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第四十五話 治療の合間に

ふと気がつくと、私はベットにもたれていた。片付けてた時に疲れて寝ちゃったみたい。もう日付が変わってた。あちゃー。まだ全然片付いてないよ。


とりあえず、部屋全体を見渡そうとすると、私にかかっていた毛布が落ちた。落ちるまで気付かなかったの。無意識に自分でかけたのか…それとも、…。


どっちでもいいや。とにかく、もう遅いから、簡単にまとめて置いておいて、片付けの続きは明日にしようと思って片付けてる最中だった。


“チン”


確か…エレベータが着いた時の音。誰が上がってきたんだろ。


気になったけど、眠気が勝っちゃったから、そのまま片付けを続けた。だけど、


“ドサッ”


何かが倒れる音―ドアの向こう側からだからエレベータの方から聞こえたから、何事!って思ってドアを開けちゃった。


エレベータの前に行ったら、見たことある光景が映った。


狼さんが倒れていたの。それも初めて会った時とほとんど同じ形で…。ちょっと違ってたけどね。


またケガをしてたの。今度は右の肩に。前と違って今回はすぐに起き上がった。


「大丈夫?」


『大した事ない。』


肩に穴空いてる人が何言ってんのよ。狼さんはケガばっかりするんだから。ほら、足もフラフラじゃない。


「また診てあげるよ。」


そしたら、やっと狼さんとお話しできるしね。もう眠気も吹っ飛んじゃってた。


『…いや、…』


「人の好意をムダにする気?」


トーイッシュのお姉さんが使ってた言葉。こう言えば大抵相手は言うことを聞くんだって。


『…わ、わかった。頼む。』


さっすがナーシャさん!


…とりあえず、狼さんの部屋に行った。治療道具はそれなりにあったからあの時よりはまともな治療が出来るって自信があった。


まず、キズ口をしっかり見たいから上全部脱いでもらった。今さらだけど、狼さんって大きいね。両手伸ばしてなんとか肩幅と同じくらい…ちょっと大きすぎるかな…でも、それくらいに見えるよ。あと、身体中キズ後だらけ。いろんなところにいろんなキズがあるの。一体、どこからもらってくるんだろうね。


「キズだらけなんだね。」


まぁ、気になっちゃうよね?ストレートに訊いてみた。


『まあな。』


…そんな答え求めてない。もっとストレートな方がいいのかな?


「なんでこんなにキズだらけなの?」


右肩のキズ口を縫いながら訊いてみた。麻酔いらないんだって。痛くないのかな?というか毛が…フサフサだから縫いにくい…。


『そうゆう仕事なんだ。』


「仕事?そんなに危ないの?」


『…いつか見せてやる。』


今は内緒なの?教えてくれたっていいのに。そんな危ない仕事見たくないなぁ。

静かに治療を続けた。

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