第1話「髪質と現実はそう簡単には変わらない」
小説を書くのは初めてなので駄文でイライラさせてしまうと思いますがお手柔らかにお願いしますね☺️
石視「こんなはずじゃなかった…こんな人生になるはずじゃ…。俺は天才なんだ!特別なんだ!なのになんでこんなことに…!」
深夜0時、トラックを運転しながら石視名尾嗣は嘆いていた。
顔はおせじにも良いとは言えず、学生時代の成績は常に下から数えた方が早く、親に「仕事をしろ」と言われ家を叩き出されるまでひきこもっていたため、かなり太めの体格で、運動もからっきし。決して若くないのに脂っこくニキビの多い顔面で、性格は傲慢でひねくれ者。そんなことだから、女性とお付き合いしたことなどあるわけがない。取り柄と言えば、パソコンと萌えアニメにかなり詳しいことくらいだ。
石視「クソ!クソ!」
すると石視は、前方の横断歩道でカップルを発見した。二人っきりでとても楽しそうに談笑していて、石視は魔が差した。
石視「どうせこんな人生なら…捕まってもいい…幸せそうなあいつらを殺してやる!!」
歩行者信号の表示は青だった。当然カップルは車が突っ込んでくるなんて思いもしなかった。
瞬間、鈍い衝突音が響いた。
カップル二人は、石視に轢き殺された。
しかし、死んだのはカップルだけではなかった。
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士「ん…うぅ…ここは…?」
石視に轢き殺された男性、榊士は見知らぬ場所で目覚めた。見渡す限り草原で、大きな木がちらほらと生えている。
士「そうだ!ミミ!ミミはどこだ!」
すると、背後から大きな声がした。
ミミ「わっ!!!!」
士「うわぁ!!!!」
ミミ「あはは 士ってホンット驚きやすいよね」
いたずら好きな彼女、叉度ミミ(またたびみみ)が驚かせたのだ。
士「なんだ…ミミか。でも心配したよ。急にどこに行っちゃったんだろうって」
ミミ「心配性だな~」
士「それでミミ、ここがどこかわかるか?」
ミミ「………私、さっき近くの『村』で色々聞いてきたの…。」
士「『村』…?」
ミミ「落ち着いて聞いてね。どうやら私たちは…『別の世界』に来ちゃったみたいなの」
士「え…?」
ミミ「ここはスプリング王国の最南端、カンパチ平原…っていうとこらしいの。」
士はミミの言っていることがうまく飲み込めなかった。
しかし士は、ふと『あること』を思い出した。
それは…自分たちの、『死んだ瞬間』。
士「俺たち…死んで…それで…この世界へ来たのか…?」
ミミ「そう。士、ちょっと額に人差し指と中指を当ててみて。」
士「あ、ああ…。こ…こうか?」
あまりの事実に動揺が隠せないが、彼女の言った通りにしてみる。すると目の前に数字と、日本語によく似た文字が出てきた。
士「なんだこれ!」
ミミ「それは『ステータス表示』って言うんだって。私のはこれ。」
そう言って、ミミが士に自分の『ステータス表示』を見せる。
【ミミ】
性別:♀
年齢:17
HP:1200
MP:2000
物理攻撃力:1250
物理防御力:1000
素早さ:1600
魔法攻撃力:2000
魔法防御力:1600
スキル:抜き足、爪研ぎ、肉球スマッシュ、猫爪スラッシュ、伸び伸びリフレッシュ etc.
ミミ「私はさっき村の人に見てもらった時に、『平均的』って言われたけど…士はどう?」
士「俺は…これだ」
士が恐る恐る『ステータス表示』を見せる。
【榊士】
性別:♂
年齢:18
HP:6万
MP:3万
物理攻撃力:9万
物理防御力:3万
魔法攻撃力:9万
魔法防御力:3万
スキル:インフィニティウェポンズ、インフィニティシールド、インフィニティフィールド、インフィニティプロテクション、全属性耐性:大、リジェネ:大、成長性:特大 etc.
ミミ「すご…。なんか羨ましいな このっ」
士「いてっ!ひじうちするな!いたい!」
ミミ「試しにこの『インフィニティウェポンズ』っていうの使ってみて!」
士「どうやって使うんだ…?」
ミミ「こう…使うぞ!って思えばいいんじゃない?」
士「そんなもんか…?まあやってみるか」
士「ハッ!!」
士が念じた瞬間、士の回りに無数の武器が現れた。短剣、長剣、大槌、槍、鎌、斧、銃など様々だ。それらは一様に半透明で少し煌めいていた。
ミミ「きれい…」
士「すげぇ…」
士「死んだのはとてつもなく悲しいし…やりきれないけど…こんな綺麗な、幻想的な景色を…ミミと見れて良かった」
ミミ「うん」
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盗賊「オラッ!!」
石視「ぐふえぇっ!!!」
石視も異世界に転生し、盗賊に襲われていた。
【石視名尾嗣】
性別:♂
年齢:30
HP:500
MP:2
物理攻撃力:700
物理防御力:500
魔法攻撃力:13
魔法防御力:1
スキル:抜き足
石視「(『ステータス表示』の見方は聞いたが… クソッ!!基本ステータスは何故か低いし…使えるスキルが一個もない!!!なんでだ!!俺は特別なはずだぞ!!)」
盗賊「どれどれ…なんだよお前文無しか!!使えねぇな!!!」
そう言うと盗賊は去っていった。
石視「ああ~腹立つ!!クソ…俺はどうすれば…」
石視「ん?あれは…」
石視は水を汲みに来た村娘を目をつけた。
石視「クソッ…こんな世界に転生しちまったんだ…少しは好き勝手してもいいよな?腕力なら女に負けることはないだろうしな…グフフ」
石視は、人として最低なことを考えていた。
ガシィッ!!!
石視が後ろから村娘を掴みかかる。
村娘「何!?誰!?」
石視「おとなしくしろ!こちとら最悪な目に遭いまくってんだ…少しくらい楽しんでもいいだろ!」
村娘「いやあっ!!」
謎の男「その子を離せ!!」
石視「あん?」
瞬間、石視は頬の激痛と共に殴り飛ばされる。
謎の男「大丈夫だったかい」
村娘「ありがとうございます…あの…何かお礼を…」村娘は涙ぐみながら言う。
謎の男「そんなのいいさ!おいらはやりたいことをやっただけさ!」
村娘「で、でも…」
謎の男「じゃあお礼に、おいらの名前を覚えていてほしい!おいらはゼアル!この男は王国兵士に引き渡しておくよ!じゃあね!」
村娘「ありがとうございますゼアルさん…名前…忘れませんからね!」村娘は笑顔でゼアルを送った。
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