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02 シチュ


 気付いたら何も無い小部屋に立っていて、目の前には倒れている人が。


 僕とは明らかに人種が違う顔立ちの男の人、


 そして、なんと言いますか、実にそれっぽい衣装。



 どうやら、状況的に例のシチュエーションみたいです。


 突然知らない世界に放り出されるっていう、アレ。



 異世界転移



 あっちでの引きこもり暮らしでその手のモノは結構読み漁りましたが、


 僕の今の状況って、始まり方としてはなんだか微妙ですよね。


 森の中に突然放置されたり、王城の召喚部屋に呼び出されたり、


 そういう普通っぽいのが良かったんだけどな。


 なんて比べてる場合じゃないですよ。



 知識も経験も全く無いけど、まずは救命活動。


 声をかけたりちょっとだけ揺さぶったりしたけど、反応無し。


 脈の計り方とかよく分からないし、そもそも呼吸してません。


 やっぱり、亡くなってますよね、この人。



 ここに来る前に、神さま的な方が親切にレクチャーしてくれたわけでもなし。


 さてどうしよう、この状況。



 などと途方に暮れていたら、なにやらノックの音が聞こえてきました。


 うん、どなたかは存じませんが、頼らせてもらいましょうか。


 殺人犯扱いされるかもしれないですが。



 小部屋を出たら、居間っぽい広い部屋。


 あのノックされている大きな扉が、たぶん玄関の扉。


 おそるおそる開けたら……



「こんにちは、大丈夫ですか」


 こんにちは、いろいろと大丈夫じゃないです。



 訪問者は、ふたり。


 同い歳くらいの男の子は『鏡の賢者』さん、


 とてもきれいなメイドさんはアヤさん、と名乗りました。


 

 僕が事情を説明すると、ふたりはすぐに対応してくれました。


 遺体の扱いも、敬意を払いながらも手慣れた様子。



 居間のテーブルの上にぽつんと置いてあった一通の手紙は、遺言でした。


『召喚儀式で死んだら、この家の裏庭に埋めてほしい』



 遺体をきれいな布で包んで、裏庭に埋葬。


 三人で、冥福を祈りました。



 落ち着いてから、話し合い。


 アヤさんが煎れてくれた美味しいお茶をいただきながら、『鏡の賢者』さんにお話しを伺いました。




 ここはリヴァイスという、いわゆる剣と魔法のファンタジーな世界。


 で、やっぱり僕は異世界召喚されちゃったみたいなのです。


 ありがちな世界観だけど、ワクワクって言うより、なんだか落ち着くのはなぜだろう。



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