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勇者、駄々をこねる。魔王、仕方なく付き合う

作者: グッチ3

「長い冒険の果に、ついに追い詰めたぞ、魔王!」


「光の勇者フェンリルよ…わざわざ俺に殺されに来るとは愚かだ」


「ほざけ、魔王軍とやらもお前一人なのに大した自信だ。クソ野郎、この世をされ!」


ザシュ!


「ぐわあ!やられた!…と思ったか間抜け」


「?!何だ…力が抜けて…」


「奪ったのだ。お前の【光】を」


「?!」


「生まれながらの光の加護。それを持ちしものは誰よりも恵まれた力と勇気を持つ。しかしそれを私が奪った。だからお前はこうして足が震えて動くことすらままならない」


ガタガタガタガタ


「くそ…何なんだこの気持ちは…これが恐怖!」


「さあ!恐れおののくがいい!」


「うわああああ!助けてよママーー!」


「駄々っ子かー!もっときちんとした怖がり方あるだろ!大の大人が気持ち悪いぞ!」


「だってぇ、怖い顔のおっちゃんがぁ」


「おっちゃんゆうな!」


「びええええん!!!」


「ああもう泣くな!飴ちゃん食うか?ん?」


「…!食べる!」


「すごいキラキラした目だね。光奪う前よりすごいキラキラしてるね。」


「あーんして!あーん」


「…はい、あーん……って!手!舐めてるから!汚いから!」


「飴ちゃん、美味しい」


「よかったねー」


「おっちゃん、まずい」


「そりゃそうだ!」


「ねぇ、おっちゃん。遊んで!」


「へ」


「遊んで遊んで!」


「嫌だ!なぜ、憎きフェンリルと遊ばねば」


「びええええん!」


「はいはい!遊びますよ!フェンリル君!何をすればいい?」


「魔王ゴッコ」


「はいはい俺が勇者ねってあんたが魔王かい!」


「跪け、猿ども(イケボ)」


「くっこれ以上あんたの思い通りにはさせない!喰らえ!なんとかスラーシュ」


「効かぬ。魔王バリア、そして魔王ストームファイアー!」


「ぐあーやられたー!……勇者やられたよ?!それでいいの?人類終わるよ?」


「みんな僕のペットだから大丈夫!えへへ」


「なりきり過ぎだよ!俺もそこまでの言葉口にした覚えないよ!…そういえば来たときからすごい口悪かったよね!それかー」


「おっちゃん」


「どうした」


「すきー!お兄ちゃんみたい」


(ドキっ…何なんだこの気持ちは?胸の辺りがきゅんとくる!)


「…なぁフェンリルよ」


「なあに?」


「これからも仲良くしてくれるか?」

(何を言ってるんだ俺は…)


「…うん!おっちゃん!友達になろ!」


(こんなに純粋な気持ちは…生まれて初めてかもしれない。人の気持ちなんて考えたことが無かった。人の言葉で言うなら、愛おしい…か)


「次は隠れんぼ!広いから隠れるの楽しそう!」


「そうだな」


「10数えたら来て!」


「ああ」


(遊びが終わったら一緒にご飯でも)


ザシュ


「?フェンリル」


数えることを辞め、フェンリルが飛び出た扉をくぐった。仲間だったスケルトンがいた。その足元にフェンリルが眠っていた。


「魔王様、勇者フェンリルのスキをつき、討ちとりました!」


「そうか…さがれ」


「は!」


スケルトンが見えなくなッた後、亡骸につぶやいた


「…仲良くしよう…友達になろう…それがお前と俺の約束の言葉。友情の証。そして俺の心。…なぜ死ぬんだ!消えないでくれ!俺はこんなのを望んでない!!」


溢れたのは涙。悲しさで流した涙だ。涙の先に一つの決意をした。


「ならば…この【光】をお前に返そう」


ぴか!


「うっ…貴様は魔王!」


「起きたか?俺の心臓はお前の目の前だ!さあ来い!フェンリルぅぅー!」


「舐めやがって!糞がー!」


ぴた


「何故刃を止める」


「舐めるな。俺が友と認めた奴を。殺すわけ無いだろー!」


「!」


「また懲りずに遊びに来てやるよ!ゲームを増やして待ちやがれ!」


「フェンリルぅぅー!びええええん」


「おっさんが気色悪い泣き方するな!」


こうして世界は平和になりました!

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