第二十一話 家族
ドアを開けると、ベルがなる。その音を聞いてドタドタドタ…と走ってくる足音が聞こえる。
『お帰り!ジェイク!』
「おう!今帰ったぜ!」
俺のガキたちだ。とはいっても血が繋がってる訳じゃねぇんだけどな。全員孤児ってやつだ。引き取り手のない奴を集めていったら、孤児院みてぇなことになった。今じゃこれが俺にとって一番守りたいもんだ。
『今日はジェイクの大好きなカレーだよ。』
いつも元気で、活発なガン。怪我ばっかしてくんだよな。木から落ちて足折ったこともある。ただ、そん時は笑って『大丈夫、大丈夫!』なんて言ってたっけな。
『今日は何処のお偉いさん守ったの?』
イタズラが大好きなスーエン。いつも答えれないこと知ってて訊いてきやがる。
『見て!昨日ね、ジェイクの絵、出来たの。』
絵が好きなファム。ちょっと人見知りがあって、心開いてもらうのに一番時間かかったなぁ。中に入って行けば、広いリビング、対面式キッチンがある。だいぶでかく作ったんだが、こいつらと一緒だとまだまだ小さかったよ。
『お帰り。今用意するから。』
一番年上のレイン。俺がいないときはレインがみんなを引っ張ってくれる。料理とかメチャうめぇ。
『おかえり!』
『おかえり!』
レインの隣で皿洗いしているのは、双子のエルンとバンツ。エルンが姉でバンツが弟。気弱なバンツをエルンが引っ張ってるから、二人はスゲェ仲がいい。
「ん?カイは?」
『まだ寝ねてるよ。』
んで、最後に一番年下のカイ。素直で笑顔の絶えなくて、周りをいつも明るくしてくれる。
これで俺の家族は全員だ。家の中はいつも騒がしくなったな。最初は静かだったのに…。




