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第九話 狼男

あまりにも突然すぎて、全く動けなかった。胸がドキドキしてる。…全く動かない。死んじゃった…かな?

恐る恐る近づいてみると、まだ息をしていた。寝ちゃったんだ…。


さっきのドアは消えちゃって、元の壁に戻ってた。この人は何しにきたんだろう…。訳がわからなくなってた。


ただ、初めて他の人間を見た嬉しさがその時になってやっと感じてきた。でも、この人仮面してて、素顔が見えない…。…見たい。他人第一号なんだもん。でも、起きないかな…。


結局、その誘惑に勝てなかった。仮面の横側には前後を止めるフックがあった。思い切って開けて、仮面をとってみた。かなりドキドキ…してたんじゃないかな。


ただ、開けてみた瞬間、びっくりした…。え?…。マスクを持ってた手を離しちゃって、マスクが床に落ちちゃった。


そこにあった顔は今まで写真で見てきた人の顔と全然ちがってた。


犬…というより、狼のようだった。真っ黒な毛。


今日見たばっかりだったからわかる。見たのはもっと白かったけどね…。間違いなく狼だよ。


恐る恐る触ってみたら、ふかふかだった。


とっても触り心地がいい。こんな人もいるんだ。外の世界に初めて触れられて、すごく嬉しかった。


でも、こんなことしてたらいけないよ。ケガしてるんだから。応急手当の方法はならってたから。包帯はシーツを裂いて代用する。キズ口を洗って、脚と腕に包帯を巻いた。血は止まってたから、もう大丈夫。


それから、ずっと顔を見てた。なんだか…可愛いんだもん。最初は怖かったけど、寝顔は子犬みたいに見えるからかな。…なにしに来たんだろ?

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