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07 来客


 玄関を開けたら、人懐っこい笑顔のおじさんが。


「突然お邪魔しちゃって申し訳ない」

「けんちゃんたちの知り合いの、藪雨 銘寺 (ヤブサメ メイジ)って言います」


 こんにちは、伊深 裁理です。


 もしかして、ヤブサメさんも召喚者ですか。



「ずいぶん前に召喚されたおっさんなんだけど、僕のことはメイジって呼んでくれるとうれしいです」


 よろしくお願いします、メイジさん。


 サイリって呼んでください。



「いろいろあって、今はうどん屋屋台のオヤジしてるんです」


 あそこにある屋台ですか。



「そう、新しく召喚された人がいるってけんちゃんから聞いたんで、ぜひうちのうどんを食べてもらいたいなって」


 わざわざすみません、こんなところまで。


 大変でしたでしょう、森の中を屋台を引いてくるなんて。



「いえいえ、実は改装した屋台の試運転も兼ねてなんで」


 試運転?



「屋台まるごと『転送』出来るように改造してもらったんで、せっかくだからサイリさんに食べてもらおうかなって」


 ありがとうございます。



「では、1名さまご案内っ」



 ……



 ずるずるずる



 美味しいですね、このうどん。


「でしょ、出汁が自慢なんです」


 こちらの世界でこの味を出すの、相当苦労なさったでしょう。



「海沿いの町の海の幸、山里の村の山の幸、各国王都の一流料理店、田舎の隠れた銘店、結構あちこち旅しちゃいました」


 やりたいことを叶えるための旅、うらやましいです。



「サイリさんも、そろそろお出かけしてみませんか」


 僕みたいな危ないのが、外に出ちゃっても良いのかな。



「良し悪しを決めるのは自分、かな」

「やらかしちゃって怒られちゃうのも、やらかさないように頑張っちゃうのも、全部自分次第ってことで」


 メイジさんは強い人なんですね。



「まあ、僕なんかがこうして生きているのって、現在進行形でいろいろやらかしちゃってるってことなんですけどね」

「って、なんだか説教くさくなっちゃってゴメンね」


 ……ありがとうございます。


 いろいろとご馳走さまでした。



「連絡先、登録しちゃって良いかな」


 こちらこそ、よろしくお願いします。



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