決意の剣、絶望の包囲
帝都の裏路地、冷たい夜風が吹きすさぶ中、四姉妹は完全に包囲されていた。
帝国兵が四方を固め、抜け出すことは不可能に思えた。だが――目の前には、一人の女が静かに剣を構えている。
**氷刃の女帝――エミリア・フリューゲル。**
彼女はゆっくりとウェンディを見据え、無駄な言葉を発さず、ただ歩を進めた。
「今度は……逃がさないわよ。」
凍てつく冷気があたりを覆い、ウェンディは剣を握りしめる。
「わかってる……けど、私はここで戦う。」
フレアが叫ぶ。
「そんなのダメよ!」
ライが歯を食いしばる。
「無茶だぞ……!」
だが、ウェンディは笑った。
「あいつの目的は私。
だったら姉さんたちを逃がさなきゃならない。
そのために私はここで戦う。」
エアリスが目を細める。
「……許さない。」
ウェンディは驚いた。
「なに?」
エアリスは剣を構える。
「あなた一人を犠牲にはさせない。二人で戦うわよ。」
そして――戦いが始まる。
ウェンディは剣を振るい、一瞬の隙を狙う。
「決める……!」
だが、エミリアは冷静だった。
「甘いわね。」
**氷華の断罪**が振るわれ、ウェンディの剣を弾き返す。
「……くっ!」
その間にエアリスが突進する。
「ウェンディが隙を作る――私が決める!」
エミリアは微笑む。
「なら、試してみなさい。」
そして、剣戟が交差する。
フレアは歯を食いしばる。
「何か方法があるはず……!」
ライが周囲を確認しながら言う。
「この壁を利用できるかもしれない!」
帝国兵が迫る。
「時間がない!」
フレアとライは必死に退路を探しながら、ウェンディとエアリスの戦いを見守る。
「頼む……!」
そして――戦場が揺れ始める。