・もう、帰れないかもしれないっす』

目にした光景から・・・ソラは、帰るよりも先に

此処で、無事に生きびる自信が持てなかった。

堅い入れ物に入れたからって

人が入った掃除道具入れを蹴っちゃ駄目ですよ!


蹴られた振動の為に、中の金具で怪我したり・・・

音から来る振動で、鼓膜に障害をきたす場合がありますからw


因みにやった人は・・・

そんなつもりなくても、拉致監禁&障害罪を犯した事になります。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ