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転生先の異世界常識は遅れてる、そんなの守ってたら死にそうになるから見限って前世の効率的な方法を導入していきます、常識を覆して最大の成果を、そして社会もいっそ潰してしまいます、やられた分をやり返すために  作者: よぎそーと
7章 そもそもの発端となった、他人からみたらくだらないかもしれない、だけど本人にとっては重大事な出来事

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80回目 その日あった事 2

 近所の人間で構成されてる探索者集団。

 そんなのがあるのも、探索都市ならではなのだろう。

 そんな集団だけに、構成員の結束は固い。

 家族的といっても良いかもしれない。

 だが、これがヒロトシには苦痛でしかなかった。



 一人でいるのが好きな者がいる。

 そう多くはないが、他の誰かと一緒が嫌いというものが。

 苦手なのではない。

 嫌いなのだ。

 ヒロトシもそういう人間だった。



 最低限の挨拶や事務連絡などまで否定はしない。

 だが、集団でいるよりは、一人で行動した方がいい。

 集団行動が必要なら、出来るだけ効率良く動きたい。

 余計な事はせずに。

 そういう性質の人間というのは確かにいる。



 しかし、それとは真逆の、集団行動こそ最高という連中もいる。

 生きていく為に必要な協力。

 それを誤解し曲解し、ねじ曲げてる連中だ。

 えてしてこういう連中が集団の中核を担ってる。

 無駄に一緒にいるのが好きなのだから当然かもしれないが。



 そして、たいていの所がそうであるように。

 戦略もない、戦術もない。

 効率や効果も考えない。

 全員一緒に行動して、それで満足する。

 成果をあげる事よりも、同じ動きをする事に満足をおぼえる。

 そういう連中というのが存在する。



 根性論が合い言葉。

 ただひたすらに力の限りに行動する。

 結果がどうなろうと気にしない。

 全滅したって構わない。

 全力を出したならそれで良し。

 だいたい、そういう考えでいるのがほとんどだ。



 だから損害が出る。

 それもやたらと多い。

 損害の穴埋めに出費が増えるから、利益も確保出来ない。

 回避出来たはずの問題や事故が多発していく。

 死傷者も多い。

 それをどうにかする気もない。

 そもそも、智慧がないのかもしれない。



 ヒロトシの近所で構成された探索者集団。

 それがまさにこういう連中だった。

 無駄に暑苦しく、体を動かす事しか考えない。

 利益の確保はともかく、せめて損害を出さない事を考えて欲しいのだが。

 話に聞く限りではそういうわけでもなさそうだ。



 そんな所に入るとなったのだ。

 顔をしかめたくもなる。

 それもこれも、親のせいである。

 なんでもヒロトシの事を頼んできたのだとか。

「どうせ迷宮に入るんだろ。

 だったら近所の所に行け」

「他の集団に入れるわけでもないんだろ。

 なら、近所のみんなでいいじゃないの」

 そんな事を言う父と母を叩きのめしてやりたいと思った。

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