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第十四話 相棒

『…それでぇ、連れて来ちゃったと。』


逃走後、俺は彼女をつれて隠れ家に戻ってきた。一旦、別室に入れ、相棒に手当を受けながら全てを話した。手当と言ってもこんな身体だ。医者に診てもらうなんてこと不可能だから大したことないものだ。…しないよりはマシだが。


『俺はもちろん歓迎するよぉ。男二人で華のないむさくるしい生活とおさらば出来るからねぇ。でも、狼ちゃんも丸くなったもんだねぇ。』


皮肉か…。相棒以外にメンバーを加えない、と言い続けていた俺自身が連れて来たんだ。当然か。


『でもさぁ、そんな世間知らず置いといてどーすんの?お勉強してたお嬢ちゃんなんて、俺達にゃ必要ないじゃん。』


…その通りだ。相棒は腕のたつハッカーだ。本気をだせば国の情報機関に侵入し、見つからずに情報を全て吸い取ることができるくらいだ。知りたい情報ならどこからでも盗み出せる。彼女の知っている程度の知識など比べようがない。


「だが、あんな場所に幽閉されていたんだ。何かあるのかもしれない…。」


苦し紛れだ。相棒は強気の態度を変えたりしなかった。


『じゃあ、あの嬢ちゃんに訊いてきなよ。こっちはこっちでやっといてあげるからさぁ。…はいっ!治療終わり。』


相棒は俺達が戻って来たとき、彼女の髪を取っていた。D.N.A.で、誰なのか探すのだろう。コンピュータの方を向いて何かし始めた。俺はそういうのは弱いから何してるかなんてはっきりしない。…仕方ない。彼女と話してくるか…。

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