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06 配達


 僕なりの、のんびり異世界暮らし、満喫中。


 食糧や生活必需品などの配達をお願いしているミスキさんは、『黒猫嵐の魔導急便』という配送業をご家族で営んでおられます。


 配達で使われている魔導車『システマ』は、あちらの世界の宅配便配達車両に良く似たカタチの四角い乗り物で、この世界でも珍しい『転送』魔法専用車両。


 ミスキさんは、五日おきくらいの間隔で定期的に訪ねて来てくれます。



 ぷしゅぅん



 表から『システマ』到着の音が聞こえてきました。



「こんにちは、『黒猫嵐の魔導急便』ですよ」


 こんにちは、ミスキさん。



「はい、こんにちは、サイリさん」

「こちらがいつもの品、あとこれはミスキさん特製の『黒猫』印のお菓子ですよ」


 いつもすみません、いただいてばかりで。



「お茶会したくなったら、いつでも遠慮なく誘ってくださいね」

「それじゃ、またね」


 ありがとうございました。


 娘さんたちにもよろしくです。



『システマ』は、音もなく『転送』して行きました。


 ミスキさんも三人の娘さんたちも、僕の厄介な固有スキルのことなど意に介さず普通に接してくれます。


 ただやはり、対抗手段を持っていない人を家に招き入れるのはまだ抵抗があるので、玄関で荷物を受け取る際に挨拶程度の会話をするのみ、なのです。



 ……



 ミスキさんからいただいたお菓子で、午後のお茶。


 美味しいお菓子、ありがとうございます、ミスキさん。


 一服しながら、いろいろと考えております。



 今の生活に、不満はありません。


 ただ、不安は少々。


 人付き合いについて、です。



 我が家を訪れてくれる方々は、僕の事情を理解してくれているとても優しい人たちばかりです。


 でもまだ、自身の能力の制御に自信が無いせいで、ちゃんとしたお付き合いが出来ておりません。


 固有スキルで取り返しのつかない迷惑をかけちゃうのは嫌だけど、僕なんかに親切にしてくれる皆さんにこんな態度のままなのも嫌なのです。



 なんとかしたいな……




「まいどどーも」


 はて、表から聞き覚えのない声がしますよ。


 どなたかな。



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