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転生先の異世界常識は遅れてる、そんなの守ってたら死にそうになるから見限って前世の効率的な方法を導入していきます、常識を覆して最大の成果を、そして社会もいっそ潰してしまいます、やられた分をやり返すために  作者: よぎそーと
7章 そもそもの発端となった、他人からみたらくだらないかもしれない、だけど本人にとっては重大事な出来事

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87回目 おそらく初になる落ち着いた安らぎ

 そんなこんながあってから、ヒロトシは迷宮から出ていく。

 外に出るだけならそれほど難しい事はない。

 扇状に広がる地下迷宮だが、出入り口は一つだ。

 道は一つに集約されていく。

 つまり、どんな分かれ道があっても、結局は出口に向かう。

 方向さえ間違わなければ、確実に外に出られる。



 そうして久々に外に出たわけだが。

 特に感動もなかった。

 特段何か気に留めるものがあるわけではない。

 むしろ、鬱陶しいとしか思えない場所だ。

 戻ってこれて良かった、といった気持ちは無い。



 せいぜい、外にまた見張りがいないか警戒したくらいだ。

 それも、事前の探知で所在を確認。

 近所の連中はいない事を確かめて外に出ている。

 ついでに姿を消して人の目につかないようにしておく。

 魔力を探知されればすぐに見つかってしまうが。

 そんな事をしてる者などそうそういるものではない。

 誰にも気付かれずに町に戻り、そのまま場末へと向かっていく。



 何日かぶりの場末の宿で、前回よりは良い部屋をとる。

 魔力も大量にあり、金にも困ってない。

 下手にケチる必要もない。

 最上級はさすがに控えたが、前回よりは良い部屋を取る。

 この世界では贅沢の部類に入る個室。

 そこをこの日の寝床とした。



 個室とはいっても、それほど大きいわけではない。

 大きさは三畳程度。

 一人用の小さなベッドがあるくらいだ。

 それでも自分だけの空間というのは、都市部では貴重だ。

 狭い場所にすし詰めのように家が建ち並んでるのが都市である。

 その為、空間の確保が難しい。

 必然的に個室が贅沢の一種になっていく。



 そんな贅沢が出来る。

 稼ぎがあるという事のありがたさを実感していく。

(そういや)

 ふと思う。

 この異世界に生まれてきて、個室に入るのは始めてだと。



 そんな贅沢を楽しみながらベッドに入り、さっさと眠りについた。

 栄養補給は疲労解消は魔力で出来る。

 しかし、それでも襲撃を気にせず布団の柔らかさにくるまる快楽は欲しくなる。

 それを楽しみながら目を閉じた。

 念のために、警報や警戒の魔術を施してから。

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