p13 お風呂回、サービスかい?
「じゃ、お風呂お先に失礼しますね」
「おう」
家に着くと、シャラはそのままお風呂へと向かっていった。
かくいう俺はというと、新スキル「着火」…間違えた、新スキル「ファイアー」の有効的な活用方法を考えていた。
っていうか、他にも「運」「技術」「透視」「数値化」「ランダム」…
………透視?
今はシャラが入浴中。
シャラは女の子、俺は男の子。ここから導き出される答えは…?
「透視!」
覗くっきゃないでしょ!(馬鹿)
小さく呟くとどんどん壁が透けていき、シャラのいる浴場が丸見えになった。
しかし、まだ扉があるからその身体を拝むことはできない…
もう一度、透視、と呟くと今度は扉も透けていき丸見えになった。
ーーーーーーー骨が
ちょ!透けすぎ!もうちょいバック!
しかし全然戻らない。シャラはいつまでたっても骨のままだ。
仕方がないので説明を読むとこう書いてあった。
「持続時間は10秒です。」
長い…今はその10秒が限りなく長い…
あ、骨(※シャラ)が立ち上がった。
と、ここで効果が切れた。一気に目の前に壁が現れる。
よし、今度は慎重に…
「…透視……………うわっ!」
またもやそこには骨があった。
調整が…うまく、行かないっ…
風呂場の方からシャラが「どうしました!?」とかけてくる。
もう上がってしまったのか…
しばらくシャラ(骨)を見る。うん、ただの骨だ。
「…?何か私についてま………キャァァァ!」
「へっ!?」
シャラは叫んだ後また浴場へ戻っていった。ダッシュで。
シャラが浴場へ入ると同時に透視の効果が切れる。
そして、戻ってきた後、シャラはこう言った。
「ち、違いますからね!?広樹さんが叫ぶから驚いて服を着忘れたんですからね!別に裸で外を歩く変態さんじゃないですからね!!」
…は?つまり、今シャラは裸で目の前に立ってたの…?
グァァァ!!もったいねぇぇぇぇ!
安心しな、シャラ。骨しか見えてなかったよ…
俺って馬鹿だなぁ…
「だから!だから!…」
「わかったよ。シャラ。ご飯作ってくるな」
キッチンの前に立った俺は、ファイアーの画期的な使い方を思いついた。
まずはファイアー、と呟く。
手のひらに炎が現れる。
それをガスコンロへと移す。
ボッという音がして火がつく…
これは節約に…なる?
なんでもないよ…少し一人にしてくれ。