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勇者への手引き〜一人前の勇者までの道のり〜  作者: コゲコゲ
第1章 パンタシアムンドゥス
19/19

p18 休息

「はい、ではこちらがドラグーン52体の討伐報酬になります」


そう言って手渡された頭陀袋には金貨が十数枚と銀貨が数枚入っていた。

やはり、難易度が少し高いだけあってカエル型モンスターよりは報酬がいい。

っていうかあの爬虫類型モンスターの名前ってドラグーンっていうのか......

報酬をもらった際に色々聞いたのだが「終末平原」という名は昔悪さをした魔物が封印されているがゆえに名付けられたものらしい。

モンスターのレベルは、はじまりの森よりかはいくらか強いが、今の俺たちにとっては倒せない相手ではない。

......ほかの冒険者がなぜこっちの方へ来ないではじまりの森ばかりに行くのかはわからないが。

とりあえず一度拠点に戻り、今日はもうゆっくりするとするか。シャラにも同意を取って俺たちは部屋へと帰った。




「あ!丁度いいですしちょっとショッピングに行ってみたいです!」


シャラがそう言ったのは帰宅してすぐのことだった。

確かに、この町をあまりよく知らないな。たまにはのんびり探索ってのも悪くないかもな......が。


「ごめんな、シャラ。俺今日はちょっとやりたいことがあってさ。悪いけど一人で行ってきてくれないか」


「そうなんですか?それじゃあ行ってきますね!」


そう、俺はまだ自分でも自分のスキルについてまだよく知らない。

戦闘に生かせるかもしれないしスキルについては研究しておきたかった。

シャラを見送った後、俺は早速自分のスキルについて研究を開始した。


「まずは運、だよな......」


名前からして恐らく幸運値とかそういうものに関与してくるのだろう。

流石にスキルで悪運が上がるなんて考えにくいしなぁ。

ドロップ率が上がるとかそういうものかな?

それにしては芋虫もドラグーンも何もドロップしなかったが。

いや、待てよ。スキル発動の条件って確か詠唱だったよな?

なら、こいつもまだ発動してないんじゃ......


「運!」


......。

...........。

...............。

何も起きない。いや、ほんと何なんだよこれ。

え、まじで何もないの??まじで?

ちょっとは期待してたんだけどなぁ......

ま、まぁ、他のはさすがに使えるだろうし?願掛けみたいな感じだと思えばいいし??

そうやって自分を誤魔化しながら次のスキルを発動させた。


「技術!」


......。

知ってた、知ってたよ。

名前からしてそうだもんな!わかってたよ!くそがっ!!

とりあえず目の前にあるテーブルに向かって使ってみた。

使った瞬間に頭の中に作り方や使用方法が流れ込んできたのだ。

......きたのだが。


「......材料がねえよ」


そう、作り方が分かっても材料がなければどうしようもない。

これでは緊急時に使えないじゃないか。

いや、使い方によってはうまく使えるのか......?

まぁ、どちらにせよ材料を集めるという課題は残る訳だが。

せめて、必要な工具が出てくるとかそういうのが欲しかったな。

いつも工具を持ち歩くわけにはいかないしな......


「さて、次は透視だが.....」


これはもう良いだろう。物を透かしてみることが出来るスキルだな。

一見便利そうだが練習が足りないのか細かい調整が聞かない。

誰のとは言わないが骨が見えたしな。その少し手前で止まれっちゅうの。

要練習。いざというときには使えるかもしれない。


「数値化、これも使い方によっては使える......のかな」


これは、実は初日に一度使っている。

その名の通り物の耐久値などを目視できるようにするスキルだ。

ちなみに人に使うとスリーサイズが......いや、何でもない。

これは色々なところで使えそうだな。例えば敵の硬度を見たり距離を測ったり。

難しいのは発動するには対象を5秒凝視しないといけないことくらいか。

人に使うときは注意しないと不審がられるし、モンスターとかは止まってくれないから目で追う必要があるし、そもそも対象と俺の間を何か横切ったりすると失敗するし。

使いどころが限られてきそうなスキルだ。


「このファイアーってのもなぁ」


着火改めファイアーのおかげで戦闘はいくらか楽になったがまだまだ改善の余地がありそうだ。

せめて、ファイアーボールとかならもう少し強かったんだが。

今はまだこの灯油が手放せそうにないな。

ほとんどゼロ距離にしか使えないってのが一番使いづらいんだわこん畜生!


「そんでもってこいつだよな......」


最後はユニークスキル一の異端児、ランダム。

発動内容不明、使用時効果不明、有能的使用方法不明のある意味一番強く一番弱いスキル。

ファイアー攻撃の通じそうにない相手にはとりあえずランダムを撃ってみればいいと考えれば良いのかもしれないが、何が発動するのかわからないのが非常に厄介。

戦闘時に非戦闘スキルが発動しまくったりするしなんだよこのガチャ要素。

一度発動した絶対零度とか言うのは強かったけどまた発動するのは何時になることやら......

変なのが発動するかもしれないから迂闊に使えないってのも辛いよなぁ。


とまぁ、一通り自分のスキルについて考えてみたんだが、やはりというかなんというか俺弱くね?

というか、勇者なのに剣技的なスキルが一つも無いってどうよ?

魔王相手にランダムガチャバトルでも仕掛けてみるか?

あほだろあほ。そもそも新しいスキルを覚えられる条件ってのがよくわからねえな。

ファイアーが経験値を集めた時に覚えられたのは分かるが、スキル選択とかなかったしな。

とりあえず敵を倒していけばいいのか。

まさか取得スキルもランダムとか言うバカげたことはないだろうし.....

今はとりあえず戦闘を積み重ねていくしかないのだろう。


「なんもしてないのになんか疲れた......」


とりあえず今日はシャラの帰りを待ってまた明日から頑張るか。

なんだかんだこの生活にも慣れてきたしな。

魔王とやらもさっさと倒して英雄にでもなってやるか。

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