第二試練:連携技
第二試練:連携技
四姉妹、最後の反撃へ
個別戦では完全に圧倒された四姉妹。しかし、彼女たちは 共に戦うことで初めて黒騎士となる のだ。
戦場での陣形は仲間に背中を任せる4人組が基本。
攻撃も防御も4人で協力する。これがフロストガルド王国の戦い方だ。
エアリスが戦術を組み、ライが瞬の隙を作り、フレアが最大火力を叩き込み、ウェンディが補助する。
ゼクスはその動きを察知するが、姉妹の連携は 戦場の流れを変え始める、
•エアリス:「動きに合わせろ!ウェンディ、氷で足場を作れ!」
•ウェンディ:「了解!」彼女は氷の魔力を解放し、ゼクスの動きを一瞬止める。
•ライ:「行くぞッ!」機を逃さず、ゼクスの背後へ突撃。
•フレア:「火炎魔法、全開!」彼女は炎を最大限に解放し、一気に攻め込む。
ゼクスは微笑み、初めて剣を防御に使う。
「面白い……黒騎士らしくなってきたな」
しかし、彼は次の瞬間 最大の一撃 を解放する。
四姉妹が死力を尽くして連携し、かろうじてゼクスの攻撃を凌いでいた。しかし、次の瞬間、 空気が震えた 。
「――これで終わりだ」
ゼクスの剣がゆっくりと振り上げられる。その刃に宿るのは、 『天を割る衝撃波』 。黒騎士軍の伝説に名を刻んだ最強技その一撃は 大地を割り、天を裂く 。
轟音と共に振り下ろされる剣
吹き荒れる衝撃波。
闘技場の雪が一瞬で吹き飛び、生徒たちは恐怖に震える。
石造りの地面が裂け、四姉妹は吹き飛ばされそうになる。
「くっ……このままじゃ、負ける……!」
エアリスの視界が歪む。
「でも、負けられない!!」
フレアの炎が再び灯る。
ライが最後の一閃に向けて動き出し、ウェンディが凍てつく空気を操る。
彼女たちはまだ、立っている。
そして、ゼクスの攻撃を超える 「最後の連携技」 を放つ――!!
最後の力――黒騎士の覚醒
エアリスが叫ぶ:「今だ!!全員、私に合わせろ!!」
フレアが剣を掲げる:「炎の魔法、最大解放――!!」
ライが疾走する:「攻撃を受け流し、一点突破!!」
ウェンディが魔法を展開:「氷の障壁で衝撃波を抑える――!!」
そして、 四人の連携技「黒騎士の誓約」 が発動する。
雪と炎が混ざり、空間が歪む。
エアリスの剣が すべての魔力を集約し、最後の一撃 を迎える。
ゼクスの刃が迫る――しかし、彼女たちは負けない。
最後の一撃が闘技場を震わせ、伝説の瞬間が誕生する。
四姉妹の連携技「黒騎士の誓約」が炸裂し、闘技場を震わせた。
しかし、ゼクスはその攻撃を全身で受け止め、剣をゆっくりと持ち上げる。
「見事だ……だが、まだ黒騎士には程遠い。」
空気が変わる。
一瞬にして気温が落ち、闘技場全体が異様な静寂に包まれる。
「これが――黒騎士最強の力だ。」
彼の剣が天を裂くように振り下ろされると、
凄まじい衝撃が闘技場全体に広がり、地面が割れ、空が揺らぐ。
雪が一瞬で蒸発し、石畳が砕け散る。
観客席の生徒たちは恐怖で言葉を失い、魔法の障壁がなければ全員吹き飛んでいただろう。
四姉妹はその圧倒的な力に膝をつきそうになる。
だが――彼女たちは、負けるわけにはいかない。
「立て――!!」
エアリスが最後の声を振り絞り、四人は最後の力を込めて 黒騎士の覚醒 を果たす。
そして、ゼクスの奥義に 全員で立ち向かう最終連携技 を放つ
四姉妹の最後の連携技「黒騎士の誓約」が炸裂し、闘技場が光と炎、氷と疾風に包まれた。
ゼクスはその中心に立ち、一瞬だけ 瞳を細める 。
「――悪くない。」
次の瞬間、彼は剣を振り上げる。だが、その動きには 微細な遅れ があった。
それまで寸分の狂いもなく振るわれていた彼の剣が、一瞬だけ 姉妹たちの攻撃を受け止めるために動いた のだ。
四姉妹の攻撃は完璧に噛み合い、ゼクスは 初めて防御に徹する 。
周囲の生徒たちが息を呑む。
ゼクスは 戦場を支配する者 だった。その彼が、攻撃を防ぐ必要があるほどの一撃を受け止めた。
「……なるほど。ようやく黒騎士らしくなったか。」
ゼクスは剣を下げ、一歩だけ後退する。
彼が戦場で後退することは、勝者への敬意であり、敗北を認める証だった。
ゼクスは剣を地面に突き立て、闘技場の観客席を一瞥する。
「試練は終了だ。」
その言葉が闘技場に響くと、生徒たちは驚きに包まれる。
「勝者は……」
ゼクスが四姉妹を見る。エアリスは膝をつき、フレアは肩で息をし、ライは額に血を滲ませ、ウェンディは魔力を使い果たしていた。
しかし―― 彼女たちは、まだ立っていた。
「貴様らに、黒騎士の資格を授けよう。」
歓声が上がる。
生徒たちは立ち上がり、四姉妹に祝福の声を送る。
ゼクスは微笑み、その場を去る。
彼の背後に残るのは、満身創痍ながらも 誇り高き黒騎士となった四姉妹 だった。