第14話〜戻ると思ったらクソ兄貴に会った〜
どうもお久しぶりです。なかなか手に付けられず、すいませんでした。
ちょっとキャラ口調が変わってるかもしれませんがよろしくお願いします。
視点は、奎汰で行きます。ではどうぞ。
「じゃあ、奎汰の事よろしくね。佳奈ちゃん!」
「ちゃんとしつけてね!」
「うん!わかってる!」
「俺は犬か!?」
「あと絵理ちゃんや大和君にもよろしく伝えといてね!」
俺達は今魔空世界に戻るために家の外にいた。目の前の(パラレルワールド間だが)親子の話を聞いて、ツッコミを入れたが聞こえないのかそのまま話は続けられた解せぬ。あと吾崇斗さんはもう家から出ていた、ほんとに仕事を何してるのか気になるな。あと楓子は俺の後ろにいる。
「楓子は話さくていいのか?」
「私は昨日話したからいいの。帰ったら奎汰や絵里達に聞きたいことできたし。」
「そっか…って何を!?」
「帰ってから♡」
楓子は可愛くウインクして、言った。とてつもなく気になるけど、まぁ、とにかく今は話に夢中になってる目の前の佳奈に声をかけるか。
「佳奈そろそろ集合時間じゃないか?」
「あ、ほんとだ!じゃあお母さん、お姉ちゃんまたね!」
「たまには顔見せてね!」
「楓子ちゃんもまたね!」
「はい!」
……いつの間にお母さんお姉ちゃん呼びに?そこまで仲良くなったのね。もう時間もないので行くことにした。母さんとなっちゃんは家に戻った。これで俺達は魔空世界に帰還…しようとした瞬間だった。
「そこにいるのはクソ弟くんじゃねぇか?」
声がかかり後ろを振り向くと、金髪でピアスをつけた男がそこにいた。ッチ、なんでこんな時に会うかね。
「その2人可愛いじゃねぇかよ!おっぱいもでけぇし!」
「ひっ!」
「何この人!?」
2人は胸を押さえながら、そう聞いてきた。まぁ、言う事は1つだよな。
「兄貴という名のクズ」
「あ?兄貴向かって、それはねぇだろうがよ。俺暇になったからよ。どっちかくれよ。上玉だぜ。ぐへへ」
「「うわぁ…」」
…ご覧の通りこいつは、女性を物としか思っていない、女を取っかえ引っ変えをしては貢がせた挙句にその女性を平気で捨てるようなやつだ。ゲスの極み、そして女たらしのクソ野郎だ。まぁ昔はこんなんじゃなかったが…どこで間違えてこうなったのやら。こいつが目の前にいると俺は口が悪くなるから、会わないようにしてる。一応名前を紹介すると宮川冥汰だ。
「この2人はものじゃねぇよクソが」
「おう?お前は弟のくせに兄貴にたてつこうってんのか?」
「お前が尊敬できるやつであればな?」
「あ?」
俺がそう言った瞬間に、目の前の冥汰は雰囲気が変わった。はぁ、こいつはものすごい短気だ。俺がものを言うとすぐにキレて、こうなる。
「……やっぱお前殺す。」
その瞬間に冥汰は刃物を、俺に向けて突き刺そうとした。俺は、伊達に鍛えてはいない。すぐに対応しようと動いたが、後ろに居たはずの佳奈が俺と冥汰の間に入って(多分魔法使ったんだろう)冥汰の腕を蹴って刃物を叩き落とした。足蹴するんかい。
「…兄さんに手を出す奴は許さない。」
「…はっ…なんだ?今の?」
冥汰は今の出来事に脳が理解していないのか呆然として呟いた。それを見た俺は。
「行くぞ」
俺は2人の手を引いてからその場を後にした。
ーーーーーーー
俺達はそう遠くない公園まで走って来た。ここはよく皆で遊んでいた公園だ。あいつも来るかもしれんがとりあえずここまで来た。
「はぁ…はぁ…ふぅ…ごめんな?何か変なのに絡まれて。」
「…別にいいけど。あの人が兄さんの兄さんなの?」
佳奈は真剣な顔で聞いてきた。まぁ…佳奈にとっては兄貴っていうワードに敏感なのも頷けるが。
「…まぁな、2人にはびっくりさせたな。」
「びっくりはしたけど、ものすごく嫌い」
「それに俗っぽい」
2人からはそんな辛辣な評価…まぁ、初対面であんな感じだったしな、さっきの行動であいつの性格もわかったみたいだし。それもそうか。
「はぁ…とりあえずかえ…」
ると言いかけた瞬間に後ろから気配がして、避けた。でも顔に傷ができた。ちっ…避けきれなかったか。
「いきなり切りつけて来やがって。」
避けてから、後ろも振り返らずに刃物を突きつけて来たやつ…クソ兄貴に言った。やっぱりここまで来たか…
「おめぇが小さい時からここに逃げるってわかってたからなぁ?なぁ?弟くんよぉ?」
「ちっ…やっぱ一戦やっとくか。2人は…ってあれ?」
俺は楓子と佳奈にここは逃げろと思ったが横を向いたら、楓子がクソ兄貴に相対していた。いやなんで楓子が!?
「なんだぁ?お前らが相手しようってのかぁ?」
「はい。あなたのような俗物は一戦した方がよろしいかと思いまして」
楓子は丁寧にそう告げた。あれ?何であんなに不機嫌そうに言ってるんだ?
「ふうちゃんは、あういう俗っぽいの1番嫌いなんだ。だから矯正する感じかな。」
いや矯正って…でも魔空世界組の実力も見れるいい機会か…相手はクソ兄貴だが。楓子は、くそ兄貴前に立つと構えをとった。ん?なんだあの構え?左足を少し下げて右足を少し前に出し、右腕を手刀っぽい形にし左腕を拳を握ってる?あんな構え空手でもないし柔道でもないな。
「あの構えは、武慧拳。皆川家が使える武術で日本最強にして最凶の武術。」
俺が疑問に思っていると、佳奈が説明してくれた。ってあれ?
「魔法がほぼ主体の魔空世界に武術があるんだな?」
「まぁ…こっちで言う空手?って言うのは廃れてるけど、武慧拳は皆川家が代々使ってきたものだからね。だからあるんだと思う。」
佳奈もそんなに詳しくない感じか、っと。さっきまで数分沈黙をしていた冥汰が最初に動いた、だが楓子はそれを予期してしたのか、あいつの頭を掴んでから、宙を舞い冥汰の後ろに立ち、またあの手刀っぽい構えになり冥汰の背中に手を当ててからこう言った。
「武慧拳・羽中」
「ブ…グヘァア!?」
楓子がそれを使った瞬間冥汰は、苦しそうになって前に倒れた。何が起きた!?
「武慧拳・羽中は、さっきも見た通り背中に手を当ててから微力の魔力を流し込んで、少し呼吸を止める技だよ。」
「エグ…」
「武慧拳は、最凶の武術。殺しの武術って言われてる。羽中だって本当は完全に空気を止める技。でもふうちゃん…いや今代の皆川家当主が武慧拳を不殺の武術に変えるように努力したらしい。」
そんな漫画みたいなのがあるんだな。って魔空世界自体がSFか…そういや。
「今代の当主って?」
「ふうちゃんのおじいちゃん。今は9代目。次期当主はふうちゃんの予定らしい。」
リ○ーンかよ!あと普通世界の皆川家は普通の家庭だ。まぁ…そんなの当たり前か。ってもう終わりか?
「はぁ…はぁ!そんな技で倒れると思ったかクソアマ!」
と思ったら、やつは意外とピンピンしていた。あいつ無駄にタフだからな。それを見た楓子は表情を変えずに、さらに手を前に出した。
「武慧拳・仏光」
「フギョア!?」
…次に出した技は、手をあいつの顔の前に出したらあいつが吹っ飛んだ。何今の?
「仏光は、衝撃波で吹き飛ばすもの。魔力も使わないものすごく安易技」
何か佳奈不満そうに言った。何?この技嫌いなの?
「佳奈ぁ!?安易技とか言わないでよ!」
楓子は、口調を戻して佳奈にツッコミを入れていた。いやまぁ…あれもあれでかっこいいと思うけどな。佳奈は不満げかもしれんが。
「はぁ…はぁ!次は…に…」
「あっ、倒れた。」
あいつはしぶとく来るかと思ったが、倒れた。さすがのあいつでも衝撃波には耐性持ってないか、ってあいつは普通世界で少し強いくらいだもんな。武術込みの魔空世界住人相手には分が悪いか…まぁ心配しないけど、とりあえず俺は倒れた冥汰の首根っこを掴んだ。
「お前らはここで待っててくれこいつ家に届けてくる。」
「まだ矯正が…」
「もういいでしょ。ふうちゃんはほんとに容赦ないんだから。」
「本気出てないし〜」
あれで本気じゃなかったのかよ!?そもそも魔空世界組のスペックは高いんだろうから、普通世界の人間はこうなるか、それでも向こうの俺や悪魔に敵わないんだから。まだ楓子の実力の1部それも手加減してたんだ。俺はみんなを守れるように強くならないとな。と気絶しているクソ兄貴を引きずりながら思ったんだった。
ーーーーーーー
「あらま、お早いご帰還ね?」
「違うって。このバカ届けに来た。」
なっちゃんが含み笑いでそんなこと言ってきた。俺はとっさに手に持っている。クソ兄貴を差し出した。
「あら、冥汰?何があったの?」
「帰還しようとしたらこいつと鉢合わせて、逃げたら楓子にこいつが魔法で軽くいなされた。」
「はぁ…またゲスな事言いながら来たんでしょ?」
「会った瞬間に佳奈と楓子くれだとよ」
「はぁ…まぁいいわ。とりあえずそれ貸してあんたはあの子達っていうか大和達待たせてるんでしょ?行ってやり?」
おっとそれもそうだ。魔空世界にさっさと帰らないと怒るかもしれないな。まぁ…冥汰に絡まれたって言えば納得しそうだが普通世界は。
「じゃあ、行ってくる」
「頑張んなさいよ〜」
俺は佳奈と楓子が待っている公園に行こうと走って行った…が。
「ーーーーー奎汰?」
ーーーーー何で今日はこうも会いたくない人ばかりにあるんだよ。俺は目の前の少女に向かってそう思ったのであった。




