5 いろんな形
いろんな形
「私は小学生のころ外国人と言うことでよくいじめられていました。通っていた小学校にも途中から通えなくなってしまいました」
まるはまりあ先生のお話を黙って聞いている。
「そんな私を助けてくれたヒーローのような素敵な人がいました。当時同級生だった同じ教室の男の子。今の私の旦那さんです。とてもかっこいい人ですよ。出会ったときからずっと今もラブラブです」とまりあ先生は顔を赤くしながら言った。
「ラブラブなんですか?」
「はい。とってもラブラブです」ふふっと笑いながら(ブランコを一度漕いで)まりあ先生は言った。
「まるちゃんにはお友達がいますか?」
「いません」まるは言う。
「では私がまるちゃんのお友達になることはできますか?」
「できます。たぶん」と小さな声で恥ずかしそうにしながらまるは言った。
「よかった。じゃあ私たちはもう友達ですね」
まりあ先生は言った。
それからなんでもない会話をしてお別れの時間のときに「こうしてまたまるちゃんとお話ししてもいいですか?」とまりあ先生は言った。
「はい。大丈夫です」とまるは言った。
それから一週間に一度くらい二人は約束をして、待ち合わせをして、お話をする関係になった。
そんな日の一日。
「あの、まりあ先生」
「はい。なんですか?」
甘いポイップのたくさんのっているココアを飲みながら(顔を緩ませている)まりあ先生は言った。
「今度、まりあ先生の世界で一番大好きなまりあ先生の旦那さんに会わせてもらってもいいですか?」
と苺ミルクを飲みながらまるは言った。
「もちろんです。全然いいですよ。きっと喜びます。でも、浮気はだめですよ」とまりあ先生は笑顔で言う。
そんな日の別れ際に「少しだけ先生らしいことを言ってもいいですか?」とまりあ先生は言った。
「はい」とまるは言った。