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14回目 まさにブラック

 寝ないで頑張る。

 その言葉の真意を新人は理解する事が出来なかった。

 ものの例えとして言ってるのかとは思ったが。

 では、何を例えてるのかが分からなかった。


 しかし、すぐにそれが勘違いだと思い知らされる。

 ヒロトシは冗談でもなんでもなく、本気で言ってるのだと。

「いいか、余り知られてないようなんだが。

 魔力を使えば、体力回復が出来る」

「はあ……」

 それくらいは新人も知っている。



 魔力は様々な事に使えるエネルギーだ。

 攻撃から防御、治療などなど。

 応用範囲はとてつもなく広い。

 それこそ、思いつく全てを実行出来るとすら言われている。



 治療や回復はその代表だ。

 血が流れるほどの傷。

 粉砕された骨。

 破壊された器官。

 魔力さえあれば、そんな致命傷すら治療するといわれている。

 もちろん、死んでしまったらどうしようもないと言うが。

 それでも、怪我の治療は広く知られた魔力の効果だ。



 これのおかげで、危険な迷宮探索の生存率が上がっている。

 怪物と言う危険な存在との戦いの中で、負傷は避けられない。

 その負傷を瞬時に癒す事で、死亡率を大きく低下させている。



「そんで、疲労回復もそんな使い方の一つだ」

 これも良く知られた使われ方だ。

 怪我や病気ではないが、疲労の解消も魔力によって可能だ。

 これにより、疲れることなく行動を持続できる。

 戦闘が長時間にわたる場合などでは重宝する。



「この効果を使えば、いつまでだって動いていられる」

「まあ、そうなんでしょうね」

 話を聞く限りでは、その通りだと思える。

 疲労の解消、つまりは無尽蔵の体力を得るに等しい。

「つまり、眠らなくても行動出来るって事だ」

「はあ……」

 ここに来て新人は、とてつもなく嫌な予感がした。



 その予感通りになる。

 ヒロトシは永遠の活動時間を手に入れた事で出来る事を口にする。

「つまり、休まず眠らずに行動可能だ。

 怪物との戦闘をいつまでもやってられる」

「いや、その、あの、ちょっと」

 そんなヒロトシを止めようとする。

 しかしそれは無理だった。

「というわけで新人。

 やり方を教えるから、気合いと根性を入れて頑張ろう」

「…………」

 何も言えずに新人は肩を大きく落とした。



 それから数日。

 昼夜がないので時間の経過が良く分からない迷宮の中。

 新人はヒロトシに促されるままに戦闘を続ける羽目になった。

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