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38回目 心を潰した報いは、命まで要求される

 ブラック企業だけが問題ではない。

 独親、虐待、人格否定などなど。

 これらが引き起こす問題は大きい。

 確実に人からやる気を失わせ、生産性を減少させる。



 その程度で済むならばまだ良い。

 だが、残念ながらそうはいかない。

 離職や自殺の発生。

 こういった問題も起こる。



 あえて人間性の問題にふれないにしてもだ。

 こういった事が理由で生産性が更に大きく下がる。

 労働力が消えるのだから当然だ。



 だが、離職や自殺ならまだそう大きな問題ではない。

 こういうと何だが、これは問題としてはまだ小さい方である。

 更に恐ろしい事がある。

 復讐、報復だ。



 こうなった場合、組織そのものが狙われる。

 具体的に言えば、勤める人間全員が攻撃対象になる。

 それも、実際に問題を起こした者だけが対象になるわけではない。

 見ているだけで何もしなかった者達にもおよぶ。



 その結果として殺害・傷害などが起こる可能性が出て来る。

 それも、報復対象だけの問題ではない。

 報復対象の関係者にも及ぶ。

 親兄弟子供に、友人知人。

 関係する全てが危機にさらされる。



 坊主にくけりゃ袈裟まで憎い。

 恨み辛みというのは、事を越した張本人だけに向かうのではない。

 関わる全ての人間に向かうのだ。

 それが人間というものである。

 何故と疑問をもつのが間違っている。



 そうした問題があるから、ヒロトシは不毛な追い込みはしない。

 なんでやらないと言う事も。

 がんばれ、出来るという事も。

 相手の能力や気力の限界を超えさせない。

 そんな事をすれば、人は潰れていく。

 そして、恨みを抱く。



 限界を超える事が素晴らしいという訳のわからない勘違い。

 なぜかそれを称える者というのはいる。

 限界を超えてへたばる事が美しいという勘違いを抱く。

 どこから出て来た考えなのか分からないが。

 そんな事をする意味や必然性が全く無い。

 むしろ無駄である。



 余力が残るように、へたばらないように。

 そういう状態で終わらせるのが最善だ。

 可能な限り労力を減らし、それで成果が出るように。

 そこを目指すべきである。



 その余裕が次への活力になる。

 努力なぞ、それが出来なかった事の証明でしかない。

 その時点で既に間違っている。



 努力とは、無理と無駄を重ねた結果である。

 ヒロトシはそう考えている。

 そんなものが必要な時点で、もう何かが間違ってる。

 間違ったから、それを補う無理をしなければならない。

 その無理が努力である。



 それは簡単に人のやる気を削る。

 人の心を壊す。

 そうして人はやる気を失い、生産性を落としていく。

 結果、作業中の事故が多発する。

 事故を回避しようとすらしない。



 仕事を辞める、自殺するという事態も発生する。

 それよりも、追い込んだ人間を殺しにかかる。

 その周りにいる人間も含めて。

 そんな事にならないよう、ヒロトシは注意をしていた。



 やってみせ

 やらせてみせ

 褒めてやらねば人は動かない



 前世で聞いた言葉だ。

 全くその通りだと思う。

 ヒロトシはとにかくこれを実践していった。

 その結果、多くの新人が育っていった。

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