p14 そしてワールドへ
「今度の俺は一味違うぜ?ファイアーー!!」
たちまち、俺の足元から炎が敵集団へ近づいていき一気に燃え上がった。
後には黒い消し炭が残るのみ。
そう、俺はファイアーを戦いで有効活用することに成功していた。
別に俺のスキルが強くなったわけではない。
俺はただ、文明の力を使っただけだ。そう、『灯油』を…
その方法は、まず相手にぶっかけて、相手が走ってくる前に自分の足元まで繋げ、ファイアーをぶっ放す。
この間僅か3秒、まさに3秒クッキング!
え?なぜかわされるリスクを負ってまで自分の足元まで繋げるかって?
最初にやった時に自分まで燃えたからだよ…
と、まぁこんな感じで5体ほどのイモムシを倒し、これまた経験値を沢山もらった。
「よし、たいりょーたいりょー♪」
もうこれで30は倒しただろうか?
まだレベルは上がらない。
次の敵に使う灯油(あらかじめ水風船のような名伏しがたい何かに詰めてある)を胸ポケットにしまい、次の獲物を探しにまた森の中へ入って行く。
と、ここで気がついた。もう8時になりそうなことに。
俺は腕時計なんて持ってないから太陽から予想するしかない。
俺の予想ではもう8時になる。
まぁ、とか言ってこの前9時だと思ったら11時だったこともあるのだが…
まぁ、8時。8時でしょう。というか、8時が良いです。
そう考えた俺は1人帰路につくのだった。
「ただいま…」
シャラが寝ていることを考慮して声は小さめに出す。
壁掛け時計を見ると、8時10分くらい。珍しく当たっていた。
明日は雨が降るかなぁ…と、一人つぶやきながらリビングルームへ入る。
そこで俺は、うわっ!?と、驚き、尻餅をついた。
ソファーの上でシャラが寝ていたのである。
ここは俺の名推理の見せ所…
んー、恐らく、起きてソファーまでは来たものの眠くて二度寝したんだな。うん、超そのまんま!
俺たちはこの時まだ知らなかったんだ。
これから起ころうとしていることに………