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閑話:アルバード&モニカ

「パパー!」


アルバードに飛び込む幼女、娘のアリナだ。


「ただいまー、今日も良い子にしてたか?」


「うん!」


抱き上げ頭をガシガシなでるアルバード、奥からパタパタと玄関へ向かってくる足音がする。


「おかえりなさい、あなた」


「ただいま、今日は懐かしいのに会ったぞ!」


玄関に来たのはアルバードの奥さんでカリナだ。2人は同じパーティーで結婚とアリナが産まれたのを期に冒険者を引退した。

カリナはたまに冒険者ギルドの臨時職員をしている。


「あら、女?…浮気なら容赦しないわよ?」


「ちっ、違う違う!?あれだ!ユリがギルドに来たんだよ」


疑いの目を向けられたじろぐが、すぐにユリの事を話し、誤解は解け昔話に花が咲く。


「…ユリちゃんも、やっと前を向いて歩き出したのね……」


「それはどうだか解らんが、冒険者に戻って来たんだ…しかも新人3人だ、楽しみだ!ガハハッ」


「楽しみね!モニカの弟々子…妹弟子達かしら?」


「どっちでもいいだろ!ユリの鍛え方だ、まず中途半端な奴には成らない…モニカの様にな♪ガハハッ」


アルバードとカリナはしばしば笑い合い、アリナが欠伸をしてうとうとするまでユリ達の話しで盛り上がった。






パタンッ


毎日付けている日記帳を閉じ、机に頬づえをする。


「…はぁ〜」


深いため息をこぼし項垂れる彼女は、窓に映る自分に言い聞かすように話す。


「…なんで、ユリさんに話し掛けないんだモニカ……10年ぶりだぞ…バカ……」


誰も居ない部屋で自分で自分を罵る。


「……ずっと、会いたかったんだろ?……謝りたかったんだろ?…なんで言わないんだ、バカモニカ……」


何故?なんで?と自分が情けなくなり、会えた喜びが表に出て来ない。

モニカは昔から感情が豊ではない、どちらかと言うと無愛想で天の邪鬼でそして泣き虫だ。

そんな性格だが、ユリと居たときは何とかやってきた…いやユリが色々と世話を焼いてくれたからやってこれた。


ユリが居なくなってから3年くらいは大変だった。意志疎通は皆無、話し掛けられても無愛想、すぐに癇癪を起こす問題児で、アルバード達にパーティーへ誘われなかったら、ふてくされてソロでふらふらと問題ばかり起こしていただろう。


ユリはそれをわかっていて、『3年くらいでアルバード達のパーティーへ入れてあげて欲しい』と頼んでいて、それをモニカが知るのはユリと同じく冒険者を辞める時に、アルバード達から聞いたのだ。


「……明日、謝ろう……ありがとうって…言う……」


ペチペチッ


モニカは自分の頬を叩いてベッドにダイブする。

枕にむかって明日の練習をしながら夜は深まっていく。






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