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ギルドのチートな受付嬢  作者: 夏にコタツ
理由
40/53

7-2:「落ち着いて」

 二日後。

 支部を訪れたセルジさんに、私は一枚の依頼表を差し出した。


「なんの依頼表だ……?」

「錬金術師の方からの依頼です。セルジさんが求める素材を依頼表に記した数を用意して頂ければ、生成を無料で行い、過剰分に関して報酬を支払うそうです」

「本当か!」


 思わぬ知らせにセルジさんは小躍りしそうなくらいに喜び、でも次の瞬間ぴたりとその表情を固めた。

 ミルデューラ洞窟に自生している光虫草は、少数なら中間点くらいで採れるけど、数を稼ごうとしたらどうしても奥まで進まなきゃいけなくなる。


 そして、洞窟の奥にはニドヘッグルという竜型の魔物がいて、奥に進むにつれて遭遇率が高くなってしまうんですよね。

 セルジさん一人で向かうとかなり危険です。


「……ああくそっ! ニドヘッグルの討伐依頼もあったよな!? 前に誰かが登録できなかった奴!」


 どうせならみんなと一緒に倒しに行った方が都合がいいと考えたのか、セルジさんは掲示板を睨みつけた。

 でも、そこにニドヘッグルの文字は無い。

 怪訝とするセルジさんの肩にぽんと手を乗せ、依頼表をひらひらと見せたのはグレースさん。


「悪いね。私たちが先に登録しちゃった」


 彼女の手にある依頼表には、しっかりとニドヘッグルの文字と彼女たち〈朱の双刀〉メンバーの名前が記されていた。

 グレースさんはセルジさんが手柄を横取りされたと怒るところをからかいたかったんだろうけど、むしろセルジさんは諸手を上げる勢いで喜んでいた。


「助かるぜ! 俺も一緒に行っていいか!?」


 呆気にとられたグレースさんは、苦笑しながら首を横に振った。


「やめときな。うちの連中は面倒くさいから。それに、もしあんたを戦闘に巻き込んだら、もっと面倒なことになるしね」

「だ……よなぁ」


 もし受注登録を済ませていないセルジさんが戦闘に巻き込まれたとすると、規約違反の恐れがあるとして拘束・聴取されることは間違いない。

 受注登録しちゃえばいいんだけど、今度は報酬やギルド貢献制度で面倒なことになる。


「わーった。頑張れよ」

「ありがと。あんたもね」


 離れていくグレースさんから目を離し、セルジさんは改めて私に向き直った。


「つーわけで、俺一人で行くわ」

「畏まりました」


 登録証を受け取り、受注登録を開始する。


 錬金術師として報酬を出すように依頼を出したのは前時代的な炉を作るための資金援助みたいなものなんだけど、それを抜きにしても洞窟の奥には行ってもらいたかった。

 セルジさんが言っていた受注できなかったっていう人はあの皇国の皇子で、なんでわざわざニドヘッグルの討伐を選んだのかわからなかった。

 だから、何かやらかしてないか心配だったんですよね。

 結果的にグレースさんたちが行ってくれるってことになったし、セルジさんが何が何でも一人で行くとか言い出さなくて良かった。


 やがてガラス盤の光が青に変わり、受注登録の完了を知らせた。

 登録証と依頼表をセルジさんに返し、素材の運搬についての注意点を説明する。


「――以上の点をご留意ください」

「わかった」

「無事と成功を、心より願っております」


 出発のために支部を出るセルジさんを見送った後も、私は受付業務を続けた。


 いつも大人しいハクが妙に鳴いたり、カティがデートに誘われて変な騒動になったりもしたけど、何のことは無いいつも通りの日々が続いた。

 皇子様がリュネヴィルにいないことは確認済みなんだけど、ロンドヴィルのどこからも事件や異変の連絡はなくて、私が元副支部長の言葉に囚われ過ぎていただけで、悩み多き皇子様の気晴らしみたいなものだったのかもって思うようになっていた。


 そんなふうに私が暢気に考えたせいか、報せがあったのはそのすぐ後。

 セルジさんを見送ってから五日後のことだった。





 セルジさんを見送ったのとグレースさんたちがリュネヴィルを発ったのは同じ日。

 でもセルジさんは光虫草以外を蒐集するために各地を回っているから、グレースさんたちが先に帰ってきた。

 支部に戻ってきた彼女は見た目にもステータスにも損傷は無くて、無事に依頼を終えてきたんだと思った。けど、彼女は般若のような表情を浮かべていて、ホールにいる人たちを恐怖で凍らせてます。


「グレースさん、何かあったんですか?」


 まっすぐ私の所に向かってきたグレースさんに訊ねると、彼女はカウンター越しにも拘らず私に抱き着いてきた。

 いやいやいや。


「……なにしてるんですか」

「補充」


 そう言ったかと思うと、グレースさんは私に顔を埋めながら思いっ切り深呼吸した。

 それで満足したのか、離れた彼女はいつも通りの表情に戻っていた。

 別に禁断症状が出てるわけじゃなさそうだし……もう何が何やら。


「ごめんごめん。もう苛々しちゃってさ。じゃあ報告するよ」

「はい。宜しくお願いします」

「ニドヘッグルは討伐されたけど、やったのは私たちじゃない。勝手に討伐した奴がいた」


 彼女の言葉が聞こえた人たちがざわついて、支部が静まり返る。

 なるほど、獲物を横取りされて怒っていたわけですね。

 私はリアに目配せして、フランクさんを呼んできてもらう様に頼んだ。

 一方、言いながら思い出してきたのか、グレースさんの表情が徐々に険しくなっていく。


「ちょうど剣を引き抜いてる奴がいて、捕まえようとしたけど逃げられた」

「……何か、特徴はありませんでしたか?」

「それを聞きに来たんだ。出口の辺りにいたセルジは、受注できなかった奴だったって言ってた。心当たりはない?」


 私は頭を抱えたくなった。

 普人主義関連のことばかり考えていたから、まさかこんな形で問題を起こしてくれると思いませんでした。

 何? この世界の皇子とか王子って馬鹿しかいないの?


「……登録の申請をしましたから、記録は残っていると思います」


 偽名だろうけど。

 そう考えながらガラス盤に魔力を通し、過去の情報に遡っていく。

 そうしているうちに下りてきたフランクさんが私のすぐ横まで来たけど、検索中だということに気付いてグレースさんに向き直った。


「グレース、申し訳ないがもう一度話を聞かせてくれ」

「うん」


 検索が終わる頃には説明が終了していて、フランクさんは難しい表情で私を見た。

 それに頷きで応え、検索結果を読み上げる。


「先日受注登録の認証に不可が下りたのは、バラムパックス連合本部発行の登録証……名前は、トルスティ。所属は傭兵ギルド、バラムパックス本部です」


 長い歴史と多くの分家を持つライハンド皇国の皇族は、みんな名前・ミドルネーム・姓を持つから、名前だけってことはありえない。まぁ名前も偽名だろうし、深く考えても意味ないか。

 バラムパックスは皇国に隣する普人が多い国で、確か王家は皇国の分家が乗っ取っていたはずだから……裏から手を回してもらった、とか?

 でも試験は基本的に身分証明が必要ないから、それも関係ないか。


「……わかった。イリア、至急の伝達依頼を出してくれ」

「わかりました。ロンドヴィル本部だけでよろしいですか?」

「ああ。グレース、悪いがまた話を聞くかもしれない。その時はよろしく頼む」

「野放しにはできないしね。仕方ないか」


 グレースさんの思いっきり面倒くさそうな表情に、フランクさんと私は苦笑するしかなかった。


 受付業務を終え、私は執務室に向かった。

 ノックをして中に入ると、ちょうどフランクさんが今回の件についての報告書をまとめているところだった。


「どうした?」

「容疑者のトルスティさんについて、お耳に入れておきたいことがあります」

「……聞かせてくれ」


 竜神の児ハクのことがあったからか、フランクさんはペンを止めて話を聞く体勢に入る。

 卵だったハクが巻き込まれた時とは違って皇子様の意思で動いた結果だから、私個人ではあんまり関わるつもりはない。

 けど、今回の件でギルドと国の関係が悪化する可能性が高くなったから、連合支部の職員としての義理は果たしておこうと思った。


「彼は、ライハンド皇国の皇子です」

「……間違いないのか」

「はい。遠目ですが、見た記憶があります」


 ウソだけど、チートをバラさず信じてもらうためには仕方ない。……って、前なら完結できたのに、知らないふりをしようとしていたせいか、罪悪感が……。


「イリア?」

「あ、いえ」


 我に返ると、フランクさんが怪訝……というより、心配そうな表情で私を見ていた。

 頭を切り替え、改めてフランクさんと向き合う。


「それだけお伝えしておこうと思ったので。依頼の制作に取り掛かります」

「頼む。ただし、無理はするなよ?」

「はい。大丈夫です」


 笑顔を見せて健全アピール。

 ただでさえストレス溜まってそうだし、心配性なフランクさんの前では考え事はやめておこう

 事務室に向かった私はその日のうちに依頼の制作と受注登録を済ませ、今回の件の概要と容疑者についての報告書を本部に送った。





 数日後。

 トルスティという普人は更に別件で未登録討伐を行ったのを確認され、傭兵ギルド総本山は正式に彼を粛清対象とする旨を世界中に通達した。





 彼が皇国の皇子であることは通達の内容に含まれていなかった。


 たぶんとしか言えないけど、連合か傭兵ギルド本部の情報操作だと思う。

 皇族だから粛清対象にしませんなんて言えば権威ガタ落ちだし、粛清対象だけど皇族って付け加えたら、考慮してねって深読みされてギルド員から不信感と反感を買うことになりかねない。

 皇国に抗議しても認められなかったらアウトだし、粛清しますなんて宣言しても喧嘩を売ってるとしか思われない。

 大抵の行動が日和ったと思われかねないから、強硬策に出たんだろうなー……。


 受付カウンターに立ち、そんなことを考えながら、私は足元に置かれた剣に目を遣る。

 その剣には【神の目】で見ると《聖剣》って書かれてるけど、本来そこには《剣:○○》みたいに《品目:名前》と表示される。

 名前がないのは、類似品も含めて今まで誰も造ったことがない剣だから。


 ほとんど唯一と言っていい前時代の製錬炉を知るドワーフ、デモステネスさんさんから送られた光素鋼と、銀を含んだ特殊合金エルハス。

 その二つを用い、ドワーフの鍛冶職人マトセオスさんによって捲り鍛えという造込みの製法で生み出された片刃の剣は、今までに造られた聖剣とは素材も造り方も違う。

 【神の目】だけじゃなくて実際に試すために預かっていたんだけど、ちゃんと聖剣としての効果を発揮してたから、トリスタンの魔剣でも大丈夫だと思う。


 でも、これを渡すべき相手はまだ命がけの追いかけっこ中。


「こんにちはー!」


 給食を取りに来たソフィアの、いつも以上に元気な声がホールに響いた。

 彼女も完全に馴染んだらしくて、ホールにいる人たちとほんわかした挨拶を交わしながら厨房に向かってくる。


「お姉さま、こんにちは!」

「こんにちは。気を付けてね」

「はい!」


 最初の頃にあった意気込みからくる力みもなくなって、より自然体に振る舞えるようになったソフィアは、名実ともに教会のお姉さんとして子供たちからも好かれてる。

 使徒さんも不気味なほどベルナルトさんとして振る舞っていてくれて、ソフィアも彼の変化には気付いていない。


「そうだ! 昨日フェイちゃんから手紙が来たんです!」

「フェイちゃんから?」

「はい! 元気でやってるって書いてありました!」


 フェイちゃんは教会の学校に通っていた獣人の女の子で、彼女の聡明さを見込んだ貴族の屋敷に秘書見習いとして雇われた子。

 彼女の働きぶりは貴族の間で有名になって、学校の教育水準の高さがロンドヴィル中に知れ渡ることになった。

 このまま行けば学校の卒業生に就職先を斡旋できるようになるかもしれないけど、そんなことよりも彼女が元気でいることの方が嬉しかった。


「そっか。良かった」

「はい!」


 手紙のおかげでいつも以上に機嫌がいいみたいだけど、一緒になって喜んでる私が言えたことじゃありませんね。

 支部のドアが勢いよく開かれたのは、にこにこしながらソフィアが厨房に入った時のことだった。


「イリアちゃん、来てくれ! そ、それとソフィアちゃんは見なかったか!?」

「ソフィアならここにいます。何があったんですか?」

「な、なんですか?」


 慌てて厨房から出てきたソフィアを見つけ、入って来た男性は教会のある方を指差した。


「重傷の患者だ! 教会に運んだ!」

「わ、わかりました!」


 教会に患者を運んだけど、ソフィアがいなかったから私の所に来た、ってところかな。

 ソフィアの回復魔術なら大抵の怪我なら直せるし、私はいらないかな。


「イリアちゃんも頼む! ソフィアちゃんだけじゃ追いつかないかもしれん!」

「あ、はい」


 複数……それも結構な数っぽい。


「エリーゼ、バルドさんに休憩上がり早まったって言っておいてくれる?」

「うん。わかった。いってらっしゃい」

「いってきます」


 支部を出て、先に走っていった二人を追いかけた。

 追いつくのは簡単だけど、バレないようにゆっくり走る。そのかわり、距離を抑えて透視を高めた【千里眼】で患者の様子を視ておくことにした。


 患者の数は、予想と違って九人。

 重傷と重体の人が五人で、急を要しない軽傷の人たちが四人だった。

 確かに人数は多い方だけど、ソフィアの実力なら大丈夫そう。

 そう楽観視した私に罰が当たったんでしょうか。


 重体の人は例の粛清対象の普人、トルスティさんでした。


 これは粛清で戦闘になった結果の惨状らしいけど、それはともかく彼がいるならソフィア一人に任せるわけにはいかない。

 私は考えを改め、先を走る二人の背中を追った。





 教会に着くや否や、ソフィアはいつものにこやかな雰囲気から一転、凛とした表情で患者に手当を開始した。

 流石に慣れているらしく、トルスティさんの傷が一番拙いことを察して彼から治療を始めた。

 あまりの迅速さに声をかけることすらできず、私は重症者の治療に取り掛かることにした。


「俺らはそこまで酷くないから、闘技場の医務室に行くよ」

「ごめんなさい、……助かります」


 気を利かせて医務室を出ていくギルド員たちに目もくれず、ソフィアはトルスティさんに回復魔術をかけ続けていた。

 でも、その回復速度はあまりにも遅い。

 彼女自身に非は無いんだけど、原因に気付かない……気付けないソフィアは、焦りの色を濃くしていく。


「ソフィア、大丈夫。落ち着いて」

「は、はい……!」


 誰の目も向けられていないのを確認し、結界を解いて回復魔術・ヒールを詠唱する。

 重傷者四人が完治しても、トルスティさんは完治には程遠い。

 取り敢えず生命活動に支障がない程度にまで回復したけど、動けるような状態にはならなかった。


 やがてソフィアの魔力が尽きて、その場に座り込んでしまった。


「お姉……さま、申し訳ありません……後は……」

「その必要はないよ」


 私の代わりに答えたのは、ついさっき入室した鳥人の男性だった。

 その顔には見覚えがあって、確かロンドヴィル本部の副本部長。


「粛清が完了したと聞いて飛んできたが、間に合ったようで何よりだ」


 そう言って副本部長はため息交じりでトルスティさんを見下ろす。

 王都の連合ロンドヴィル本部から本当に飛んできたにしては早すぎるし……トルスティさんを見つけた段階で駆けつけ、粛清完了まで近くの街で待機していた、ってところだと思う。


「ひ、必要ないって、どういうことですか……?」

「完治させてしまえば逃げ出す可能性が有るからね。取り敢えず死ななければ十分だ」

「そ、そんなっ……!」


 ソフィアは抗議しようとしたけど、疲労困憊で足がもつれて転びそうになる。

 彼女を支え、私はトルスティさんに枷を嵌めようとしている副本部長(仮)に目を向けた。


「これ以上の回復を望まれないのでしたら、拘束するのはやめてください」

「そうは言うがね。彼と戦ったギルド員を君も見ただろう? 何かあってからでは遅いんだよ」


 その口ぶりから、この人はトルスティさんが皇族っていうことを知ってるんだって直感した。

 逃げられて皇国にでも戻られたら拙いから、ここで動けなくするつもりらしい。

 口封じのために殺さなかったのは、登録したバラムパックスを通じて皇国にバレることを避けたかったから、かな。


「それとも、君が責任を持って彼を拘束してくれるのかな?」

「はい」


 それでいっか、と首肯すると、副本部長(仮)は呆気にとられたように目を瞬かせた。


「……本気か? 見たところ、支部の職員のようだが」

「審査員の資格は持っています」


 審査員は、戦闘能力と洞察力を認められなければ資格を得ることはできない。

 それで納得したかどうかはわからないけど、副本部長(仮)は下卑た笑みを浮かべた。


「……わかった。後日本部長がいらっしゃる。それまでに彼を逃がしてしまった場合、君に責任を取ってもらおう」

「わかりました」


 な、なんか蛇みたいな笑顔に悪寒が走るんだけど……まぁいいや。言葉を撤回するつもりはありません。

 逃がしたらまた捕まえればいいんだし!

 副本部長(仮)はトルスティさんの荷物から登録証を取り出し、医務室から退出した。

 呼吸を整え、僅かに疲労を回復させたソフィアが私に懇願するような視線を向けてくる。


「本当に、このままにしておくんですか……?」


 捨てられた子犬を見捨てるような罪悪感が私を襲う!

 ちゃんと回復する手立ては普通にあるんだけど、ソフィアの前ではできないし、教会が壊れてしまう可能性もあるんですよね……。

 彼女の問いに答えたのは、副(仮)と入れ替わる様に入室してきた使徒さんだった。


「イリアさんにはお考えがあるのですよ、ソフィア」

「司祭様……」


 使徒さんはソフィアに笑顔を返し、次いで私に顔を向ける。

 その見抜こうとするような視線に居心地の悪さを感じて、仕方ないと私は首肯して見せた。


「はい。つきましては、彼の容体が安定し次第、支部に移らせていただきたいのですが」

「確かに承りました」


 ソフィアはまだ少し不満そうだったけど、容体が悪化したら駆けつけると言うことで最後には了承してくれた。

 これで粛清が終わったことを傭兵ギルドが発表すれば一件落着。

 ……なんて、最近厄介ごとが増えまくってるのに、そんな都合よく行くわけもなく。


 それから一か月もしないうちに、神聖ライハンド皇国はとある声明を出す。

 それは傭兵ギルド、並びに同組織を擁護するあらゆる組織に対しての、武力行使による報復。


 皇国からの、宣戦布告だった。

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