第16話〜属性判定〜
「ーーーほんじゃまぁ、開花修行を始めるよ!まぁ、そんなに難しくないからリラックスして!」
絵里は再び赤いスーツに赤ブチメガネをかけていた。ふむ、やはり福眼ですな。
「ドスケベ。」
「ぐえ!?」
俺は横っ腹に衝撃が走り、蛙が潰れたような声を出してしまった。もちろん、衝撃を与えたのは佳奈である。またバレてたのね!?そんなやり取りを後目に絵里は続けた。それとここにいるのは、絵里と佳奈と湊と楓子とノーマル組だけだ。ヤマトは他に調べ物があるとかでどこかに行った。春香とさくらは家の中だ。
「じゃあ、まずはどの属性が適正かを調べるね。この水晶に手をかざすと色が映るから炎ならオレンジ、水なら青、氷なら水色、風なら緑、土なら茶色、雷なら黄色、闇なら紫、光なら白、無は灰色になるから、まずはうちがやってみるね!」
絵里はそう言うと、手を水晶にかざした。水晶に出てきた色はオレンジ、紫、白、灰色だった。つまり炎、闇、光、無の属性が絵里の適正属性って訳か。
「まぁ、こんな感じ!ちなみに大和は炎と雷と闇と土、春香は草と闇と無、湊は炎と氷と光と無、さくらは炎と水と草と雷、楓子は氷と水と光と無な感じだよ!たいだいの人は2つ持ちなんだけどね!」
2つ持ちが普通の人って事はみんなは特別なのか?それに佳奈の適正属性を知らされてないけど、どうしたんだ?
「それと佳奈ちゃんは…佳奈ちゃん見せてやった方が早いから見せてやって。」
「…うん」
佳奈は絵里にそう言われると、水晶に手をかざすした。すると水晶に虹色が映った…ということは…
「…私は全属性。」
全属性適正って事か、中学の時魔法を使えない事にしたのは、全属性って事がバレれば色々やばいからか。ん?待てよ?
「なぁ、佳奈が全属性適正って事はこの世界の俺もそうなのか?」
「残念ながらそうなんだよ!まぁ…佳奈やあの人がいる遠藤家は、全属性が多い家系だから。そんなに珍しくない。それに皆が4つ持ちなのはうちを含めた家系も特別だからだよ」
俺の疑問に答えたのは湊だった。なるほど、みんなの属性が4個なのも頷ける。
「ま!今はあいつのこと考えたって意味ないから、次はみんなの属性を調べるよ!最初は…
ヤマトンから!」
「え!?」
絵里が指名したのは俺じゃなく大和だった。最初は俺だと思ってたから、転けた
「奎汰は最後!固有スキルの時みたいな事ならないように!それと楽しみは最後に取っときたいの!」
絶対後者の方が、本音だろうな。まぁ…俺も他のみんなのを見ておきたいな。
「じゃあ行くぞ。」
大和が水晶に手をかざすと、水晶に映ったのは青と水色と黄色だった。つまり水と氷と雷という事になるのか、ヤマトとは属性と容姿が逆になってるのか?いやそのへん関係ないか。
「俺は3つか。」
「3つ持ちでも十分すごいからね!んじゃ!次はエリン!」
「うん!」
絵里から言われた絵里は、元気に応えて水晶の前に立った俺と同じく高魔力保持者らしいからどんな結果になるんだろうか。そして水晶に手をかざすと、水晶に映ったのは、黄色紫、青、水色だった。雷、闇、水、氷か。絵里の炎から水と氷に変わって無が無くなった感じか。
「4つ持ちだ!大和ごめんねぇ…」
「気にすんな。気にしてねぇから。」
と言いつつ、ため息を吐いた。うん気にしてるなこれは。
「なんか言ったか?」
大和の鋭い目が俺に突き刺さる。何でお前までわかんだよ。俺は素知らぬフリをして口笛を吹いた。
「じゃあ、ぱぱっと行くよ!次ははるちゃん!」
「はい」
はるは、呼ばれるとさっそく水晶に手をかざした。水晶には、紫、白、緑だった。闇、光、風という事になるんだな。…はるのイメージ通りだな。これは。
「……」
はるに睨まれた。何か言えよ!?逆に怖ぇよ!
「ささ!次はさくちゃん!」
「ほい!」
次にさくらもそそくさと水晶の前に立ってから、手をかざした。水晶には、オレンジ、緑、白、灰色だった。つまり炎、草、光、無って事になる。4つ持ちになってるのかさくらは。
「高魔力保持者のうちが型なし…」
「ははは…属性の数に関しては本当に運だからね。」
絵里が少し落ち込んだのを絵里がフォローしていた
「私は絵里に追いついてやるからね!」
「の、望むところ!」
「その挑戦私もやります!!」
さくらと絵里とはるはライバルだ。幼馴染って事もあるけどな、成績も学年で1位と2位(絵里)と3位だし、3年間この3人が上位争いをしている。4位のガリ勉くんが悔しがってたのを見た事があるくらいにな。俺、大和、ミナ、ふうの成績は普通レベルだから静観していたけど。ミナは委員長だけどそこら辺にはこだわりがなかったらしい。千春は2位と聞いたことがある1位の子とはライバルらしいが…
「燃え上がるライバル関係!何かいいね!」
「えっちゃんも、ふうちゃんとさく姉とライバル関係じゃん。」
「ははは!そうだけどね!」
…やっぱそうなるのね?この世界の春香は活発そうだから、変わるんね。
「んじゃ次はミナちゃん!」
「…うん」
ミナは少し緊張してる様子だ。こういう事苦手そうだしな。水晶に手をかざすと、水晶には水色、青、黄色だった。つまり、氷、水、雷って事か。
「3つかぁ…よし私も頑張ろ。」
ミナがちっさく決意をしていたから俺はミナの方に向かった。
「ミナ頑張れよ。」
「うん!…ありがとね。」
「おう」
「奎汰のは絶対チートそうだよね。」
「やめろフラグになるから…」
「…まぁ、最後、楽しみにしてるよ!しし!」
ミナは笑顔でそう言った。普段はクールだけど、幼馴染の俺達には素でいれてくれてる。こいつは中学の委員長だからコミュ障ではないがやっぱりクラスメイトには自分を隠してる節があった。だから俺達幼馴染には素でいてくれて嬉しいんだ。俺はコミュ障だけど。
「おう」
「じゃあ次はちーちゃん!」
「はーい!」
千春は小走りで水晶の前に立ってから、手をかざした。水晶には…虹色が出ていた。って事は!?
「全属性!?」
まさかの全属性に絵里は驚いていた。いや俺達も相当驚いている。絵里は絵里でめっちゃショックを受けているのか○| ̄|_となっている。
「私が…佳奈ちゃんと一緒?」
「…ちーちゃんも全属性だからもしかしてと思ったけど…」
「え?そうなの!?」
「うん。」
「そっか…よしヤマ兄!ミナ姉!ふう姉!はる姉!さく姉!一緒に魔力増幅、頑張ろうね!」
「おう!そうだな!」
「私も負けられませんから!」
「そうそう!」
「私だって!」
「まだ私わかってないけど頑張る!」
佳奈にそう言われた千春は俺と絵里以外に言っていた。まぁ高魔力保持者組も、頑張るがな!
「んじゃ、ふうちゃんが最後だね!」
「うん!」
俺がいるぞ!というツッコミは入れない。またさっきみたいに言われるからな。ふうは水晶に手をかざすと、緑、水色、オレンジ、黄色だった。つまりは風、氷、炎、雷って事になるのか。
「4つ持ちだ!ってあっ…」
ふうが4つ持ちとわかった瞬間に絵里がとうとうキノコが生えるくらい落ち込んだ。
「「「「…」」」」
大和、はる、千春、さくらから目線を送られた。励ませってか!?はぁ…
「絵里、まぁ、そんな落ち込むなって。」
「…だって…」
「俺は元気な絵里が見たいぞ?」
「…ほんとに?」
「そうそう。げ、元気な絵里の方が好きだぞ?」
「本当に!?じゃあ元気になる!!」
俺がそう言うと絵里のキノコが消えて、元気になった。
「「「「「チョロ…」」」」
他の5人は小さな声で言っていた。俺だって恥ずいっての!?当の絵里は高揚と顔を赤くしていたから5人の声を聞いていなかった。
「んじゃあ!大本命の奎汰選手!前へ!」
何故かスポーツ大会の司会のような感じで絵里に呼ばれ、俺は属性判定の水晶の前に立った。少し緊張してる高魔力保持者と言われてはいるが属性皆無だったらただの宝の持ち腐れになってしまうしな。っていうか絵里は…
「ふふふふ!」
ほっといていいかうん…
「ふぅ…よし!」
俺は意を決して、手を水晶にかざした。水晶には
…金色と虹色が映っていた…
は?
「…金色は何属性なん?」
俺はすかさず聞いた。しかし絵里、佳奈、湊、楓子が困り顔になっていた。え?なんで!?
「…ごめん。わかんない」
「私達も見たことがない。」
えーと…わかんないって事は何か!?未知の属性が出てきたってのか!?何そのテンプレな感じのやつ!?っていうかここにいる全員が分からないんじゃどうしようもないじゃん!?あのジジイ出てこいよ!!なんでいねーの!?…いや待てよ!
「アマ!!」
聖域の神冥利につきますね!この為に日本神話を呼ぶなんてな!!
「…呼んだ?」
「はや!?」
「もうここをマーキングしてあるからすぐに来れる。それで何?」
「いや、属性を調べてたんだけどさ!金色が出たんだよ!これって何属性なんだ?」
俺がそう言うとアマが、驚いた表情になった。え?何?
「…金は神力。私達、神の力ということ。」
神の魔力!?俺が!?
「いやいや、冗談だろ!?」
「…私は冗談を言わない。奎汰は…
神の力を持っている。」
日本神話の最高神にそう言われた俺は何も言えずにたたそこに立つことしか出来なかった。というより絵里や佳奈、この場にいる全員が棒立ちになっていた。
またもや奎汰がチートみたいになりました。俺TUEEEEになりそうだなぁ(他人事)




