第七話 追撃
「追い詰めたぞ!さっさと投降しろ!」
さあ、どうでる?
その奥は資料室だ。データ管理用のコンピュータがあるぐらいで、窓のねぇ部屋だ。通気口ぐれぇはあるが、ばかでけぇてめーじゃあ入れねぇよ。逃げるために役立つようなもんはねぇぞ!
やつは姿を隠しながら撃ってきた。ショットガンなんてシブイもん持ってんなぁ、と思ってたら、ちがう。霧みてぇに弾が飛び散るくせに、威力はショットガンそのものなんだからよ。反則じゃねぇか。
通路を隙間なく覆うその銃弾は俺たちの前で吹きとんだ。残念だったな。さっき撃った後、すぐに強化防弾ガラスをひかせてもらった。ここのセキュリティはスゲーなこんなもんまであるだなんてよ。しかも、別電源だから、停電なんて関係ねぇ。
何発か撃って諦めたのか、撃つのをやめて、通路の奥に行ったみたいだ。ガラスを解除し、通路まで追いかけた。
右の通路の方を覗いた瞬間、アイツが撃ってきた。
あぶねぇ。撃ってくることは想定内だからかわせたが、ギリギリだった。どうやら、ドアを盾に撃ってやがるみてーだ。
こっちも応戦した。資料室のドアは硬いから、銃弾は貫通しない。それじゃあ、意味ないじゃないかって、思ったか?だけどな、当てることが狙いじゃないんだよ。
手榴弾を投げると、アイツはドアを閉めた。そう!こいつが狙いだ!資料室のドアは電子ロックなんだが、中に人が入った状態でドアを閉めると、
ロックがかかる仕掛けになってる。しかも、さっきも言ったが窓なんてないし、外部との連絡もできないよう、電波を通さない壁で囲まれてる。あとは通気口から催眠ガスを流せばおしまいだ。