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10 お散歩


 敷地を出たら『Gふなずし』で地図を確認。


 一番近くの村は、あっちの方角ですね。


 では、初めての異世界お散歩ぶらり旅の始まりです。



 ……



 森の中を歩くなんて、ちっちゃい頃に家族旅行した時以来だよ。


 まだあの隠れ家からそんなに離れていないのに、森の中の空気ってなんだか美味しいですね。


 森の気配っていうのかな、いっぱい満ちている生き物の気配から元気を分けてもらっている感じが、とっても気分爽快です。


 これも、森林浴、なのかな。



 ……



 えーと、どうやら付与した『気配隠蔽』が強力過ぎたみたいですね。


 いろんな生き物がすぐ近くを通り過ぎていくけど、全然気付かれません。


 うさぎっぽいのやら、いのししっぽいのやら、くまっぽいのやら。


 あっちの世界の生き物に似てるけど、いろいろ魔改造されちゃったみたいな、恐ろしげな感じの生き物ばかりです。


 あれが魔物なのかな。



 確か、この世界に満ちている魔素っていう魔法の素を取り込んでいろんな能力を使えるようになった生き物を魔物と呼びます、だったっけ。


 強さはピンキリだけど、基本的に普通の人は近づいちゃダメなんだよね。


 そしてなぜか魔物は普通の生き物よりも美味しいらしくて、狩りが商売になります、と。


 僕の能力を使えば簡単に狩りが出来ちゃうんだろうけど、出来るだけ争いごとはナシの方向で行きたいのです。


 食事に困ってるわけでもないですし。



 ……



 お散歩ちっくな旅は順調です。


 いろいろと自分の能力の使い方にも慣れてきました。



 寝るときは『収納』から寝具一式を取り出して、ベッドとふかふかお布団で快適快眠です。


 もちろん、強力な『結界』で虫も魔物も突然の雨もシャットアウト。



 最初はちゃんと三食食べてましたが、自身のステータスを"空腹"から"腹八分目"に修正すれば食事の必要が無いことに気付きました。


 体内の状態を"正常"にして、尿意も便意も修正すればトイレの必要もナシ。


 身体の汚れは、いちいち体表の汚れを修正するよりも『清浄』魔法を使った方が楽でした。


 今は、食事もトイレも入浴も、やらなくても平気なのです。


 なんだか仙人みたいになっちゃいましたね。



 けんちゃんによれば、僕の能力は錬金術に近いモノらしいです。


 例えば、コップに汲んだ川の水を清浄にしたいと願うと、この世界に存在している魔素を利用して組成変換的な何かが行われているみたいです、とのこと。


『この世界のシステムの根本に直接干渉出来ちゃう凄い能力ですけど、サイリさんなら大丈夫』


 なんてけんちゃんは言ってたけど、信頼を裏切らないよう行動は慎重に、ですよ。



 食事の必要も、魔物の脅威も無く、景色を楽しみながら自分のペースで歩いて、適度に休息。


 そんな感じの、お散歩気分の初めての旅でしたが、いよいよ村が見えてきました。


 今のままだと『気配隠蔽』がキツすぎて誰からも気付かれないと思うので、ちょっとだけ緩めるように修正。


 森から直接村に入ると警戒されちゃうかもしれないので、いったん街道に出まして、と。



 それでは、初めての村への訪問、おじゃまします。



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