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ホッカイドウ支笏湖〜復活の暴君〜

ホッカイドウ支笏湖〜復活の暴君〜


ウラシマ事件からいくらか時が過ぎた。


バイオ桃太郎は北海道、支笏湖に向かっている航空機の中にいた。彼は無事だった!

なぜなら液状化の能力は、物理的な衝撃、熱、毒など全て無効だからである。


さて皆さんは、北海道の支笏湖(しこつこ)をご存知だろうか。非常に綺麗な湖で、湖底には切り立った崖のような地形が広がる神秘的な観光スポットでもある場所だ。


しかし、今回はウラシマ事件の余波により大量のガンマ線などが発生し、支笏湖に異変がもたらされたのだ!


そう、先程紹介したように、太古の昔マグマが冷え固まってできた地形が、湖底にあるというのは広く知られた事実であるが。そのマグマの中にティラノサウルスが眠っている事は、ほとんどの国民に伏せられている。

その恐竜が、大量のガンマ線によってパワーアップして復活したのだ。ガンマティラノサウルスとして!


水中を泳ぐその姿に、支笏湖水中遊覧船の乗員が、いち早く気付き、首相官邸に手紙を送った。そしてバイオ桃太郎が討伐に向かわされたというのが、今回の事の顛末である。



……



ざばあ!


ついに支笏湖から、ガンマティラノサウルスが姿を現した。復活したばかりで空腹であるこの怪獣は、手近なお土産売り場から順番に襲撃し始めたのである。


ドォンドォンドォン!!

ぎゃおおおおおん!


被害の拡大防ぐために、ネオ北海道猟友会のメンバーが戦いを挑んだ。


「効かないぞ!ヒグマをも一撃で倒すライフルが効かない!」

「ぐわああああああ!」


どぉん!


鉄砲の弾を受けてなお無傷の怪獣は、ネオ猟友会のメンバーを次々に踏み潰した。

まさに地獄!この世の地獄である!


しかもガンマティラノサウルスはガンマ線の影響により、ベジタリアンと化している。このままでは、ゆめぴりか(北海道のお米)が狙われるのは明白である。


ごおおん!

怪獣の踏みつけ攻撃を受け止めて、見得を切る者が現れた。


「俺に任せろ!!」


そう飛び出て来たのは、対ヒグマ用アーマー(アイアンヒグマ)を着た青年である。道民達の顔に安堵が広がる、アイアンヒグマが来てくれた、そういう安心感である。


「うおおおおおお!!!」


ああ、しかしアイアンヒグマは冬季戦闘用のスーツ!夏には機動力は十分の一になってしまう。自慢のネオアイゼンも夏場は無用の長物である。


ピカッ!


その時ガンマティラノサウルスの口から閃光が放たれた!あぁっガンマビームを受けたアイアンヒグマは溶けて死んでしまった!


道民の顔に落胆が広がった。もはや絶望か、そういう風潮になった。しかし、希望は失われてなどいなかった。


きらりと上空が輝き、バイオ桃太郎がガンマティラノサウルスの眼前に降り立ったのだ。


「俺はバイオ桃太郎!悪逆の限りを尽くす暴君竜、成敗して……!!」

「ぎゃあおーん」


ぶうん!卑劣にも前口上の途中で、怪獣の尻尾が振るわれた!どん!という鈍い音と共に、バイオ桃太郎は吹き飛ばされた。


「ごふっ」


口からは鮮血。バイオ桃太郎は内臓破裂の重症を負ったのだ。ふらふらと頼りない足取りになってしまった。


その時だ。桃太郎はちらりと、無残に溶けたアイアンヒグマを見た。その瞬間、彼の怒りが爆発し、頰を涙が伝った。

そうだ、我らが桃太郎は自分の怪我など意に介さず、仲間のために怒る真の英雄なのである!


怒りの第二形態が姿を見せた。

そしてバイオ桃太郎は液状化の特殊能力により、怪我が全て完治した。


「うおおおおおお!」


岡山県ではメジャーな桃太郎ブレードが炸裂した。哀れ、暴君竜は真っ二つである。

しゃきんと、刀を鞘に収めた。


「ガンマティラノサウルスよ6500万年前に還るが良い」

「ぐえー!」


どぉーーん!

そして、真っ二つになった恐竜は爆発四散した。怪獣が死ぬときは、爆発するのが伝統であるからだ。


「「「うおおおおおおおお!!」」」


それを見た道内の全ての人間、ヒグマ、エゾシカが歓声を上げる。

またしても、バイオ桃太郎は日本国を救ったのだ。しかし悪は滅びない、我が国の危機が訪れる度、彼は立ち上がるだろう!


ありがとう、バイオ桃太郎!

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