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オキナワ怪獣決戦

続 バイオ桃太郎vsサイボーグ金太郎vsミュータント浦島太郎 〜オキナワ怪獣決戦〜


その日、沖縄県は震撼した。青い海をぱかりと二つに割って、巨大な二足歩行の亀の怪獣が姿を現したのだ。

その姿を見た県民は、畏怖を込めてこう呼んだ「亀の怪獣」と。


沖縄県沖に突如として現れた巨大亀怪獣(全長50m)を迎撃するため、各島の盟主達が集まり、会議を行った。その結果、ネオ石垣島のサーフィンショップで太古の昔より開発していた兵器を使う事に決まった。

それは、ジンベイバクダン。無数のサーファー達の魂が込められた、唯一無二の水上兵器である。


時を同じくして、首相官邸でも「亀の怪獣」の対策委員会が結成され、ネオ自衛隊達はその作業に追われていた。

そして「亀の怪獣」にミサイルを打ち込んで、採取した破片をDNA解析した結果、この怪獣はミュータント浦島太郎の成れの果てである事が判明したのだ。


なんと言う悲劇!

日本国を救うため、犠牲になったあのミュータント浦島太郎が、核エネルギーを溜め込み、怪獣となって復活してしまったという。

そして暴走状態にある彼をコントロールする事はもはや、不可能。


沖縄県知事と総理大臣のラインでの話し合いの結果、亀の怪獣はやはりジンベイバクダンでの処分に決まった。


事態は緊迫している。

もしも沖縄本島に上陸して、亀の怪獣が本島の全国的に有名な水族館にまで到達すれば。亀以外の全ての魚達が食べられてしまうだろう。

もしそうなれば、我々はどこにジンベイザメを見に行けば良いと言うのだ。もはや一刻の猶予も許されない状況である。


サーファー達は、ジンベイバクダンの組み立てを急いだ。ジリジリと照りつける日差しが、身体を小麦色に焼いてくる。もはや時間との勝負だ、日焼け止めが効くレベルでは無い。


「ぐあああ!」「ううっ!?」悲鳴が聞こえる。屈強なサーファー達でも難航する、組み立て作業。サンゴで足を切って脱落したもの、熱中症で気分の悪くなったものなどが続出した。

しかし多数の脱落者を出す中、ついにサーフボードの上にジンベイバクダンを取り付ける事に成功した。


見事、見事である。

ジンベイザメを模して作られたフォルム。まるで、可愛い浮き輪とも見間違えそうな出で立ち。

完成したジンベイバクダンをF35に載せて、討伐隊に選ばれたバイオ桃太郎がネオ石垣空港から出発した。数分で「亀の怪獣」の上空に到達する。


「無念、無念だ。ミュータント浦島太郎」


そう言って操縦桿を握りながら、桃色の涙を流した。彼は仲間思いなのである。


「先に地獄で待っておれ!」


カチリ。ボタンを押すと、F35からジンベイバクダンが投下された。ひゅっと風を切って、飛翔する爆弾。

それが、亀の怪獣の甲羅の上に落ちた。


ごとり。


ああっ!

しかし、なんと言う運命のいたずら。ジンベイバクダンは不発であった。それを見た桃太郎は、全てを悟った。


「総理大臣。ジンベイバクダンは不発だった。俺が、今から直接起爆に向かう」


通信を立ち上げそういうと、腰の桃太郎ブレードを確認した。大丈夫だ、忘れずに持ってきている。


「なんだと!やめろ!日本国の存亡は君にかかっているのだぞ!」

「浦島の無念を晴らせるのは俺しかいない、世話になった。通信終了!」


バイオ桃太郎は、一つの躊躇もなく、非常用の脱出ボタンを押して、空中に飛び出した!

ごおおおおお!!


風を切る轟音。まるでハヤブサになったかのようだ。


「ぬああああああああああああああああ!!!」


大きな声で叫びながら、「亀の怪獣」の甲羅の上のジンベイバクダンを叩き切った!

刹那、ぴかっと辺りがまるで昼のように(現在時刻は午後二時である)照らし出された。


一瞬遅れて、壮絶な轟音と熱波!

どおおおおおおおおおん!!


ジンベイザメの色の水柱が、盛大に吹き上がった。無残にもバイオ桃太郎ごと、ミュータント浦島太郎は爆発四散した。


はるか遠くからその様子を見ていた沖縄県民は、みんな立ち上がって拍手したと言う。後日、ネオ日本テレビで、その様子が中継されていたので疑いようの無い事実である。


「「「バ・イ・オ! バ・イ・オ!」」」


地を揺るがさんばかりのバイオコールが巻き起こった。


「「「バ・イ・オ! バ・イ・オ!」」」


この事実は現地の新聞で、一面に載ったという。そして、子々孫々に語り継がれたそうだ。



ありがとうバイオ桃太郎!

さようなら、バイオ桃太郎!!

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