第11話〜天照大神と月読命〜
どうもです!今回は奎汰の固有スキル聖域の神で呼び出せる神様の紹介です!
視点は、奎汰、絵里、奎汰の順です!
「ーーーーチート?」
佳奈にそう言われ、多分今俺は苦笑いをしてる。フラグ即回収とは思わなかったし。
「それとの、神と言っても、日本神話のじゃよ。聖書の神や北欧神話の神は呼べぬ。」
逆になんであんたはそんなこと知ってるんだよ。
「わしは1015歳じゃ!15歳の頃に先代聖域の神に会ったことがあるんじゃよ」
「ナチュラルに心読んでんじゃねぇよ。」
何で俺の周りはそんなに俺の心読めるの?さっき何も顔に出してなかった…筈だよな?自分の顔だからそこわからんのやけど。
「…それでのこのスキルは、神の1柱を呼べる。しかし選ばなくてはならないのじゃ。呼び出せるのは伊邪那岐、伊邪那美命、天照大神、須佐之男命、月読命の五柱じゃ。」
何そのチュートリアルの三体を選んでね?みたいなノリ。今聞いた五柱って国生みの2柱、その国生みの子である三貴子じゃないか…日本神話の代表格である五柱のうち1柱しか選べないって、何かもったいないなぁ。
「天照大神がいいんじゃない?」
絵里が、そう言ってきた。天照大神は日本の天皇の祖神だし。確かにいいかもしれんけど。一応聞いてみるか。
「その心は?」
「かっこいいから。」
「安易だなおい。」
めちゃくちゃ安易だった。かっこいいって理由で1柱しか呼べない神を呼んでたまるか…そういや呼ぶってどう呼ぶんだ?
「どうやって呼ぶんだ?言霊とかあるのか?」
「先代の聖域の神は、『我、神を呼ぶ者なり。出でよ!天照大神!』と言いながら、呼んでおったが、普通に心の中で呼べばいいんじゃ」
先代の聖域の神って厨二だったのか?って心の中で呼べばいいのか。先代が選んのは、天皇の祖神か…何でここで呼ばないか?これはモノローグ…つまり心の中での事だ。万が一名前を呼んだら、その神で確定になっちまうからな。ここは慎重に選ぶ必要があるな…さっき普通に呼んでた?…気にしないでくれ。
ーーーーーーーーーーー
「どうやら、奎汰はじっくり選ぶようじゃな。時間も惜しいから他の者の固有スキル調べるぞい」
奎汰の様子を見て、昭武さんはうちらの方を向きそう言った。奎汰はものすごく考えていた。天照大神がいいと思うんだけどなぁ。
「じゃあ次はエリンね。」
「絵里か。お主も高魔力保持者じゃもんな。よし、調べるぞ。」
絵里からそう言われた昭武さんは、さっきの奎汰と同じように手をうちに向けた。昭武さんの顔はどんどん険しくなっていく。え?何?何か変な固有スキルなの?
「…お主も、案の定じゃが持っておる。しかし…」
昭武さんは何故か渋った。何?逆に気になるんだけど。
「悪いスキル?」
佳奈ちゃんが渋る昭武さんに聞いた。うちも気になるし
「悪くは無い。しかし心して聞くのじゃ…佳奈は特にな。絵里の固有スキルは死霊使い…死者の魂を呼び出す事ができ……何よりその死者の生前の能力もそのまま自分でも使えるのじゃ。」
……え?それって、死者を冒涜する行為なんじゃ?それにこの力があったらこの世界の千春を…
「…絵里姉。バカな事考えてない?」
「佳奈ちゃん…でも」
「そんな事やったら、千春に失礼だし。何よりその固有スキルは使わせないよ。」
「そうだね〜。エリンは高魔力保持者だし。固有スキルなくても大丈夫だよ。それに死霊使いなんて固有スキル自己申告したら変な奴に目を付けられそうだしね。」
佳奈ちゃんの言うことももっとも。絵里の言うことも確かにそうだね。もし申告したら、良からぬ事を考える輩に付け狙われる可能性がある。ちなみに、絵里はうちの事エリンって呼んでる。佳奈ちゃんと奎汰が話してる間にそう決まった。どっかの獣の奏者を思い出すけど。
「絵里の固有スキルはわかった。次は大和、湊、春香、千春、楓子の順でやるから、ぱぱっと行くぞ!」
ヤマトンがそう言ったら、ーーヤマトンは魔空世界の大和の事ーー昭武さんは猛スピードで調べた。何でうちと奎汰の時はやんなかったんだろう?それで結果的に、さくら、大和、春香、千春はスキル持ち、楓子、湊がスキルなしにだった。2人は落ち込んでたけど、うちもないようなものだしね。それを言うと、2人はなんとか立ち直った。それで奎汰の方を見ると…
「うーんやっぱ、ナギか?でもナミも捨てがたい。須佐も強そうだしなぁ。あまちゃんも太陽神だしなぁ。ツクも月の化身って言われてるしな。うーん」
…いくら本名で呼んだらそれに決まるからって、そのあだ名はなんなの?でもあういう所も好きなんだよなぁ。昔友達が奎汰のこと可愛いって言ってけど、ほんとに可愛いと思う。恋は盲目っていうけど本当にそうだなぁ。自分で言うのもなんだけど。
「…よし決めた!」
どうやら、決めたみたい。誰にしたんだろう?
ーーーー
俺は、考えに考えて、決めた。俺が選んだのは…
「天照大神!!」
「今呼ぶでないわ!!!」
「あっ…」
思わず、言ってしまった。言ったことにより辺りが暗くなった。え?何?
「はぁ…まぁよい。天照大神様が来るぞ。」
じいさんが、そう言って空を見た…って日食になってるやん!?と思っていると一筋の光が。ものすごいスピードで来てる、というか俺めがけて来てる。え?俺死ぬの!?ていうかなんかデジャブ!?
「…君が僕を読んだの?」
光が消えてから小柄な紅い髪をした少女がそこにいた。こ、この子が天照大神?それにボクっ娘かよ。いやそこはいいか。確かに神話では天照大神って女神って言うけどさ。男神説も濃厚だって言ってたし。…いや魔空世界って佳奈が言った通り空想上の生き物が存在する。…それは関係ないか俺達の住んでる普通世界が勝手に思ってる事だしなあれって。
「あ、ああ!俺は宮川奎汰!よろしくお願いします!天照大神様!」
「…うん、よろしく。」
口数すくないのか?佳奈はクールっぽいけどどこか違う感じだしなぁ。なんていうかエロの化身が主人公のラノベでそれに出てくる龍神様って感じ?例えが若干わかりにくいけど。
「…あと敬語はなしで、僕の事はアマと呼んで。その他の人も」
いいのかなぁ?まぁ、本神にそう言われたからいいんか。それに俺に対する印象は良いってことかなこの感じは、初対面から敬語なし、それも相手は日本神話の最高位に位置する神様…マジでいいんか?
「…ほんとにいいんですか?」
佳奈が恐る恐る聞いた、俺も思ってた事だしな。
「…うん、君達からは悪意を感じないから。」
「…そっか…じゃあ、アマ。1つ質問いいか?」
「…いい」
俺はこの子に質問してみることにした。先代の聖域の神に関することだ。
「1000年前にも聖域の神を持ってた人に呼び出されたんだよな?その人ってどんな人?まぁ、この爺さんからも聞けばいいかもだけど、呼び出されてたあなたに聞きたい。」
俺は親指で爺さんを指さしながら、そう言ったら、アマは爺さんを見ながらこう答えた。
「…昭武懲りずに生きてたんだ。しぶといね。いいよ。教える。先代の聖域の神は、バカだった。それと厨二病。」
案の定、先代聖域の神は厨二病だったか、
「まぁ、そうじゃのう。あやつは熱血バカの厨二病じゃった。」
「…あの人は魔法の基礎を作った人だしね。この魔空世界がここまで魔法が流通したのも、あの人や昭武のおかげ。」
そうか、魔法の基礎を作った人か……ん?
「「「「「「「「「「「魔法の基礎を作った人!?」」」」」」」」」」」
俺たち全員(魔空世界のさくら、湊、楓子除く)で驚いた。その様子を見て、アマは少し爺さんを睨んだ。
「…昭武言ってなかったの?」
「聞かれなかったからの」
このジジイ!そういう事は最初から言っとけっての!?さも当然のようにその台詞言うなよ!?
「…師匠1回死んでみる?」
「か、佳奈?ちょっとその言葉に、トゲがあったんじゃが…い、1回落ち着かんかの?」
「嫌だ。」
佳奈が笑顔でそう言い出した。何か手からバチバチ言ってるんだけど、必死に弁明してる爺さんに手をかざしてから、こう言った
「超電磁砲!!」
……あれってルビ違かったらあれだよな…爺さんは何も問題無い様子だった。きっと土の防魔法で防いだんだろうな。逆にピンピンしてやがる。
「…はぁ…昭武の悪癖は健在みたいね。」
「ふん!1000年も生きとるんじゃ!こういう楽しみをしてるのも良いじゃろうて!」
爺さんは長い髭を触りながら、笑っていた。さっきはるが言ったこと反省してないのかよ。っていうか…
「…1000年前からこうなのかよ…」
「…まぁ、昭武は昔からだから別にいい。とりあえず、この世界にいる限り僕は何度でも呼び出せるよ。聖域の神は…あと2柱は呼べるから…」
「…爺さん?」
俺はアマの言葉を聞き、爺さんを睨みつけた。でもじいさんも初耳だったらしく一緒に驚いていた。
「すまぬ。こればっかりは、わしも知らなんだ。」
「…まぁ、あの人も僕だけ呼んでたし。昭武が知らないのも頷けるよ。じゃあ僕は帰るね。」
「お、おう!じゃあな。アマ!」
「バイバイ。」
アマはそう言って、どこかに消えた。きっと住んでるところに戻ったんだろうな。
「天照大神様があのような可憐な少女だったなんて…信じられません…それに…」
はるが驚いた様子で、そう言った。まぁ、はるって日本神話にも関心持ってたしな。俺もだけど。
「あのような可憐な少女が…須佐ノ男様と…近親相姦をシただなんて!!」
「「「「ブフ!?」」」」
はるはいきなり禁止用語を言い出した。俺達男性陣は吹き出した。めっちゃ下ネタじゃねぇか!?
「そうじゃないですか!?だって、あの見た目ですよ!?なのに、須佐之男とヤったんですよ!?なんなんですかほんとに!!
「違う。そこじゃないから!?春ちゃん何言ってんの!?女の子がそんな事言っちゃいけないし落ち着こう!?」
春香が驚き、はるにそう叫んだ。同じ顔なのに表情の変わり方違うよなぁ。あれ?俺なんでこんな冷静?はるがキャラ崩壊したからか…
「…はっ!私とした事がごめんなさい。気が動転して。」
「下ネタ言うほどにな。」
俺はニヤニヤとはるに言った。いつものように毒舌が飛んでくるんだろうな。
「……忘れてください」
と思ったら、顔を赤くして上目遣いで聞こえるか聞こえないかの声で呟いた。え?ちょ?そんなに恥ずかしかったん?何かしおらしくなって、調子狂うんだけど。
「そ、そうしとく。…あと2柱どうするか…」
俺はまた考える事にした。残りの三貴子にするか?…国生みの2柱呼んでも久々会えたと言って、めちゃくちゃイチャイチャしそうだしな。残りの三貴子の月読と須佐にするか。
「よし決めた!」
「口走るなよ。」
大和にそう言われた。まぁ、アマの事もあるしな。
「わかってるって!月読命なんて言わんばい!…あっ。」
「「「…バカ」」」
絵里、はる、佳奈にジト目で言われた。…反省しますはい。そう思ってると昼間は薄いけど少し見える月の方から一筋の光がアマと同様に来ていた。なんかまたデジャヴ。そして光は俺の前に止まり…
「やっほー!君があたしを呼んだ。聖域の神?よろしくねん!」
…アマと真逆にテンション高めで青い髪にポニーテールの少女(巨乳)がいた。
「あれ?どったの?あっ!あたしの名前は月読命!みーちゃんって呼んでね!」
「あ、ああ。よろしくな。俺は宮川奎汰だ」
すごくフランクだし。図々しい。思わずタメ口になってしまった、背も絵里に近いし。なに?月読命って月の神様って言われてんのに何でこんなにハイテンションなの?普通は逆だろ?太陽神のアマが明るくて、月の神が少しクールって感じじゃねえの?
「じゃあ、けーちゃんって呼ぶよ!特に用事無いならあたし帰るね!ばいちゃ!」
その言葉を残して、みーちゃんは帰っていった。嵐のように帰っていったな…でもあれって。
「最初に現れた時の佳奈みたいだな。」
「それは私も思ったけど。なんていうか拍子抜けだなぁ。月読命ってクールなイメージあったし。」
「またもや。崩されました。」
そうだよなぁ。月読命の性格があんな感じだったとは、誰も思わないか、はるはアマの時のように気が動転してる様子はなかった。まぁ、月読命の方の神話に下ネタ系はないからかもだけど。ってそういや。
「爺さんは会ったことあったのか?みーちゃんとは」
「わしも初対面じゃ。アマも言った通り先代はアマしか呼ばなかったからの」
「ふーん…じゃあ、この調子で須佐」
「だから時間がおしてるからやめろ!」
次に須佐を呼ぼうとしたけど大和に言われた。そういや、そうだった。まだ授業は続いてるんだっけか。
「そうそう!これでみんなの固有スキルは一通りわかったね。持ててなかった2人は魔法を極めれば大丈夫!さっきも言ったけど低魔力って言っても現時点だから鍛えたら、魔力も増えるからね!次は魔空世界にいる妖怪の事を教えるね!」
持ててなかった2人に絵里はフォローを入れて絵里は再び先生モードに入った。次は魔空世界にいる妖怪の話か。
というわけで次回は妖怪についての話になります!
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