浮気でしょ
あまり長いお話ではないはずです。ちょっと訳がわからない、ムカつく、などありますが気になりましたら、よろしくお願いします。
「これは、浮気じゃないよ」
女の子を膝の上にのせて、しかも女の子の胸は露になり、その胸を両手で揉んでいる。
「は?えっ?この状況で違うと?」
女の子は胸が見えないように男の首に腕をまわして抱きついている。
「やだっ!なに?この女、出てって、伊織くん追い出して!」
伊織と呼ばれたこの男は女の子の腕を掴んで自分から離した
「出ていくのは君だよ、そんなこと言うなら契約違反だ、もうおしまい」
「やだ、違うのごめんなさい、すぐに出てくから、また、ね?」
女の子は私に思い切り体当りをして出ていった。
「しゅう、浮気じゃなくて、契約恋愛、恋愛パートナーだよ、ただ恋愛を楽しむだけだ、お互いの恋人は大切にして、お互いの都合が合ったら会う、そして相手の恋人は敬う、あの子は契約違反だね、しゅうに乱暴な態度をとったから」
恋愛を楽しむ、それは恋人同士で楽しむ事ではないのでしょうか?恋人以外と恋愛したら、恋人とは終わりでしょ。
体当りされ床に座り込んでいる私へと手を伸ばしてきた。
「私、そう言うの無理なので、さようなら。」
立ち上がり、丁寧にお辞儀をして遠野伊織の元を後にした。
周防秋桜と遠野伊織は幼馴染みで両家公認の恋人同士、だと、思っていたあの場面を見るまでは。
なに?何?契約って女の子とあんなことする契約ですか?はぁ何ソレ
落ち着け私。
怒りを散らそうと大きく深呼吸をする
「!?」
後ろから腕が伸びてきて腰にからまる
「見つけた、しゅう、ちゃんと話を聞いて、俺が愛しているのは秋桜だけ、幸せになって欲しいのも秋桜だけだ、愛してる。」
お腹の辺りにある手を見て、先程みた光景が思い浮かぶ。
「意味がわからない、じゃあ、どうして、他の女の子とあんなこと、私の事が好きなら、あんなことしないでしょ、浮気でしょ?浮気とか無理なので」
私的に浮気は即アウト
「違うって、浮気なんてしないよ、お互い利害が一致してヤっただけ」
ヤったって言ったよ、この男、ソレを浮気という
「しゅうも、気になる人がいたら、いいんだよ、でも心はダメだ、性欲を充たすだけ、恋愛を楽しむだけ」
「別れます。」
「嫌だ、それに2人だけじゃなく周りにも迷惑がかかるよ、お祖母さまだって悲しまれる」
大好きなお祖母ちゃん、私と伊織を引き合わせ、2人の結婚を望んでいる。
「手をどけてくれませんか、気持ちが悪いので帰りたいです」
「大丈夫?送っていくよ」
携帯を出して車を門まで回すように手配して、私の手を取り教室に荷物を取りに行こうとする。
「離して」
その手を振り払い、教室まで走った。
「どうした?大丈夫か?顔色悪いぞ」
教室に飛び込んできた私を心配して声をかけてくる友人
「ん、調子が悪いから帰るね」
荷物を持って出ていこうとすると、後から来た伊織も荷物を持ってついてくる
「心配だから」
「じゃあ一人で帰らせて、一緒に居ると吐きそう」
ジロリと睨み付け、学校から出ていく、流石に伊織はもうついてこなかった。
その日は自活しているマンションには帰らず、実家に戻った、自室に籠っていたので家の者たちは戸惑っていた。
「秋?伊織君と喧嘩したの?」
朝も食欲がないのでそのまま家を出ようとしたら、お父さんに呼び止められた。
「・・・」
「生まれたときからの付き合いだ、大丈夫だ直ぐに仲直りできるさ」
(お父さん、伊織と仲直りするつもりはないよ、このまま縁を切りたい)
「どうした?」
「何でもない」
首を振って答えた
学校に着くと伊織に呼び止められ、例の教室に連れていかれた、中には1学年上の女子がいた
「初めまして、3年の及川沙穂です、伊織君のパートナーです」
でた、パートナー何なんですかね
「昨日の子じゃないの?」
「解消したよ、しゅうに嫌な思いさせたからね」
今も十分嫌な思いしてます、何人いるんだ。
「私は、2人に別れてもらいたいとか、奪いたいとかではないの、ただ、愛とは別なの、伊織君とはお互い干渉せず空いた時間を共にしているだけ」
「しゅうが知らない時に一緒に居られるのが嫌なら、日にちを決めてそれ以外は目も合わせない、連絡も取らない、取敢えず月曜日と火曜日だけ沙穂で後は全部しゅうと一緒にいたい」
無言のまま教室を後にした。
「はぁ」
盛大なため息、ため息しか出ない
「どうした?今日は変だぞ、伊織と何かあった?」
小学生の頃から私と伊織を見てきている、逢見透コイツも伊織と同類か?
「ああ、伊織は元々変な奴だと思ったけど、その辺の嗜好?思考か?わからない」
「だよね、しかも私にもパートナーとか作れって」
「馬鹿だな」
「馬鹿だよね」
「・・・」
「・・・・・」
透が見つめてくるから私も見つめ返す。
「・・・よし、俺が、秋桜の恋愛パートナーになろうか?」
突然の申し入れに固まった。
「あの馬鹿も秋桜かそんなことしてたら嫌だって気付くだろう、伊織の好き勝手に振り回されっぱなしは嫌だろう?」
「でも、透のこと、そんな風に見れないよ」
「そうか、俺は秋桜の事、女としてみれる」
透の言葉に驚いて顔を上げると私を見てフワッと笑った
顔が熱くなっていった赤くなっていくことがわかる
「おっ、赤くなった、意識したか?よし、伊織に報告に行こう、同じく月曜日火曜日は俺と秋桜の恋愛の日だ」
ありがとうございます。