表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/173

第八話 儚い希望

爆音が響いた後、扉を開けようとしたが、開かない。鍵がかかっている。チッ、はめられたか…。この扉しか外に繋がっていないというのに…。これでは本当に逃げ道がない。何かあるはずだ。


辺りを見渡したがこの部屋には中央にコンピュータがあるだけだ。他に何か…。そのとき、通気口から煙がもれていた。眠らせるつもりか…。本当に追い詰められた。


…ガスが効いてきた。


…目が霞む。


捕まる訳にはいかない…。

だが、このままでは…。


壁にもたれかかった、その時だ。…壁が動いた…感覚があった。気のせいかもしれない。だが、もう他にすがるものがない。

今にも切れてしまいそうな意識をどうにか保ち、起き上がって、何もないただの壁を押した…。


長い間使われていなかったのか、初めは固かったが、開き始めればそうでもなかった。


「…通路…」


暗い一本道だった。奥によわよわしいが光が見えた。俺にとってはまばゆいばかりに輝く希望の光だった。もし隠し部屋であれば、奴らも知らないかもしれない…。扉を閉め、俺はその光へ歩きだした。


なんだか今日は地震が多いなぁ。


ノアのデータにある、『金魚』っていう魚が水のなかをスイスイ游いでるのを眺めながら、そんなこと考えてた。


今日は『生き物』について勉強した。あれ?…『生物』って短くするんだっけ?どっちでもいいよね。『イヌ』とか『ネコ』とかいろいろなホログラムを見ながら、遺伝とかいうものを学んだ。触れないからよくわからないけど、抱いたらふかふかで気持ちいいんだろうなぁ。今はこの『金魚』っていう子がお気に入りなんだぁ。


『ソロソロオヤスミクダサイ』


…そう言われたら、眠くなってきた。今日も変わらない一日だったよ。これから寝よっと、とベットに飛び込んだ、その時だった。


“ガシャッ”


何の音?って思って、聞こえた方を振り返ったら、見たことのない光景があった。


ちょうどベットが置かれてるのと、反対の角の壁が…開いた?その奥は真っ暗でなんにも見えなかった。

…出られるの?嬉しくなったけど、すぐに嬉しさも消えてしまった。中から人が出てきたんだ。


恐かった。巨人みたいに大きいし、戦争の映像で見た血だらけの兵隊みたい…。だけど、その人はすぐに大きな音をたてて倒れた。…ドアが閉まった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ