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2021年 大学祭企画

架空遺言④

作者: 砂月

親愛なる我が妹、セルマへ


 前の手紙から随分と間が開いてしまったね。不安にさせてしまっただろうか。大丈夫、大怪我をしたとかじゃないよ。戦線に動きがあって、それで手紙を出す余裕がなかったんだ。そっちはどうかな。こっちより冬になるのが早いだろうから、きっと雪でも降り始めているかもしれないね。となると、そろそろ冬越しの儀式の準備に取り掛かっているところかな。もしかしたら、この手紙が届く頃には終わっているかもしれないね。今年は父さんも僕もいなくて、きみ一人で準備は大変だろう。ごめんね、冬になる前には帰ってくるっていう約束を守れなくて。でも安心して。この手紙も最後になる。もちろん、悪い意味じゃないさ。この戦争はもうすぐ終わる。詳しいことは話せないけれど、本当に、もうすぐ。だからもう手紙を書く必要がないんだ。直接会って話せば良いんだから。そうだ、僕が帰って来たときにはポトフを作っておくれ。きみのポトフは、母さんが作るのと同じ、優しい味がする。あぁ、今から楽しみだ。きっと帰ってくるよ。この約束は絶対に守ろう。


クルス

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