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23回目 雑魚以外はボス

 そんなこんなで、迷宮入りして10日。

 最弱の昆虫型を倒し続け、ようやく目的の怪物がやってきた。



「……来た」

 思わずそう呟くヒロトシ。

 警報が鳴り、即座に使った魔力による探知。

 それによって強力な怪物の存在を掴む事が出来た。



 次に、識別・鑑定をする。

 これで敵の強さなどがはっきりする。

 幸いそれは確かに強力な怪物だった。

「来るぞ!」

 新人に向けて声を張り上げる。



 迷宮の怪物の強さには、かなり極端な差がある。

 最弱の昆虫型は、それこそ魔力無しでも倒せるくらいに弱い。

 一対一ならまず負ける事は無い。

 もっとも、群れて行動する怪物相手で、そんな状況になる事は無いが。



 そんなよく見る怪物と、そのすぐ上にいる怪物。

 そこには信じられないほど大きな差がある。



 ヒロトシの記憶に残るゲーム。

 RPGなどでは、出て来る敵の強さは少しずつ上がる。

 ものにもよるが、極端な差というものはない。

 ゲーム開始時点と、最後の敵周辺では大きな隔たりがあるが。

 その間には細かな段階が設けられている。

 ゲームの進めやすさを考慮した結果だろう。



 だが、この世界はそうではない。

 並の人間でも対処出来る小型の敵と、隔絶した強さを持つ強力な敵。

 その二種類しかない。



 ボスと雑魚。

 その二種類しかないとも言える。



 いわゆる雑魚は、強さが据え置きのまま。

 変わらない強さで奥地まで出現する。

 その一方で、出現する強力な怪物の強さは桁違いなのだ。



 その桁違いの強さを持つボスがやってくる。

 どうしたって緊張する。

 先に相手の能力を把握出来るのが、数少ない救いだ。

 それにしたって、対策の材料が手に入るだけ。

 実際に倒せるかどうかは、やってみるまで分からない。



 幸い、今回のボスはそこまで強くはない。

 能力は確かに高いが、手持ちの魔力で十分対応出来る。

 もっとも、倒す為にかなりの魔力を消耗してしまう。

 これだけは避けようがない。



 正直に言えば旨みがない。

 強くて倒すのに苦労する強力な怪物。

 無視していられれば良いのだが、なかなかそうもいかない。

 遭遇したら死ぬまで追跡してくる。

 移動速度の速いもの多く、逃げる事が難しい。



 魔力を使えば、それでもどうにかなるけども。

 基本的に、遭遇したら戦闘は避けられないものと考えられていた。

 それくらい厄介で面倒な存在という事だ。

 好んで見つけようと思う者もいない。



 そういったものと遭遇する可能性が高いのが、迷宮の奥地だった。

 好んでこんなところに来たがる者はいないだろう。

 だが、奥地の方が怪物との遭遇率が高い。

 稼ごうと思ったら、入り口付近よりは少しでも奥の方が良い。

 そんなわけで、探索者は強力な怪物と出会う危険と引き替えに奥へと向かう。



 そして、そんな強力な怪物を出来るだけ倒す事も求められていた

 万が一にも外に出て来たら面倒な事になる。

 義務ではないが、可能な限りそうするよう求められていた。

 倒した場合の報奨金などもあるくらいだ。

 それも割に合うとは言い難いものだったが。



 だが、今回のヒロトシ達は違う。

 あえて強力な怪物を見つけて倒すつもりでいた。

 それが向こうからやってきた。

 しかも、さほど強くはない。

 おあつらえ向きである。



「準備はいいか?」

「はい、何とか」

「よし。

 じゃあ行くぞ」

 言いながらヒロトシは怪物に向かっていった。

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