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第一一九話 ブリーフィング

ホラーものの短編も始めました。

想いの調べ

http://ncode.syosetu.com/n4328h/

ブログ

http://emeraldnightsky.blog45.fc2.com/

「…。」


画像ファイルに写っていた地図をかれこれ三十分ほど睨み続けている。いつもは侵入プランごと渡されるため、その通りにしかしてこなかったため、いざ自分で考えてみようとしても、どうすればいいのかわからない。


何よりも、最後が最大の障害なのだ。ターゲットである人物、データの両方があるとされているその部屋に入るためには中の人間からの許可が必要になる。まず、小さな小部屋に入り、そこで連絡を取る。まず、小部屋に入り連絡を取る。中にいる人間の許可を得ると扉が開き、十メートル程の人が二人並んで歩ける幅の廊下が続く。そこで金属探知をされ、それがパスされると、扉横のカードリーダーにカードキーを通してやっと入る事ができる。


友人の家を訪ね、上がらせてもらう。

丁度そんな感じだ。

中に誰もいない場合は金属探知とカードキーのみであり、侵入は簡単であるが、そんな状態は有り得ないよう交代に研究員が出入りしている。騒ぎを起こして、逃げ出したところを押さえる、というのも不可能である。銃弾程度ではビクともしないような扉が二枚も続いているのだ。中にいたままの方が安全なのは言うまでもない。どうにかして侵入するしかない。


″リリリリリッ″


着信…、相棒からだ。


「どうかしたか?」


『いやぁ、なんでPC使うのかなぁって思ってねぇ。』


さっき簡単に説明したんだが、まあいいか。


「上からディスクが送られてきたからそれを見るために使わせてくれ、だ。」


『ふ〜ん。内容はぁ?』


何故かは知らないが、機嫌は直ってるようだ。俺とは違う事で何か頭にくる事があったんだろう。


「いいのか?」


『大丈夫、今は盗聴されちゃいないから。』


「そうか。俺の身体を変えた奴らが見付かったらしい。」


聞かれたから答えたものの、あまり言いたくなかった。相棒の目的の前に俺が目的を遂げるのを良くは思わないはずだからな。


『へぇ〜。』


少し声が震えたように聞こえた。また怒りが表れたようだ。正直ここで電話を切りたかった。だいたい予想できたからな。


『…面白そうだねぇ。俺にも手伝わせてよぉ。』


「ああ。…ん?」


皮肉を山のように言われるものと思っていた。それがまたどうしてそこまで協力的なんだ?


『なにぃ?そんなに予想外だった?俺は単純にその顔じゃなくなるなら、よろこんで手伝うよぉ。』


そういう事か…。それでも相棒が手を貸してくれるのはありがたい。


「ありがとう、助かる。」


『じゃあさっさと戻ってよねぇ。データとかって今見てるよねぇ?』


早速向こうからキーボードを叩く軽快な音が聞こえてきた。


『トーイッシュは何してるの?』


離れて様子を見ていた彼女が尋ねてきた。声の大きさからして、俺に対してのようだ。


「向こうに置いてあるパソコンとここのを繋げて動かしてるんだ。」


返事を聞く前に相棒の作業が終わったらしく、悲鳴のように声をあげた。


『えぇーっ!!情報少なくないぃ?今度かけて着たら文句言ってやるぅ。』


いつもは完全に相棒に任せていたデータ管理。だから、俺が見たところで多いのかどうかわからなかった。


「そうなのか?」


『そうだよぉ。だってこれだけじゃ、どこにハッキングしたらいいか、とかわからないじゃないかぁ。』


「会社名なら分かるぞ。″サイテックス″。反重力システムの核を造っている会社だ。」


カードキーにロゴが描かれていたからな。


『ああぁ、最近コアの小型化に成功したとかでニュースになってたとこぉ。それで調べてみるかなぁ。』


またカタカタと軽快な音が聞こえてきた。少し待てばいいか。


『狼さん…。』


「ん?」


彼女が近づいてくる音が聞こえる。


『私も…何か手伝わせて!』

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