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女子高生。源の義経としての記憶を取り戻したが、平穏に暮らしたい

 現代世界で平家が蘇り、内閣府を攻め落とされ、東京湾に平城がそびえ立った。


 そんななか、一人の女子高生はあるとき記憶を取り戻した。




 赤く染まる教室の中、普段は生徒たちが机や椅子に座って、授業を受ける場所だ。窓からは黄色い太陽と紅の空が覗いていた。


黒い髪を背中まで伸ばして、白いセーターを着た女子高生は今にも泣きそうな顔をしていた。


「わ、私は源の義経???」


 前世で生きていたころの私は兄のためにたたかって、最後は自害した。


一筋の涙が左目から流れた。悔しかった。死ぬまで兄のために働いたというのに、何も報われなかった。だけど、私は東京湾の平城にいって、平家を滅ぼそうとは思わなかった。


「どうしたのかなかちゃん。泣いたりして?」


 黒い制服とスカートに灰色のマフラーをした赤い髪を肩まで伸ばした少女が心配そうな顔でやってきた。いつもは強気な目をした彼女には似合わない姿だ。


「メグ……なんでもないよ!」


 私は涙を拭いて、笑って見せた。


 だけど、心は苦しくて、涙が視界で滲んだ。


「無理すんな」


 メグは私に近寄ると背中をポンポンと叩いた。




 私は現在、優木叶として、高校2年生で進大高校に通っている。私にはメグという友達がいて、小さい頃からの親友だった。メグは男勝りなところがあって、私がいじめられていたりすると、いじめっ子達をボコボコにして、教師に怒られた。メグは教師たちに謝って、いじめっ子たちにも平謝りした。そんな真摯な彼女の態度にいじめっ子達も最初はメグを怖がって、姉御と呼んでいたけど、今ではすっかり仲良しだ。私も彼らとはメグのおかげで仲良くなれた。メグは本当に不思議な子だった。


「お母さん。ただいま」


「おかえり。あら、メグちゃんもいらっしゃい。ジュースでも飲んでく?」


「いいえ。もうすぐ門限なので、家に帰ろうと思います」


「あとでうちのお父さんが車で送るわよ」


「早く家に帰らないと母も心配しますので、大丈夫です」


「ごめんねメグ。家の方向違うのに、送ってもらって」


「大丈夫だよ。カナエ。走れば5分で帰れる」


 そういって、右の親指を立てると、玄関から出て行った。


「疲れてるでしょ。お風呂わいてるわよ」


「うん、ありがとう」


 私は何気ないことが嬉しくて、母に笑顔をみせると、風呂場へと向かった。




「今日は部長に褒められたよ」


「あら、また売れたの」


「開発部の新商品がね。面白いんだよ。全自動卵焼き器っていうんだけどね。お客さんに大好評だった」


「へえ。すごいのね。うちにも来るの?」


「そういうだろうと思って、部長から売り上げ祝いにもらってきたよ」


 父と母は仲良しで、よく会社での面白い話に花を咲かせていた。私はそんな二人が好きで、この生活が大好きだった。


 このまま源の義経としてであった私を忘れて生きていこうと思った。




 そう、あんなことが起こるまでは……



SOW@新作出すよ

@sow_LIBRA11

「大泉洋がやったことを女子高生にやらせればヒットアニメになる」の法則に基づけば、次のブームの題材は、平家討伐・・・・?


とあったので、面白そうなので見切り発車で書いてみました。


第三話までネタは考えました。一応、結末も考えてはあります。全5話くらいの予定をしていますが、筆がのったら、もう少し話数が伸びるかもしれません。


あと更新は不定期更新になります。


1/31 メグの特徴を追加しました。

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