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第二十三話 翌日

『狼ちゃ〜ん。朝ですよぉ。』


ファイルを読んでいたらいつの間にか寝ていたようだ。朝になっていた。


『朝ごはんですよぉ。』


相変わらずの口調で相棒が叫ぶ。人の何倍もの聴覚を持っている俺にとってただの騒音にしかならない、と言っているのに…。目覚めが悪い。これ以上叫ばれると厄介だから、しぶしぶ飯を食いに行った。


306号室は食堂のように改築している。厨房には冷蔵庫や一通りの道具を揃えているが、ほとんど使っていないので新品どうようである。いつも保存食ですましているからだ。


今日もそんなものだろう。


部屋を出たとき、違和感を感じた。なぜかいい匂いがする…。ここに来てから嗅いだことのない匂い。その匂いにつられるように部屋に入って行った。


…………。


頭が働かなかった。


テーブルの上にはまるでレストランで出される料理のようにきちんと盛り付けられた料理が並べられていた。


『びっくりしたっしょ。全部あの娘が作ったんだよ。』


あの娘の存在をすっかり忘れていた。先に飯を食っている相棒に言われてやっと思い出した。昨日俺が連れて来たんだった。


厨房を見ると、道具を片付けけていた彼女と目があった。


『おはようございます。』


「…ああ。」


確かに昨日、料理もできる、と言っていたし、別に料理ができる娘なんて珍しいわけではない。俺が驚いたのはまともな料理がここにある、ということだ。何年ぶりにまともな飯を食べることになるのだろうか…。


『はやくたへないほへんふたへるほ。(早く食べないと全部食べるぞ。)』


「馬鹿が。そんなこと許すか。」

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