第13話〜家族への説明〜
こんにちわ!
今回の視点は、奎汰、佳奈の順です!
「ーーーーはぁ…」
「そんなに緊張しなくてもいいんじゃない?」
「そうだよ。別に悪い事してたわけじゃないんだし。」
佳奈は苦笑いしながら、楓子は俺が今いるのは普通世界の俺の家の玄関の前にいる。流石に部屋の中に直通じゃなくて、玄関から入った方がいいと佳奈と楓子に言われたから。あと他の普通世界組も帰ってきてる。
「そうやけどさ…母さん怒るとこえーの…」
「…まぁ、私や楓ちゃんいるし、ちゃんと説明するからさ。こうしてる間にも夜は深まるよ?」
「そうそう」
「…うっす、じゃあ、チャイム鳴らすぞ。」
俺は家のチャイムを押したら、すぐに玄関のドアは開いた。
「やっぱ奎汰だったのね!!あんたこの2日間もどこ行ってたの!?おかんが心配しとったんよ!?あとお義父さんも!…ってあれ?その子達は?」
出てきたのはなっちゃん…俺の姉さんで宮川夏弥だ。俺はなっちゃんって呼んでる。姉を名前呼びにしてるのは気にしないでくれ。っていうか…なっちゃん今普通世界の小倉に住んでるはずなんだけどなぁ…俺が居なくなったから、呼び出されたんかな
「…ちゃんと説明するからさ。中に入れてよ。」
「…はぁ…また何かあったんね?おかんもお義父さんもおるからはよ入り!」
なっちゃんは少し呆れながら、中に入れてくれた。
「美人なお姉さんだね。」
「まぁ、そうだな。自慢の姉だよ。」
佳奈がなっちゃんに向かってそう言ったから俺は自慢げにそう言った、そしたら隣の楓子がニヤニヤしながら。
「シスコン?」
「やかましい。」
シスコンとは失礼な。
「じゃあ、2人ともこれ使って!」
なっちゃんはスリッパを出して、2人に渡そうとしたけど手を止めた。どうしたんだろうか?
「…あなた…楓子ちゃんに似てない?」
「それも含めて話します。」
まぁ、なっちゃんも疑問に思うよな。自分の妹分に似てる子がいるんだし。平行世界なんて信じてないだろうしな。
「そっか。じゃあ、ついてきてリビングでおかんとお義父さんいるから。」
なっちゃんは、納得した…訳じゃないだろうけど、それ以上は聞かずにリビングへ案内した。まぁ、もう少しで事情を話さないといけないから緊張する。2日間も家を空けていた罪悪感もあるし、何より緊張してきた全身の力が入らん。まじクソメンタル…俺はリビングのドアをあけた…
「…2日間もどこで何してたん?」
威圧感のある声。何より強面の表情が俺の緊張をさらに強めた…言ったのは俺の義理の父である宮川吾崇斗。吾崇斗さんは母さんと一緒にテーブルに座っていた。その声に後ろにいた佳奈と楓子は声を出せずにいた。なっちゃんは平然としてるけど。俺も最初に会った時は萎縮したよ。
「心配しとったんよ!いきなり姿をくらませて!」
「……うん、この2日間も家を空けててごめんなさい。」
俺は何も言い訳もせずに2日間も空けていた事を謝った。心配させたのもあるし。
「別に責めてるわけじゃないの。でも電話もメールもよこさないし。それで心配だったのよ?絵里ちゃん達もいなかったし。」
母さんは、冷静な声色で俺に言い聞かせるように言った。確かにそうだよなぁ。スマホも持ってたから、LINEで言っとけばよかったんだよな。
「それで…その2人は誰だ?」
「2人の事も含めて、説明するよ…この2日間何してたか…」
俺は母さん達にこの2日間何をしてたかを説明した。平行世界の事、その平行世界で何をしてたかを…千春の件は伏せた、言っても意味ないし何より佳奈が苦しくなりそうだし、母さん達は何も横槍を入れずに俺と佳奈、楓子の説明を聞いてくれた。
ーーーーーーーーー
「ーーーーという訳なんだ」
俺と佳奈、楓子の説明が終わり、3人を見ると微妙な顔になっていた。まぁ、特に母さんは遠藤家の話をした瞬間に顔が微妙になってたけど、そりゃまぁ、離婚した旦那の話が出れば誰だってそうなるわな。
「一応私はあなたの娘、妹になります。」
「…色々混乱してきた…でもその子が楓子ちゃんに似てる理由がわかったよ。」
なっちゃんは頭を押さえたが、一応理解はしてくれたようだ…母さんと吾崇斗さんはまだ疑ってる。まぁこんな話を信じろって言っても無理な話よな。俺も佳奈が来なかったら、平行世界なんて虚構だって思ってたし。
「……お前は」
なんて考えていたら、吾崇斗さんが話しかけてきた。
「その世界で何を見るんだ。お前の本分は学生だ。高校はどうする。」
前者はどっかで聞いた事ある台詞だな。後者に関してだが、佳奈達に聞いたが魔空世界の俺と魔王は全くとっていいほど動きを見せていないらしい。ここに帰ってくるまで急がなくてもいいと言われた…昨日は急かされたような気がするんだけど。
「あの世界は今緊迫状態なんだ。平行世界の俺たちを呼ぶほどに、だから俺は助けたい。…それに高校だって行くよ。必死で勉強したんだから、そこは曲げない。」
俺は意思表示としてこう宣言した。まぁ、高校はマジで必死こいて勉強して合格したんだ。今更入学式に行かないって、ないと思うし。学校側も大変になるだろうしな
「…はぁ…本当に一度言い出したら曲げないんやから。」
母さんはため息を吐き、呆れながらそう言った。俺は昔からこうだからな自分で言うのもあれだけど。
「…お前の意思表示はわかった。学業と修行を両立させる。それがお前の意思なんだな。」
吾崇斗さんは、俺に向かってさらに強めた威圧感と言葉で言ってきた。俺は息を呑んだ。本当にこの人って一般人か?言っちゃなんだが吾崇斗さんって仕事の方は何してるか知らないんだよな。母さんとの馴れ初めも知らないし…まぁ、知りたくもないが…
「…ああ。」
「なら。俺からはもう何も言わん。佳奈…さんと言ったね。今は奎汰の修行はどうなんだい?」
俺はなんとか声を出した。その言葉を聞き、吾崇斗さんは納得したのかさっきまでの威圧感が嘘のように消え、佳奈に聞いていた。まぁ、今日に関しては、魔法の属性や固有スキル、妖怪の事を教えて貰ってただけだしな。
「今日は魔空世界の魔法や妖怪についてを話しただけで、本格的な修業は明日する予定でした。しかし流石に2日間も家を空けていたという事もあり、帰還することにしたんです。兄さんがここにいるのは許可を貰うためでもありました。もし、反対されたら説得するつもりで私達もついてきました。」
「それに強制もしないつもりです。こちら側の都合で奎汰や大和達には迷惑かけていますし。」
佳奈と楓子は丁寧に母さんと吾崇斗さんに話した。…なんか敬語で話してる佳奈も新鮮だな。初対面であんなおちゃらけた性格をしていたし、素の性格になっても敬語使われなかったし。まぁ1歳しか差がないから別に敬語を使えって言ってるけじゃないけど。
「…なるほどな。母さんはどう思う」
「あたしは、最初何かあったんか心配やったけど、奎汰が無事ならそれでいいんばい。でも無茶せんようにね?これだけは守って。高校に行かないって言われたらキレてたかも」
…行くって言っといてよかった。母さんはマジで怒ると怖いから。…はるや絵里達が怒った時に少し怖いって思うのもこれが原因かもな。…俺の周り気が強い女性ばかりなのはそれもあるのか?…考えんどこ。
「…まぁ、とにかく修行するのも向こうの世界に数日いるのも許可するばい?」
母さんからの許可がおりた。ふぅ…一応なんとかなったな。
「でも今日はここで休む事!2人もね?」
「そうしま「あと敬語もなしで!一応娘なんやけね!」いいんですか?」
「いいのいいの!なっちゃんもそう思うやろ?」
「そうやね〜!魔空世界の妹であろうと妹は妹だし!それに!」
「「妹(娘)ができて、すごく嬉しいしね!」」
…何そこだけ以心伝心しちゃってんの、この親子?いやまぁ、確かにこの2人にとっては妹ができたみたいなもんか…なっちゃんに関しては妹分いっぱい居るんだけどな。
「わかり…わかったよ。」
佳奈は若干顔を引きながら、敬語をやめた。まぁ、この2人の勢いは誰にも勝てんからね。
「楓子ちゃんも敬語無しでね?こっちの楓ちゃんもそうだし!」
次は楓子に向けて母さんは言った。確かにフウも敬語なしで話してたな。あっ、それと吾崇斗さんは母さんとなっちゃんが話出した間に自室に戻った。
「ではお言葉に甘えて、敬語なしで話すね?」
「それにしても、ほんとに楓ちゃんにそっくりよね〜」
「大和や絵里も同じやったよ。はる、ミナは逆の性格だけど。」
俺がそう説明すると母さんとなっちゃんは納得したような表情になった。そしたら母さんは思い出したように俺に向かってこう言った。
「…あんたは風呂入ってもう寝なさい。佳奈ちゃんと少し話したい事あるから。」
「なんで?」
俺はいきなり言われたのでわからずに言った。
「…朴念仁。女子会にあんたは入りたいの?」
「…去りまーす!」
俺はそう言われたので、そそくさと風呂に向かって歩いた。
ーーーーーーーーー
「ーーーー話って何?」
兄さんが風呂に向かったのを確認してから、私は2人に聞いてみた。
「いやねぇ?勘違いなら悪いんだけど佳奈ちゃん…奎汰のこと好きでしょ?」
……何でわかったの!?
「ど、どうしてそんな事思ったんでしゅか!?」
動揺しすぎて、噛んだ。絵里姉と違って私隠してたつもりだったのに。
「女の勘ってやつかな?絵里の露骨な好意よりかはわかりにくいけど、奎汰に対する目が絵里に似てたからね。」
女の勘って恐るべしだよね。こういうのって私まだわかんないし。まぁ、でも。
「…はい。好きです。」
隠す必要もないし、潔く言った。
「あの子も罪作りな子ね〜、絵里ちゃんやはるちゃん、湊や楓ちゃん、千春だけじゃなく、平行世界とはいえ妹までに好意寄せられて」
あっ、やっぱはる姉達も好きなんだ。絵里姉はわりやすいけど、他のみんなはわかりにくい…訳でもないかちーちゃんはツンデレだし。はる姉も。っていうか女性陣全員から好意寄せられてる兄さんってラノベの主人公?私も好きだから何も言えないけど。
「それはいいの!おかん。佳奈ちゃんどうして好きになったの?」
夏弥さんに聞かれたから、私は好きになった経緯を説明した。
「……そりゃまぁ、好きにもなるか、そんな真っ直ぐなこと言われたら。誰だって」
「…そうよね〜私もそんな事言われたいなぁ。幼馴染全員に惚れられてるって本当に罪作りな子になっちゃったわね〜」
「まぁ、美紅ちゃんっていう例外はいるけどね〜」
「「美紅?」」
それは私達がわからない人の名前だった。兄さんにまだ幼馴染がいたの?私の方にはそんな人いなかった。
「詳細は奎汰…いやあの子にとって美紅ちゃんはトラウマそのものだからダメね。絵里ちゃんに聞いて、絵里ちゃんも明日向こうに行くんでしょ?」
兄さんの過去ってそんなわかってないしなぁ…いい機会かも開花修行の合間に聞いてみようかな。絵里姉達の事聞かれたから、言うことにした。
「うん。絵里姉や他の人の所にも私達の仲間が話について行ってるからね。」
「そっか…佳奈ちゃん。あの子よく頑張りすぎる時があるから気をつけてね?絵里ちゃんやはるちゃん達が居るにしても、あの子はコミュ障のくせして困ってる人は助ける性分だから。」
絵里姉達も言ってたなそれ、私がここに来て見てた時も困ってるおばあちゃんを助けてたし。不良に絡まれてた人助けてた…コミュ障だから、その絡まれてた人の腕を掴んで走って逃げてたけど。
「大丈夫。ストッパーは私がやります。私が鍛えるって言ってるし。無茶はさせないから。」
「そうしてくれると、ありがたいばい!楓子ちゃんもお願いね?」
「わかってます。私もできるだけサポートします。」
「ふう…それだけ聞くと安心するわ。」
裕美さんは安心した表情で言った。そういえば、ここには夏弥さんの他にお兄さんがいるって言ってたけど、出てこなかったなぁ。
「…あのぉ…ここにはもう1人お兄さんがいますよね?その人は?」
私が聞くと夏弥さんの顔が微妙になった。あれ?タブーだったかな?
「あー…まぁ、いるっちゃいるけど、あなた達には会わせられないの」
「な、何で?」
「あいつは極度の女好きだからね。だからあなた達に会うとすぐにナンパするから。2人は可愛いからなおのこと、冥汰って見た目もチャラいし。」
あぁー…だから、絵里姉。兄さんの兄さんの話を出した時すごく嫌な顔したんだ。胸も見られてたって言ってたし。
「あっ。奎汰ももう風呂上がったでしょ。みんなも風呂に入って、寝なさいね!遅い時間だし。」
裕美さんに言われ時計を見ると10時を越えていた。もうそんな時間になってたの。私と楓ちゃんは風呂に入った後に夏弥さんの部屋に入り、眠りに着いた。
はいどうも!両親と姉が登場しましたが、兄の方は登場せず…それと父親の仕事は後にわかると思います!面白かったら、感想やブクマをお願いします!




